ビール好き必見!世界も認めた台湾製造のクラフトビールが永康街で味わえる!
こんにちは、台北ナビです。
小規模な醸造所(ブルワリー)で、ビール職人が丹精込めて作るクラフトビール。品質を重視して作られるクラフトビールには100種類以上ものスタイルがあり、自分の嗜好に合わせて選べるという多様性から世界的に広がりを見せ、浸透しつつあります。
そのクラフトビール、日本に続き、いま台湾でもブームがふつふつと起こっているんです。本日は、台湾クラフトビール界の注目株「掌門精釀啤酒」をご紹介します。
名誉あるビールの国際大会で金賞と銅賞
Imperial Stout部門金賞
|
|
American Style部門銅賞
|
台湾では、2002年の世界貿易機関(WTO)加入に伴って酒の製造が国営から民間にも開放されました。その流れでクラフトビールの製造者が増え、徐々に盛り上がりを見せています。
2015年6月にオープンした「掌門精釀啤酒」。このお店を名実ともに有名にしたのが、「2016年オーストラリアン・インターナショナル・ビア・アワード(AIBA)」での受賞です。
AIBA はアジア太平洋地域で最も大規模で名誉があるとされるコンペティションで、「掌門精釀啤酒」はImperial Stout部門で金賞、American Style部門で銅賞を獲得しました。日本からはコエドブルワリーや常陸野ネストビールが受賞したと言えば、その知名度が分かりやすいかもしれません。
異業種からの転身!クラフトビールの醍醐味は「多様性」
創始者の1人である侯俊宇さん
今回お店を案内してくれたのは、「掌門精釀啤酒」創始者の1人である侯俊宇さん。聞けば、侯さんの以前のお仕事は車のナビなどの部品を製造する会社で働いていたそうで、大学ではマスコミ学を専攻されていたのだとか。会社の同僚と3人で起業し、たどり着いたのがクラフトビールの製造だったのだそう!
「どうしてまたクラフトビールだったのですか?」と聞いてみると、「好玩!(おもしろいんだよ)」とにこやかに応える侯さん。クラフトビールは種類が100以上にもおよび、その広がりと奥の深さにすっかり魅了されたそうです。
異業種からの起業にも驚きですが、2014年の起業からわずか2年後の世界的な大会で金賞という快挙にもダブルで驚きです。
シンプル&シックな店内
|
|
取材中、一人客や女性客もちらほら。男女比はほぼ1:1だそうです。
|
クラフトビールの飲み比べ
「ビール好きだけど、クラフトビールの知識はほぼなし」というナビ。初心者には種類の特徴や違いがまったく分からないので、侯さんに簡単にレクチャーしてもらいながらクラフトビールの飲み比べです。
クラフトビールは約100種類もあり、見た目、香り、味、舌触りの組み合わせによって、そのおいしさや品質を測るそう。なんだか複雑そうな世界ですが、「難しく考えず、まずは飲んで好みの味を見つけてみましょう」と侯さん。
どの辺りの種類から飲んで行くかというと、一般的に苦み(IBU)が低いほうが飲みやすいということなので、今回は IBUの低めのものから順にオススメビールをテイスティングしてみました。
ちなみに、台湾で人気の「台湾啤酒」の苦み(IBU)は20なので、味を想像する際のご参考に~。
メニュー左から、ビールのネーミング、クラフトビールの種類、ABV(アルコール濃度)、IBU(苦み)、値段が書いてあります。
プラスαの素材がクラフトビールの香りや味をより広く、より深いものにしていきます。「材料そのものの持つ味や香りが、ビールと組み合わせたときに発する味や香りは必ずしも一致する訳でなく、それがまた楽しい」と語る侯さん。
南瓜先生(Pumpkin Ale、ABV7% 、IBU11)小150元、大320元
(グラスサイズ目安:小約200cc、大約470cc)
ハロウィンの季節に合わせて登場したビールで、パンプキンとシナモンが入っています。透き通るブロンズ色が美しく、苦みがなく軽くさわやかな味わい。パンプキンの味はあまりなく、シナモンの香りと味が楽しめます。ビールは嗜む程度というナビカメラマンのイチ押し。女性好みのフレーバーです!
