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今回のケースは食後数時間という早期に発症していることから、ブドウ
球菌等による毒素性の食中毒と思われます。
症状は激烈ですが、毒素の体外への排泄により、比較的早期に
回復します。
しかし、国の内外にかかわらず、貝類の生食には十分な注意が必要で
す。
貝類、特に二枚貝にはSRSV(ノロウイルス)という人にウイルス
性腸炎を起こすウイルスが付着していることがよくあります。
このウイルスは、人の腸炎の原因として非常にメジャーなもので、
これらの患者の便中に排泄されたウイルスが下水から河川水、海水へと
流れ、貝に付着した後、また人に食べられ人に感染します。
つまり人と貝の間で無限ループをなしている訳です。
そのため、人にノロウイルス腸炎が流行すると、貝へのウイルス付着が
増えたり、大雨で大量の下水が河川に流れた後に、貝類による食中毒
が増えたなどという報告があります。
注意すべきなのは、これらのウイルス感染は新鮮で、清潔と思われる
食材でもおきうるということです。
生食用のカキなどは、出荷前にウイルスフィルターでろ過した水で
再養殖してウイルスを除去してありますが、このウイルスに非常に
敏感な人は、それでも発症することがまれにあります。
私自身、台南の超有名サバヒー粥店の粥のカキで、これにやられ
翌日の高雄→台北のアロハバスの中で、死ぬ思いをしました。
職業柄、日本のノロには強力な抗体を有しているはずですが、多分
台湾のウイルスのサブタイプが違うのでしょう。それゆえ、周りの
台湾の人たちはおそらく発症していないものと推察されます。
台湾の食品衛生が一概に不潔とは思いませんが、貝類の海外での生食に
は十分注意してください。
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