伝統を大切に継承しながら『今』とマッチさせた現代版茶芸館!台湾茶文化の神髄をおしゃれに感じよう!
こんにちは、台北ナビです。
台湾旅行中、「茶芸館」でおいしいお茶を飲みながらまったりとした時間を過ごしたい」
そういう方多いのではないのでしょうか?
台湾茶のことは全然詳しくないですが、茶芸館で台湾茶を楽しむことは大好きというナビのためかな?と思うくらい、気軽に本格的な台湾茶をいただけるティーラウンジ「兆兆茶苑」があると聞いて、台中にやってきました!
若者と台湾茶との距離を縮めたい
陳宗均(Scott)さん
「兆兆茶苑」のオーナー・陳宗均(Scott)さんのご家族は、南投で茶農家を営み、茶葉の栽培・収穫、製茶、焙煎、販売をすべて行っていました。しかし、Scottさんは感じていました。台湾はお茶大国でありながら、台湾茶を楽しむ年齢層は明らかに高いと。
それは若者にとってお茶屋さんや茶芸館は入りにくい場所と感じているのが原因なのではないか?それならこの現実を打破するため、若者と台湾茶の距離を縮められるようなティーラウンジを作りたいと、2019年「兆兆茶苑」をオープンしました。
台中のおしゃれスポットの中でも飛び抜けて高いデザイン性!
「草悟道」と「審計新村」といえば、台中を代表する人気スポットです。センス高いカフェやショップが軒を連ね、休日ともなると地元民や観光客でにぎわいます。この一角にひっそりとあるのが「兆兆茶苑」です。
いわゆる茶芸館などとは全く異なる雰囲気
色々作り込んだ映えるお店が多いなか、「兆兆茶苑」の古民家をリノベーションした建物はどこか日本のわびさびを感じさせます。凛とした雰囲気をまとう店内に一歩入ると、不思議とすっと心が静まります。霊験あらたかな神社や歴史ある大学で感じるようなあの雰囲気にそっくり!
すごい設計だなと素人ナビでも感じたデザインですが、オープンの翌年2020年の「レッド・ドットデザイン賞ベスト・オブ・ベスト」、「日本空間デザイン賞Best 100」や「金點設計獎(Golden Pin Design Award)」を次々に獲得。プロが見てもこのデザインは素晴らしいのですね!
着飾らず、ありのままで、「余白」を感じさせるデザインは、訪れる人々に「自由にこの空間とお茶・そして時間を感じ取ってください」と訴えかけているようです。このシンプルさはお茶の本質を感じて欲しいというScottさんの思いが込められているといいます。
1階はカウンター
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2階はテーブル席
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人数などによって席に案内されます |
茶葉焙煎は店内で!伝統的なお茶屋さんみたいなティーラウンジ
歴史ある老舗お茶屋さんで見かける、店内の茶葉焙煎ですが、「兆兆茶苑」の1階奥でも行われています。
1階奥で行われる焙煎
自らの農園、理念を同じくする農園から送られてくる毛茶(焙煎前の茶葉)を、茶葉によって製茶方法は異なりますが、1~2週間焙煎をして商品となる茶葉を作っていきます。
ナビが訪れた時はリュウガンの炭がありました。これで炭火焙煎していくものもあるそう。運が良ければ、茶葉の焙煎の香りを感じながらお茶を楽しめるかもしれません。
自分に合うお茶が一番いいお茶!
それではメニューを見てみましょう!メニューには約20種類のお茶があり、烏龍茶、白茶、紅茶、緑茶、冰萃茶に分類されています。これらに茶點(お茶菓子)が1つついてきます。
2022年10月のメニュー
こんなに茶葉の種類があると、選ぶのが大変……。でも、安心してください。店員さんがメニューを見ながら一通り茶葉の説明をしてくれるので、それをもとに決めれば大丈夫。
気に入ったらお土産にも!
