新北市客家文化園区(三峡)

Taipei Country Hakka Museum新北市客家文化園區

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客家人や客家の文化を知るならココへ。老街で有名な客家の街「三峡」にあるミュージアム!


こんにちは、台北ナビです。今回は郊外ショートトリップへゴー!今日の目的地は三峡にある「新北市客家文化園区」。ナビは以前から興味のあった客家人や客家文化のことを学びにやってきたというわけです。まずは、台北駅から電車で約40分の陶器で有名な「鶯歌」まで移動しましょう。
鶯歌までは片道ひとり31元

鶯歌までは片道ひとり31元

絡めて遊べます

郊外にあるとちょっと行きにくいかなと思うかもしれませんが、この目的地付近には遊べるスポットが結構あるんです。経由地「鶯歌」はガイドブックにも出ているような観光地。陶器の街として有名です。駅に着くとすぐにその雰囲気が味わえますよ。この街では、自分で轆轤(ロクロ)を回してお椀や湯飲みなどを作って記念品にしたり、老街で陶器を激安で手に入れたりできるんです。また、博物館もあるので十分に楽しめる場所。ひと遊びしてから移動してもいいですね。駅から「新北市客家文化園区」へ行くには、駅前からバスが出ています。ナビたちはちょうど来た桃園客運のバスに乗って約5分「客家文化園区駅」で下車しました。小さなローカルバスなので、乗車した時に運転手さんに降りたい場所をひと声かけるのがいいでしょう。下車してからさらに歩くこと約5分、大通りを渡る必要があるので、くれぐれも車にお気を付けくださいね。建物を見たら、思った以上に規模が大きくてキレイで新しくてビックリ。早速中に入ってみましょう!

客家について

…とその前に、客家についての知識を事前に少し頭に入れておいた方がいいですよね。客家は民族のひとつで、もともと大陸華北の黄河流域に住んでいたとされています。その後、内乱などにより各地に渡り移住しました。歴史的に、ほかの集団と軋轢を起こすことも多かったようで、その生活環境は厳しかったとも。そのため、客家人の特徴として、節約家で勤勉であるとナビは台湾でもよく耳にしました。世界各地の客家人の人口は約1億2千万人。日本人の人口とほぼ同じなんですね!台湾では、北中部の桃園、新竹県、苗栗などを中心に居住し、大きな民族グループを構成しています。さて、ナビは初めて台湾へ来てMRTに乗った時に、そのアナウンスの数の多さにビックリしたんですが…日本だったら、日本語に続いて英語があるくらいですよね。MRTではまず、中国語(北京語)→英語→台湾語→客家語なんです!中国語はわかるとして、台湾語も予想がつきましたが、そのあとの言葉が客家語だったとは、しばらくしてから知りました。また、台湾には客家語専門のテレビ局、客家電視台があるのですが、これは世界で唯一なものだそう。それくらい、台湾で客家人の占める割合の高さを表していると言えそうです。ナビの友達も不思議と客家人が多く、ナビもそれゆえ興味があったのでした。

館内へ

まず1階のロビーに足を踏み入れると2階まで吹き抜けのガラス張り天井になっていて開放感バッチリ。そして、その天井からなにやらぶら下がっているのですが、これは客家の八角風箏と呼ばれる凧が飾られています。模様も色も華やか。日の射し込みにより、床にも八角凧が映し出されるように設計されているとか。目の前にカウンターがあり、そこでパンフレットをもらったり、ガイドさんを頼むことができます。残念ながら日本語はないのですが、パンフレットは中国語と英語、ガイドは中国語となります。ガイドは火曜から金曜までが11:00と15:30。土曜と日曜が11:00、13:30、16:00。ナビたちはちょうど11時に着いたのでガイドさんをお願いすることにしました。この日のガイドさんはとっても人当たりのイイ、曽さん。入館料も無料なので、早速行ってみましょう!

