元祖ベジタリアン料理ビュッフェ店がお引っ越し!オシャレな店内で台湾人の素食(ベジタリアンフード)文化を体験しましょう
こんにちは、台北ナビです。以前は長春路にあった素食レストランが南京五段に引っ越ししたと聞いてやってきました。素食とは、簡単に言うと肉や魚を使わないベジタリアンフードのこと。根っからの肉食主義者のナビ(もう何なら肉食獣?)にベジタリアンフード・レストランの取材だなんて…。世界一素食レストランの取材に向かないであろうナビが見たベジタリアンレストランとは?!台湾の食文化がギュっと詰まった魅惑空間へようこそ~♪
欧米では寿司や納豆などの日本食に人気がでたり、日本でもLOHASなる生活スタイルが流行したりと、世界中で健康に対する関心が高まっています。台湾でも、有機野菜や自然食品などを扱うお店を見かけることが多くなってきました。とは言っても、台湾人の健康に対する熱心さというのは今に始まったことではありません。もともと「医食同源」という考え方が定着している上、宗教上の問題から肉類が食べられない人も多いため、「台湾料理」とか「和食」のように、「素食」というのは料理の1つのジャンルを確立しているといっても過言ではないのです。
今日おじゃましたお店は、そんな台湾の素食ビュッフェ店の草分け的存在。創業は1982年、今から30年以上も前のこと。その頃はまだ現在ほど「素食」ブームはなかったそうです。この素食を台湾中に広げたいという郭オーナーの考えのもとお店をオープン。台湾の素食を牽引し続けて今に至ります。「蓮心園素食餐廰」や「長春素食」などのレストランのシェフも、元は「蓮香齋(現:御蓮齋)」で修行をした方が多いのだそう。台北で素食と言えば=「蓮香齋」というほど有名なお店なんです。
素食レストランと聞くと蓮の花がで~んと飾ってあって、いかにも「仏教です」的なイメージが強いのですが、こちらはオシャレすぎてビックリ!1階ゲートのギラギラ感とは違い、地下に降りるとそこはイタリアンレストランと見間違えんばかり。こんなところで食べられるなら素食もいいかも…だなんて雰囲気に弱いナビは思ってしまいます。引っ越し前の店舗よりも面積は広くなりましたが、お客様にゆったりとご飯を食べてもらいたいという思いから、客席数は少なくなり600席ほど。少なくなったと言えども600席もあるんだから、週末でも予約しなくても大丈夫かと思いましたが、予約ですべて埋まってしまうそうで、平日の夜や週末は予約がないと入ることはできないそうです。そして、月曜日はお得デーで少しお安いためお客さんもい~~っぱい。平日でも休日でも訪れる前には必ず予約をしてから向かいましょう!ホテルのフロントにお願いすれば予約してもらえますよ。
少油、少塩、不使用科学調味料、多繊維、低コレステロール 体にいいことぜーんぶ実践!
首席主厨の葛師傳氏
こちらの料理は、肉や魚を使わないベジタリアンフードであるのはもちろん、「少油,少塩,不使用化学調味料,多繊維,低コレステロール」など、体にいいことは全て実践しています。ナビが一番驚いたことは「素食というのは肉や魚以外でも、ニンニク、ネギ、玉ネギ、ニラなどの刺激物も禁止食材」だということ!もちろん「蓮香齋」でもこれらのものは一切使っていないそうです。卵についても、アレルギーや宗教上の問題で素食を食べる方には、NGということもあるので、卵を使用している料理やデザートについてはきちんと明記されています。
えっ?でも…肉や魚だけでなくニンニクやネギも使えないとなると、正直味に一抹の不安が…。体にいいけどおいしくないものを食べて長生きするより、おいしいものをた~っぷり食べて体格同様、太く短く生きたいと思うナビは今まで「素食レストラン」を敬遠し続けていたんです。でも、今日でその考えが少し変わりました。今までごめんなさい!!素食って結構イケる~♪
中華、台湾料理はもちろん、和食や洋食まで食べられる!お料理は200種類以上!!
首席主厨の葛師傳氏
レストラン内は中華、飲茶、台湾料理、和食、洋食、茹で野菜、蒸し野菜、スイーツ、ジュースなどなど総勢200種類以上のお料理が並びます。ただ並べているだけではなく、エリア分けされているので、食べたいお料理が見つけやすいのも嬉しいです。
その全てを取り仕切るのが首席主厨(シェフ)の葛師傳氏。葛氏はテレビで料理番組に出演するなど、台湾ではちょっとした有名人。でも上海店と台北店を行ったり来たりしているそうなので、行った時に会えるかどうかは運次第!
