味も雰囲気も台湾そのもの! 壁一面に並んだメニューの数々に、思わず目移りしちゃいます
こんにちは、台北ナビです。
以前、台湾に駐在していた友人の旦那様が「台湾料理を食べたくなったら、ココが一番!」と絶賛するお店があると聞いて、ナビも早速その味を体験しに行ってみました。
場所は多くのサラリーマンが行き交う、東京・新橋の烏森口。「昼定食○○円」「ラーメン+ライス無料」などの立て看板が並ぶ通りに、昭和風情たっぷりの台湾料理店「香味」が見えてきました。
台湾の小吃店を思い出させる店内
この昭和チックな雰囲気がイイんですよね~
店先には、これまた何とも昭和チックなショーウィンドウ。
料理サンプルと一緒に並んだチャイナドールたちがいい味を出しています。
なんだか田舎の中華料理屋さんっぽいですよね。
中に入ると、壁一面に張り巡らされた漢字書きのメニューが目に飛び込んできます。
「牛肉麺」「水餃子」「紅焼豆腐」「花生蝦仁」「香腸」……etc.
この品数を見ただけで、テンションが上がっちゃう~!
メニュー以外にも台湾観光のポスターや著名人の方々のサインなどがびっしりと貼ってあって、その雑多な感じが台湾本場の小料理屋さんを思わせます。
まさか、ここに食材が入っているとは…
ふとレジの横を見ると、ん? なぜ冷蔵庫がこんなところに???
思わずご主人の河田泰宗さんを見ると、笑いながら教えてくれました。
「お店が狭いから、こうやってスペースを有効活用しているんですよ」
「え? この中に食材が入っているんですか?」
「そうですよ。外の冷蔵庫もちゃんと利用していますよ」
そ、そういえば、お店の外にも小さな冷蔵庫があったっけ……。
衝撃の事実でしたが、河田さんは涼しい顔。
細かい常識にとらわれないところも、台湾らしくていいのかもしれません。
どこに冷蔵庫があるか、わかりますか?
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ドアの真横、このチラシを貼ってある物体が冷蔵庫なんですよ~
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たしかに店内は小さめで、テーブル席が5~6つほどあるだけ。お昼時には近所に勤めるサラリーマンや常連さんで、あっという間に席が埋まってしまうそう。
それもそのはず、ここのお店のランチメニュー、ビックリするぐらいお得なんです。
本場の味、魯肉飯や炒め物が600円でいただけちゃう!
ボリュームたっぷりのランチセット
平日の日替わりランチメニューは、驚きの600円均一。
台湾定番人気メニューの魯肉飯や、ライスと炒め物のセットなどが選べます。
プラス250円で、ライスを担仔麺に変えることも可能。
取材中にちょうど来店していたサラリーマンの方がこの日替わりランチを注文していたので、ちょっと実物を覗かせていただきました。
ボリュームたっぷりの炒め物からは、食欲をそそるいい香りが立ち上っています。
プラス250円の担仔麺も、立派なエビがのっていておいしそう!!
こんなお店が近所にあったら、毎日でも通いたくなっちゃいますよね。
こちらが青梗菜と鳥肉炒めのセット
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こちらは蓮根と豚肉炒めのセット
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元駐在員たちを虜にする納得の味
ナビも早速、そのお味を体験させていただくことに……。
メニューが豊富すぎて迷ってしまうので、河田さんにオススメを伺ってみました。
「この秋茄子バジル炒めはおいしいよ~。こっちのひ烏賊炒めは台湾・澎湖の名物料理ね。あとは魯肉飯とか牛肉麺も人気があるよ」
ということで、そのご自慢のお料理をいただいてみました。
◆牛肉麺(850円)
見た目からしてこってり濃厚そうな牛肉麺。スープは台湾本場の紅焼牛肉風味で、ちょっとピリ辛です。
肉の旨みがギュッと濃縮されていて、これは本当~においしい!
ここの牛肉麺は半筋半肉で、プルプルの牛筋も入っています。チンゲン菜、高菜、トマトと野菜もたっぷり入っていて、ボリュームも満点!
がっつり濃厚そうな見た目
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プルプルの牛筋肉も入ってます
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◆ひ烏賊炒め(950円)軟らかいひ烏賊とたっぷりの葱の相性が抜群!