メニューには茶葉の発酵度、形状、焙煎の具合とともに、クチナシの花、蜜の香りなど味の特徴も記載されています。それでもどれにしようか迷ったら、自分の好みのお茶を伝えれば、合ったものをおすすめしてくれます。
ちなみにリピーターさんのために、メニューには載っていない隠れメニューもあるそう。興味があれば聞いてみてくださいね。ただ、希少なお茶だから、値段が高いからいいというものではなく、自分が好きなお茶が自分にとって最もいいお茶です。まずは自分がおいしいと感じるお茶を見つけてみてくださいね。
茶菓子はどれを食べてもお茶に合う~!
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ナビのお気に入りは「地瓜餅」。スイートポテトのようなちょっぴり洋風な味がする茶菓子です♡
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注文が入ると、一杯ずつ心を込めてお茶をいれてくれます。一人分の茶壺(急須)または蓋碗(急須と湯のみの二役をこなす茶器)に適量の茶葉を入れ、お湯をそそぎ、適度な時間蒸らして、茶海(ピッチャー)に移してから、茶菓子と茶杯(湯のみ)とともに1セットにしてサーブしてくれます。
これが1セット!
ここまでは目の前で工夫茶の見本を見せてくれるような普通の茶芸館などと同じですが、「兆兆茶苑」では各々の茶葉に最も適した温度のお湯をそれぞれサーブしてくれます。(もちろんおすすめの蒸らし時間も教えてくれます)ひとつの茶葉にひとつのケトルがサーブされるというわけ。
それぞれの茶葉の持ち味を最高の形で味わって欲しいという思いが伝わる、いいサービスだなと思いませんか?
こだわりが詰まった数量限定の水出し茶
茶芸館などを訪れると、お湯をおかわりできるからというせこい理由で、茶壺でサーブされる温かいお茶を選びがちのナビですが、冰萃茶(水出し茶)がおすすめですよ!と教えてもらって注文してみたら、大正解!
お茶の爽やかな甘い香りが鼻に抜けていくほどの芳醇さ!今までナビが飲んでいた水出し茶とは一線を画す香りと味に驚愕!
聞くと、オープンから2年経ってからようやくメニューに掲載できたという水出し茶は、48時間以上冷蔵庫で冷やしてお茶を抽出します。そして、使用するのは北海道と長野のミネラルウォーター。
何でも、茶葉本来の味を引き出してくれる水を探すため、台湾国内外の水を取り寄せて様々な茶葉に合わせていれてみたところ、日本のミネラルウォーターに含まれるミネラルのおかげで、茶葉の甘さが際立つことを発見したのだとか。
おしゃれさではなく、お茶の本質を引き出してくれるか?が最も重要!
台湾ではペットボトルやワイングラスなどに入ったおしゃれな水出し茶をよく見かけます。しかし、「兆兆茶苑」が選んだのは日本の新潟県燕市で作られる「SUSgallery」のチタン製真空二重タンブラー。写真映えするかどうかではなく、お茶の本質を味わいやすくするのに最も適したコップを採用しています。
このコップは保冷効果が高く、時間が経っても冷たいまま!口当たりが良く、お茶の香りが香り立ちますよ。ちなみにこのコップ、めっちゃ高級です。値段は伏せますが、こんなに高級なコップを普通にお客さんに提供してくれるんだ……と驚きました!
「形式にとらわれることなく、心を静めるのが『お茶を楽しむ』のに最も必要なこと」と語るScottさん。お茶の伝道師として、自らが考えるお茶の哲学を広めているその姿に脱帽です。
話口も軽快なので、カウンターに座って、Scottさんと語り合うのも乙なものですよ。
台中に来たら、次も絶対立ち寄ってしまうだろうと思う「兆兆茶苑」。土曜日は特に混雑しますので、予約をおすすめします。
また、「兆兆茶苑」のお茶は販売ルートが限られています。「兆兆茶苑」の店頭以外では、「星のやグーグァン」や高雄のミシュラン星付きレストラン「承 Sho」など限られたお店だけで販売されています。(公式ホームページのオンラインショッピングサイトからは購入可能です)
以上、台北ナビがお届けしました。