その葛氏、素食レストランではないお店での修行経験もあるのだとか。理由を伺うと、素食はいろいろな制限が多いため、おいしい素食を作るためには料理の腕だけではなく、豊かな発想も必要。既存の枠にとらわれない新しい素食を作るためには、素食以外のレストランでの修行もきっと役に立つと考えたからだそう。さすがです。ところで「素食主義者なんですか?」と伺ったところ、「実は違います…」との答えが。素食主義者じゃないナビのようなものにもウマイ!と言わせる料理の謎はもしかしてここにアリ!?なのかもしれません。
人気が高いと言う蕎麦やお寿司!ピンクの梅蕎麦が結構おいしかったです
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黒豆煮に出会えるなんて!
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とにかく食べて台湾流ベジタリアン文化を体感するべし!
こんにゃく刺身!
200種類以上あるお料理。片っ端から少しずつ食べてみて自分の好きなお料理を見つけ出しましょう。見た目や食感からして明らかにこんにゃくね!と思うものもありますが、食べてみても「これはお肉です」と言われれば、「そうですねっ!」と思ってしまいそうなレベルなものもいっぱい。台湾素食恐るべし!もちろん、素食店だから野菜やトッピング、ドレッシングのバリエーションが多い。こちらで使われるお野菜は毎日新鮮なものが市場から送られてきますので、たくさん食べてくださいね。ナビは個人的に台湾の野菜が大好き!ウサギになった気分でモリモリお野菜を食べちゃいました。生野菜が苦手という方は茹で野菜や蒸し野菜を試してみてください。以前は炒めていましたが、摂取油をより少なくしたいということで茹で野菜サービスに変わりました。好きな野菜を渡せばその場でさっと茹でてくれます。
ナビがだまされた黒糖ケーキ。90%の確率で間違っちゃうと思います~
見た目だけで味が想像できないのも台湾素食の面白いところ!正直、これおいしくなさそう…と思ったやつが意外とおいしかったり、チョコレートケーキだと思って食べたら黒糖ケーキだったり…。ゲーム感覚で色々なものを試していただきたいです。
ずらりと並んだスイーツ達。どれを食べようか迷っちゃう
これがなかなかのレベル!お試しあれ♪
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ふかしただけなのに色がきれいでおいしそう!
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一番人気は臭豆腐!
臭い~!けどうまい~♪
入口から近いところにで~んと置かれた臭豆腐。葛氏もオススメの一品です。11時半の開店と共に並べられる臭豆腐ですが、あっという間に取られてしまうほど人気。人気商品に限らず、置かれているお料理が空っぽになったらすぐに補充してくれるので焦らず待ちましょう。もうひとつの人気お料理が擔仔麺。その場で麺や野菜を湯がいてくれるのが嬉しいんですよね~。ナビはめざとく近くにワンタンが置かれているのに気付き、一緒に湯がいてもらいました。このワンタンがおいしかった~!毎朝手で包んでいるそうですよ♪絶対お肉でしょ?と思う食感とお味。ヘルシーワンタンを是非お試しください。ちなみに台湾人スタッフ銭くんはハーゲンダッツのアイスクリ―ムは絶対食べなくちゃ!とた~くさん食べていました。ハーゲンダッツのアイスには卵と牛乳が含まれていますが、牛乳や卵を使用していない「十方苑」のものも用意されています。でも、観察してみると台湾の方には断然ハーゲンダッツが人気でした~!
素食のイメージを覆す!口で楽しんだら目でも台湾文化を感じて☆
素食ビュッフェということもあって、尼僧やラマの姿もちらほら見かけますが、多くは一般市民が日頃の肉食生活で疲れた胃を休めに来ているのかなぁという印象。ナビは勝手に『素食を食べる人達⇒草食系⇒おだやか』などと想像していたのですが、そうではなく…。食に対する情熱は肉食系!でも食べるものは素食という図がとっても台湾らしくて面白いんですよねぇ。また、日本だとビュッフェって少しずつ自分の食べられる量を取るというのがマナーですが、こちらではひとつのお皿にひとつのおかずをど~んと取っている方が大勢います。やっぱり台湾の「分享(シェア)」好きな文化が影響しているのかな?日本のビュッフェでは体験できない台湾らしさを感じられるのも楽しいなぁと思いました。
ちなみに母の日はかなり早く予約でいっぱいになるそうなのですが、情人節(バレンタインデー)なども人気なんだとか!素食ビュッフェが家族団欒や恋人とのデートに使われるというのも台湾ならではだなぁと思います。
台湾滞在が長くなると油っぽい食事に肉料理も多くなり、胃が疲れてくることもしばしば…。そんな時、体に優しいベジタリアン料理をいただくのって正解!と思いました。しかも満腹食べたと思っても、消化が早いためか「心地よい満腹感」に包まれるだけで、次のお食事もおいしく食べられる気がしてくるから不思議です。台湾人の食文化も垣間見られるし、面白い経験になると思います!
以上、3時間後にはおやつを食べてしまった食いしん坊ナビがお届けしました。