あっさりとした味付けで、ひ烏賊の旨みをじっくりと味わえます。
◆秋茄子バジル炒め(850円)たっぷりの油で素揚げした茄子をバジルと一緒に炒めた一品。
大きめに切った茄子にバジルの香りがしっかりとなじんで、想像以上のおいしさです。
特に白ご飯との相性が抜群で、このおかずだけでご飯3杯ぐらいいけちゃいそう!
河田さん曰く「茄子は肉と一緒に炒めることが多いけど、そうすると茄子本来の味が死んでしまう。バジルと炒めることで、茄子そのもののおいしさを味わえるんです」
◆揚げ豆腐と野菜の旨煮(750円)たっぷりの野菜がうれしい一品。
醤油ベースの味付けで、とろみのついたタレが豆腐に絡んで、絶妙なおいしさです。
◆揚げパン(650円)台湾特有の揚げパン、銀絲巻。
日本のパンとは違って、中が細かい層になっていて、外側はカリッと、中はサクサクモチモチの食感。
そのままでもちょっと甘みがあっておいしいんですが、これに練乳をつけて食べるとおいしさ倍増!
また、スープをつけて食べるのもオススメだそうです。
この台湾揚げパンが日本で食べられるなんて、ナビ、感激!!
ここでご紹介したメニュー以外にも、蚵仔煎 (牡蛎オムレツ)、肉圓、麻油鶏麺なども人気があるそう。とにかくメニューが豊富なので、何度行っても新しい味が楽しめそうです。
しかも、お値段もお手頃! メニューに表示してある価格はすべて、消費税込みなんですよ。
「最近は台湾料理のお店も増えてきましたが、よそではこの値段では食べられませんよ。それに、これだけの数のメニューを出しているお店もほとんどない。だから土日は、遠方からもたくさんお客様が来てくださるんです」と河田さん。
30年以上守り続けてきた老舗の味
実はナビ、今回の取材で驚いたことがあるんです。
それは名刺交換をさせていただいたときのこと。
いただいた名刺を裏返すと、なんと見事な風景画が!
しかも河田さん、「これは私が描いたんです」なんておっしゃるじゃありませんか!!
お話を伺うと、河田さんは最初、日本の設計事務所で建築家として働いていたんだそう。
そして、この香味は河田さんのご両親が、弟さんと一緒に家族経営なさっていたんだそうです。
その弟さんが台湾に帰ってしまったため、河田さんご夫婦がお店を手伝うことに。
「建築デザインの仕事をしていたので、絵を描くのも好きで、名刺の裏の絵も50種類ぐらいありますよ。お店のメニューの写真も、みんな私が撮っているんです」
なるほど、だからこんなにわかりやすいメニューになっているんですね。
また、日本の旬の食材を取り入れながら、いろいろな台湾料理のイメージを膨らませ、新たなメニューを考えるのも河田さんのやりたいことの一つだそうで、季節ごとに出す料理も変えているそう。
このこだわりが、多くの常連客を魅了しているのかもしれません。
ご主人の河田泰宗さん
ちなみに、オープンは1984年。その後、銀座に2号店を出し、火鍋を提供していたそうですが、2011年の東日本大震災で銀座の観光客が激減してしまったため、閉店することに。
現在は、こちらの新橋店で火鍋も提供しています。銀座で食べた火鍋の味を求めて、こちらのお店に来るお客様もいらっしゃるんだそう。
「台湾に駐在していたサラリーマンの方が、『日本で本場の味を味わえるのはここしかない』と言って、うちに来てくれるんです。台湾の交流協会関係の方々もいらっしゃるんですよ。高級なお店じゃなく、『味がいいから』と、わざわざうちの店を選んできてくれる。それが私の誇りなんです」
そう語る河田さんの顔には、このお店への愛情と自信があふれていました。河田さん、これからもずっと、この台湾の味を守り続けてくださいね。
お得なランチはもちろん、夜、台湾ビール片手に、仲間と一緒に豊富な台湾小吃をつまむのもオススメです。
ナビもまた近いうちに友だちを誘って行きたいなあ。
以上、台北ナビでした。