いまはクリスマスの限定ビールを試作中なのだとか。新作が楽しみですね。
少し濁った黄色が特徴
55%小麥(Weizen、ABV5.2% 、IBU11)小150元、大320元
Weizenはドイツ語で小麦という意味で、小麦麦芽を多く使用したビールです。「通常のビールは大麦麦芽と小麦麦芽を6:4の割合で使用しますが、これは小麦麦芽の割合が55%とかなり高め」(侯さん)。
そのせいか、苦みがなく、フルーティでまろやかな味わい。ビールの苦みが苦手という方もいけるはず!人気の高いビールです。
ベーシックなビールに加えて、台湾産の食材を組み合わせたクラフトビール作りにも取り組んでいるそう。これまでに作ったのはマンゴーやドラゴンフルーツ、龍眼のビール。フレッシュなマンゴービール、飲んでみたい~!!
嘎逼米魯(Coffee Beer、ABV5% 、IBU13)小150元、大320元
台湾産のコーヒーを使用したビール。グラスに顔を近づけると、まずはコーヒーの芳醇な香りに驚き!飲んでみると苦みがほとんどなく、スルリとのどを通って行き、最後にコーヒー×ビールの深~い味わいが舌に残ります。
じっくりと味わって飲むクラフトビールはいつもの缶ビールとはひと味もふた味も違っていて、台湾茶やワインのような奥が深~い世界だなとしみじみ。
前進都柏林(Irish stout、ABV4.2% 、IBU29)小200元、大400元
黒ビールなのでさぞかし苦くて重い味だろうと思いきや、意外にも苦くなく、すっきりと飲みやすいビール。焦がした麦芽を使用しているので、このような色になるそうです。
缶で飲んだことのあるギネスビールと似ていると思い、侯さんに聞いてみると、やはり同じ種類なんだそう。
侯さんはアメリカンスタイルのクラフトビールが好みだそうで、店内にもアメリカンスタイルのビールが目立ちます。
變色龍(American Pale Ale、ABV5.6% 、IBU36) 小170元、大380元
アメリカンスタイルのペールエール。薄い黄色で、香りや苦味が若干強めのビールです。
この辺りから苦みが台湾啤酒よりも強くなり、 ビールは嗜む程度のナビカメラマンは「苦い…」「あごの裏側に苦みが残る…」とかなり厳しそうな表情。逆に、ビール好きのナビは「う~ん、苦みがいいね」とにんまり。
雙重花惹發(Double IPA、ABV9.2% 、IBU98)小170元、大380元
紅茶のような琥珀色のビール。ホップの風味が強く、 IBU98という数値からも分かるように苦味がかなり強いのが特徴です。
”くーっ”とした苦みがクセになり、ナビはとても気に入りました!ビール好きならきっと気に入るはずです。
啤酒組合(100cc×6グラス)600元
メニューのなかから好きなビールが6種類選べるセット。いろいろなビールがちょっとずつ楽しめるから、初めて訪れたときはこれから試してみるといいかも!
お店の最低消費料は1人ビール1杯。この「啤酒組合」なら、複数人でシェア可。
気に入ったビールは、コースターの裏にメモ!なんといっても100種類もあるクラフトビールですから、次に飲むときに忘れないようにしっかりと書いておきましょう。
ビールは嗜む程度のナビカメラマンと、ビール好きなナビでの飲み比べ。好きなビールがまったく違っていて、なかなか面白かったです。飲める人も、あまり飲めない人もそれぞれに自分好みのビールを見つけ、それぞれに楽しめるのがクラフトビールの良さであり、面白さであると感じました。
ビールはたまに嗜む程度という人はメニューから苦さ控え目のビールを、ビール大好きという人は苦さ20以上くらいから選んでみてくださいね。
※紹介したビールは取材時のラインナップになります。その時々で種類が入れ替わるので、お楽しみに!
オープンから1年あまりで世界的に知られるビールの国際大会で受賞し、高雄、台中、台北(内湖、台北信義松高)の計5店舗にまでに勢力拡大中の「掌門精釀啤酒」。
台湾に旅行に来られた際はふらりと立ち寄って、南国台湾の風土で丁寧に育まれたクラフトビールをぜひ味わってみてください。きっと、いつも飲んでいるビールとはまたひと味違った、台湾らしいビールの魅力を発見できることでしょう。
以上、台北ナビでした。