こちらの施設は、2004年8月10日オープン。全館で場所ごとに11個のテーマに区分けされています。内容としては、客家人の民族・言語・建築・産業・芸術・信仰などの様々な方面から多くの人に客家を知ってもらい、理解してもらうことを目的としています。入口は2階から。客家人おなじみの色鮮やかな牡丹柄の布で飾られています。牡丹は富貴を表す花ということで、客家人は好んでこの布を使用してきました。お守り袋などにも使ったといいます。かわいくてナビも大好き!好客(ハオカー/客をもてなすのが好き)という客家人の性質を表した?言葉が大きく掲げられています。

7つのブース

ドアを入ると左側のスペースは臨時展示スペースになっていて、定期的に客家にちなんだ写真などが展示されます。この時は客家人の写真家が撮影したという海の写真展が行われていました。右側が常設展示室。するとすぐに、台湾での客家人居住区の地図や、客家語についての案内が。いちばんの衝撃は、客家語には地域によって6個の訛りがあり、客家人は聞き分けられるとか…スゴイ!またヘッドフォンとモニターで実際に客家語の発音練習をすることもできます。曽さんによると、ナビの発音はまだまだらしいです…特徴としては、語尾が「ニー」とか「ギー」とか伸びる音が多いな、というのはナビの感想。続いてひとつめのブースが「八方来客」。ここでは、台北県に住む客家人の移住の過程や背景などを案内しています。第2ブースは「北客古蹟」。客家人が大陸から台北に入る際淡水から入ったそうですが、いろいろな場所に残した数多くの古蹟を展示。特に、台北の「新荘」にたくさん古蹟が残っているそうです。
八方来客

八方来客

北客古蹟

北客古蹟

第3ブース「客路青山」では、樟脳と炭の生産と客家人の生活との関係を展示しています。たくさんの引出しに現物が入れられているので、実際手に取ったりニオイを嗅いだりすることが可能。樟脳はハッカみたいな香りがしました。防腐などに使われていて、客家人にとって非常に生産価値の高いもの。樟脳一箱でお嫁さんひとりを迎え入れることができるほどの価値があったとか…

第4ブースでは「尋宗客跡」。客家人の宗教や祀りなどについて言及しています。ここには客家人の衣服が展示されていますが、大きい方が女性用、小さい方が男性用なんです。その分女性用は袖が短くなっていて、また右側の袖の方が広く作られ、動きやすく便利なものになっているとか。黒や紺がほとんどであったようで、本当に質素な衣服です。

第5ブース「茶語客語」では、採茶作業は客家人の労働の記憶であるとともにコミュニケーションと文化の懸け橋だったということを知ることができます。採茶作業の時、手を動かすだけでコミュニケーションを取るすべがないという際、人々は歌を歌ったといいます。そのような歌を「山歌」と言いました。それは、まともに恋愛などできる時代ではなかった時のとっておきの道具に…たとえば、男性が歌を歌い出したらそれに呼応して女性が歌い出したり、その掛け合いで恋が生まれたりしたそう。なんだかとってもかわいらしいエピソードですよね。ここで曽さんもキレイな歌声を聴かせてくれました。


第6ブース「義客記典」には、客家人の歴史と民俗信仰の時代背景、客家人の民族意識などが記載されたボードが。昨年(2008年)台湾で「1895」という映画が公開されたのですが、これは客家人と日本人の交錯し合う歴史を描いたもの。台湾で活躍する日本人タレントも出演しています。ナビも客家人の友達とふたりで見に行き、それぞれ感じるところがありました…そういう点で、客家人は日本人とも深く関わりのある民族です。


最後の第7ブースは「豊年留客」。凧を揚げたり、餅を作ったり…300年にわたり形成された独特な客家の生活風貌を知ることができます。餅は客家人が発明したものとか…日本と同じく餅つきをする習慣がありました。

1階

1階では、中国語ですがミュージアムの紹介ビデオが見られたり、特展室で特別展示を見ることできます。この時期は、客家の茶文化についての展示を見ることができました。また売店などもあります。
1~2時間どっぷりと客家の世界に浸かってしまいました。知らないことを初めて知るって、とても気分のいいものです。また、館内はもとより建物の周りも整備がされていてきれいになっています。お花も緑もあるし、タクシーを待っている間に散策してもいいかもしれませんよ。じゃあ、三峡まで来たなら老街でも行ってみようかな♪
それでは~!台北ナビでした。

記事登録日:2009-06-09

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2009-06-09

スポット更新日:2014-09-24

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