おいしい豆花が食べられるのはもちろん、なんと作り方まで教えてもらえちゃう!!
こんにちは、台北ナビです。
日本でも最近、徐々に知名度を上げつつある台湾の定番スイーツ、豆花。
豆腐に甘いシロップをかけたような、とってもシンプルなスイーツですが、そのあっさり感とさまざまなトッピングを選べる楽しさが魅力で、台湾旅行者の多くが「また食べたい!」と虜になってしまいます。
でも残念ながら、日本ではまだ、あの台湾独特の豆花が食べられるお店はあまりありません。それならいっそ、自分で作っちゃう!?
というわけで、その作り方を伝授してくれるという浅草豆花大王にお邪魔してきました。
豆花の魅力を広めたくて、お店をオープン
お店は多くの観光客で賑わう浅草にあります。駅を出て、浅草寺を通り抜け、さらに歩くこと10分弱。ようやく看板が見えてきました。
黄色い看板が目印です
迎えてくれたのは、店長の志田晃久さん。お母さんが台湾人という志田さんは、幼い頃からよく豆花を食べていたんだそう。
「ピーナッツをトッピングしたシンプルな豆花をよく食べていて、大好きだったんです。台湾ではどこにでもある定番スイーツで、自分にとっても馴染み深いのに、日本では全然お店がない。横浜中華街でさえ、豆花のお店ってないんですよ。でも、以前ニューヨークに行ったとき、チャイナタウンにあったんですね。それで、よし、日本にも豆花のお店をつくろう!と思ったんです」
そこから独学で作り方を学び、台湾本来の味と食感を出そうと試行錯誤を繰り返したという志田さん。念願かなって、2016年4月に浅草豆花大王をオープンしました。
台湾でおなじみのフルーツビールやジュースもあれこれ並んでいます
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ちょっとした雑貨も販売中 (いつもあるとは限らないそうです)
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不定期に開催される豆花作り教室も大人気!
豆花作り教室の真っ最中! 今回は日本人がほとんどでしたが、参加者全員が台湾人ということもあったそう
このお店では、なんと豆花の作り方を教えてくれる教室も開催しているんです。
そんなにだれでも作れちゃうものなの?? 興味津々で教室に参加させていただいたナビ。
当日は定員いっぱいの16人が集まりました。しかも、その3分の1は男性の方!
スイーツ男子の触手は台湾にまでのびてるんですね(笑)
まずは志田さんが、そもそも豆花とはどういうものなのか、説明してくれました。
それによると、要は豆乳を固めたお菓子ということで、クックパッドなどにはゼラチンや寒天で固めるレシピもあったりするそうです。
でも、石膏の粉(硫酸カルシウム。日本ではすまし粉ともいう)で固めるのが台湾の伝統的な作り方で、それによってあの独特ななめらかさが出るんだそう。
もちろん教室では、この伝統の作り方を教えてくれます。
一緒にトッピングのさつまいも団子も作ります。
ふかしたさつまいもとさつまいも澱粉を混ぜ合わせ、小さく丸めていきます。
4人ずつグループになって作業するので、なんだか調理実習みたい!
最初はちょっと遠慮がちですが、皆さん台湾好きということで、徐々におしゃべりも弾み、和気あいあいとした雰囲気に。
これなら一人で参加しても楽しめそうですね。
出来たて豆花の味わいは格別!
さつまいも団子が茹で上がってから、いよいよ豆花作りに挑戦!
作り方自体はそれほど難しくないんですが、要所要所にちょっとしたコツがあって、そこを気をつけないと固まらなかったり、舌触りが悪くなったりするんだそう。
最後は木桶に流し込んで、待つこと10分。
ふたを開けると、おおっ、固まってる!!
フワッと立ちのぼる豆の香りが、なんとも幸せ~。
この出来たてほやほやの豆花に、自分たちで作ったさつまいも団子をのせ、シロップをかけて、みんなでいただきます!
こんなに本格的な豆花ができるなんて、感動~!!
自分たちで作った豆花の味は格別!
たくさんできるので、残った分はお土産として持ち帰れます。
また、手に入りにくいすまし粉や濃度の高い豆乳も、その場で販売してくれるんです。こんなにサービス精神旺盛で大丈夫なの?と心配になってしまうほど。
「プロの料理人の方が、自分の店で豆花を出したいと習いに来ることもあるんですよ。うちのお店がラジオで紹介されたこともあるんですが、それを聞いて山形から来たという方もいました。そうやって豆花が日本全国に広まっていくのは、とてもうれしいです」と志田さん。
なるほど、豆花を愛するからこそ、その製法を惜しみなく伝授していらっしゃるんですね。
あちこちのお店で気軽に豆花を食べられるようになったら、ナビもうれしいです!
店内では豆花以外にも、仙草ゼリー、愛玉子などの台湾スイーツ、さらには鹹豆漿や油條、花巻など、日本ではあまり見かけない軽食もいただけます。
最近は台湾料理の店も増えていますが、他店にはないものを提供したいというのが志田さんのこだわりだそう。
なるほど、だから魯肉飯ではなく、鶏肉飯があるんですね。
台湾の味を求めて、なんと広島から通ってくる常連さんもいらっしゃるとか。
では、そのメニューの一部をご紹介しましょう。
◆鹹豆漿(600円)
台湾の朝ご飯の定番、鹹豆漿。熱々の豆乳に干しエビや油條、台湾風切り干し大根、香草などが入っていて、出汁のきいたピリ辛スープが食欲をそそります。
豆乳のおかゆのような感じですが、このトロトロの食感と優しい豆の風味は、日本にはない味わい。
この味が日本で食べられるのは貴重です!
大きな油條がゴロゴロ入っているので、見た目よりも食べごたえがありますよ。
◆口水鶏(よだれ鶏)飯(500円/大盛は800円)
台湾でよく見かけるのは鶏肉飯ですが、その蒸し鶏に秘伝のたれをかけた人気の一品。
辛みのきいた醤油だれがあっさりとした蒸し鶏を引き立てていて、白いご飯との相性も抜群! もやしのシャキシャキ感もたまりません。
リピーター続出というのもうなずけます。
◆トッピング豆花(150g 400円/300g 500円/トッピング3種350円)
ピーナッツ、タピオカ、小豆、緑豆、さつまいも団子に仙草ゼリー…と、とにかくトッピングの種類が多いのが驚きです。こんなにいろいろ選べるなんて、まるで台湾にいるみたい!
ナビはピーナッツ、タピオカ、ハト麦入りをいただきました。
なめらかな舌触りの豆花に、ほんのり甘いきび砂糖のシロップがよく合います。茹でたピーナッツの素朴な味わいも絶品!
モチモチのタピオカやハト麦もたくさん入っていて、あっさりしている割にはボリュームがあります。
小腹がすいたときなどにもよさそうですね。
ツルンとなめらかなのどごしが最高!
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この茹でピーナッツが台湾の味を思い出させてくれます
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「今後はちょっと変わり種の豆花も出したいと思っています。竹炭入りの黒豆花とか杏仁豆花とか、ヨモギ入りなんていうのも試してみたいですね」と志田さん。
また、一人でも多くの日本人に豆花の魅力を知ってもらうため、台湾祭りなどのイベントにも出店しているそう。
7月からは新しく茶藝師さんがいらっしゃって、本格的な台湾茶をいただけるようになったそうです。(それに伴い、店内のソファやテーブルなどを一部入れ替えたため、取材時の写真とは若干異なります)
今後の展開が楽しみですね!
以上、台北ナビでした。