懐かしさと新しさが交錯する眷村菜!バラエティ豊かな料理は大人数で楽しむのにぴったりです
こんにちは、台北ナビです。
激動の歴史を歩んできた台湾には複数の民族とエスニックグループ(族群)があり、それに合わせて多種多様な料理が存在します。そんな台湾の豊富な食文化から、今回は第2次世界大戦後に国民党政府に従って台湾にやってきた軍人とその家族らが暮らした「眷村」の料理をお届けします。
懐かしさと新しさが交錯する眷村菜のレストラン「南村|私廚,小酒棧」、女子ナビ御一行でワイワイ楽しくレッツゴー!
台中市の彩虹眷村
「眷村」とは1949年以降、中国大陸から国民党政府に従って台湾にやってきた大勢の軍人とその家族らが暮らした場。その人たちの数は120万人とも言われ、台湾全土に900近くの眷村があったそうです。
眷村には、中国各地からやってきた言葉も文化も異なる人々が暮らし、独特の文化が育まれていきます。特に興味深いのが食文化!中国広しですから、それぞれの家庭で故郷の味が異なります。
四川出身のママが作る「四川料理」もあれば、河南出身のおばあちゃん自慢の「河南料理」もあり…そして、中国各地のおふくろの味が隣近所でミックスされて、眷村オリジナルのメニューも生まれたりしたそう。お店のスタッフからこんな話を聞きながら、「眷村菜」とは台湾特有の歴史が産んだ唯一無二のお料理なんだな…としみじみ。
「おばあちゃんの眷村菜を残したい」!オーナーは「四四南村」出身
南村という店名は「四四南村」に由来しています
「南村|私廚,小酒棧」」という店名から連想された方もいらっしゃるかもしれませんが、オーナーのうちの楊冀安夫妻は台北市の眷村「四四南村」のご出身。祖父母が中国からやってきた第3世代で、幼少期をそこで過ごしました。
都市開発によって住まいは取り壊され、現在は公園や公民館、ショップなどからなる複合施設として使用されていますが、おばあちゃんが眷村で作ってくれたふるさとの美味しい料理はかけがえのない大切な思い出。その料理を継承し、たくさんの人にも提供したいと2017年1月にオープンしたのがこのレストランなのです。
取材当日は残念ながらオーナーとお会いすることができず、四四南村での暮らしぶりやおばあちゃんの手料理にまつわるお話を聞くことができなかったのですが、おばあちゃんや親戚もこのお店によく来られて懐かしの「眷村菜」を楽しまれているそうです。
展示室では当時の暮らしぶりを伺うことができます
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カフェのモッチモチベーグルは必食!
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眷村菜のイメージを覆すおしゃれでモダンな店内!
照明を落としたシックな店内
店に入ってまず感じたのは、「ナビの知っている眷村料理店とは全く違う!」ということ。
台北市内で見かける眷村菜のお店は、眷村の家屋を再現したインテリアであったり、軍服や徽章、軍事標語などの軍人を彷彿させるグッズが飾られていたりと、どこかレトロで懐かしい感じが多いのですが、「南村|私廚,小酒棧」はご覧の通り、それらのイメージを覆すモダンでおしゃれなインテリアです。
ビストロやカフェのような雰囲気で、女子だけでも気軽に入りやすいのもポイント高し!お料理の方も、おばあちゃん直伝の伝統的な「眷村菜」をベースに現代風なアレンジを加えているそうで、これは新しい発見がありそうで楽しみ〜♡
河南蒸麵(320元)
お店の看板メニュー。河南省の麺料理で、水を一切使わずに麺を蒸し上げているのが特徴です。豚バラやもやし、さやいんげんが入っていて日本の焼きそばにも似て見えますが、麺がもっちもっち!食べるほどに醤油風味の甘しょっぱい味が口の中に広がり、うまし!オーナーが幼い頃に大好きだったおばちゃんのお料理だそうです。
毛澤東紅燒肉(580元)+珍珠刈包(1個35元)
湖南料理の紅燒肉は毛沢東氏が好きだった料理だそうで、このネーミンング。見た目は東坡肉(トンポーロウ/豚の角煮)に似ていますが、食べれば全く違います。
何時間もコトコト煮込まれた柔らかい東坡肉に対して、この紅燒肉はたったの45分しか煮込まないそうで、QQ感(弾力のある食感)がとにかくすごい!1日1頭しか絞めないという深坑の特別な黒豚は油っぽさが少なく、甘みのあるモチモチとした食感です。
こってりとした醤油の味付けで、刈包(別注文)に挟んで食べるのがオススメ。ここの刈包は他店に比べて珍珠のように小さめサイズなので、肉感を存分に堪能できちゃいます。