2012年3月3日(土)より 映画『父の初七日』ロードショー!

台湾のアカデミー賞「金馬奨」7部門にノミネート!涙と笑いの台湾映画が日本でまもまもなく公開!

こんにちは、台北ナビです。
『父の初七日』は、父の死から葬儀までの喧騒の7日間を描いた台湾映画です。
大きな感動と共感を呼び、異例のロングラン上映となった優しさとユーモア溢れる物語『父の初七日』が、
3月3日より、東京都写真美術館ホール、銀座シネパトスほか全国にて公開されます!
本作品は、突然の父の死に集まった家族が、台湾特有の古い風習に戸惑い、翻弄される様子を軽快なテンポで描き、ときに可笑しく、ときに切なく、“家族の死”という誰もがいつか迎える悲しいときを、優しさとユーモア溢れるストーリーで包み込んだ感動作。
大切な人をどのように送るかという人生の終焉を題材にした書籍やドラマ、映画に関心が集まっています。肉親の死を受け入れていく心の綾が丁寧に描かれている本作は、今だからこそ届けたい作品です。 
 
3/3(土)初回をご鑑賞の方に抽選で、「台湾ツアー旅行」を1組2名様にプレゼント!!
~九份・礁渓温泉・台北・日月潭~
3列シートのデラックスバスで巡る 絶景・秘湯と美味旬菜の旅 4日間
※東京都写真美術館・銀座シネパトスの各劇場にて
くわしくは、こちらから入ってください ↓

【ストーリー】


舞台は台湾中部・彰化県の片田舎。突然の父の訃報に、台北で働く娘・アメイが帰省する。夜店を営む兄・ダージ、大学生の従弟・シャオチュアンが集まり、道士でもある叔父・アイーの指図で伝統的な道教式の葬儀が執り行われることになった。占いで決められた野辺送りの日は7日後。それから思いもよらない“父をおくる”旅が始まった。
古いしきたりに沿ったお葬式は、泣き女が過剰に泣くわ、楽隊が登場するわの、まるでお祭りのような大騒ぎ。悲しみに浸る間もなく、なんとか一つ一つをこなしてゆくアメイの前に、父の恋人が現れて…!?
そんな喧騒と混乱のなか、父とのたわいもない思い出がふと甦り、深い絆と寂しさに包まれるのだった。そしてついに7日目、別れの日がやってくる。 

【台湾のお葬式】

台湾の伝統的なお葬式は、儒教に由来するしきたりと道教・仏教の追善供養の儀礼によって営まれます。まず、暦を見て、年月日時の十干・十二支による占いによって納棺や葬儀の日時が決められますが、死亡から告別式までは通常3日~1ヵ月ほど。自宅の応接間に祭壇を設けて霊堂とし、遺体を納めた棺を安置します。遺族は儒教のしきたりによって決まった時に泣かなければならず、泣き女を雇うこともあります。供養として食事を供え、線香を絶やさないようにします。あの世のお金である紙銭を焼くのはもちろん、紙製の家やテレビ・冷蔵庫・自家用車まで用意して焼き、故人に贈ります。
追善供養の儀礼としては、道士や和尚をたのんでお経を読んでもらったり、做功徳(さくくどく)の儀礼を営んだりします。做功徳は、死者のために功徳を積んで死者を地獄から解放し、天国に送る儀礼であり、地獄の門を破るなどの内容が含まれます。追善供養の儀礼や告別式は、別に設けたテントで行われ、葬列には楽隊や電子オルガンの演奏で歌を歌う芸人なども加わり、大変派手で賑やかな野辺送りが繰り広げられます。

【イントロダクション】

父をおくる”ロードショー!
原題:『父後七日』
製作・監督:ワン・ユーリン(王育麟)
原作・脚本・監督:エッセイ・リウ(劉梓潔)
出演:ワン・リーウェン(王莉雯)/ウー・ポンフォン(吳朋奉)/チェン・ジャーシャン(陳家祥)/チェン・タイファー(陳泰樺)/タイ・バオ(太保)
2009/台湾
2010年、台湾のアカデミー賞にあたる金馬奨で7部門にノミネートされ、自身の散文を脚色したエッセイ・リウが最優秀脚色賞、葬儀を司る道士を演じたウー・ポンフォンが最優秀助演男優賞に選ばれた本作品は、小規模で公開されたにも関わらず、口コミで評判となり、台湾全土に拡大上映!稀にみるロングランヒットを記録しました。
原作は監督も務めたエッセイ・リウの散文「父後七日」。
散文とは詩歌・戯曲・小説以外の文芸作品をいう言葉で、日本で言えば随筆やルポなどを含む文芸のジャンルになります。お葬式を題材にしたこの作品は、タブーを打ち破り、散文の新しい境地を切り開いたと高く評価され、林榮三文学賞を受賞しています。
父を亡くし伝統的な葬儀に翻弄される等身大の主人公を見事に演じた新星ワン・リーウェンの脇をかためるのは、台湾の名だたる賞を獲得している名優、タイ・バオで、陽気で明るい父親役でいい味を出しています。
古い
風習に戸惑い、翻弄される家族の様子を軽快なテンポで描いた本作は、笑って泣ける家族の絆の物語。
郷愁を誘う台湾の情景、ハリー・ベラフォンテなど懐かしいポップス、そして葬式をめぐる特有の風習がもう一つの主人公として楽しく物語を彩っています。誰もがいつか迎える大切な人との別れを、優しさとユーモアに溢れるストーリーで包み込んだ感動作。
ふとした時に訪れる寂しさに胸を締め付けられることでしょう。 
※台湾金馬奨:1962年に創設された中華圏を代表する映画賞。「台湾アカデミー賞」とも称される。

【スタッフプロフィール】

製作・監督:ワン・ユーリン(王育麟)
1964年生まれ、台北市民、台湾大学森林学部、ニューヨーク視覚芸術学院映画学部中退。現在は子易電影有限会社の責任者、映画やテレビの脚色演出者、プロデューサー。
監督・脚本経験は豊富で、映画制作の管理業務にも長けているので、テーマを映像化する能力に優れている。ドキュメンタリー作品を主体に監督・脚本としての活動を続けている。

原作・脚本・監督:エッセイ・リウ(劉梓潔)
1980年生まれ、台湾師範大学社会主義教育学部報道課卒業、精華大学台湾文学研究所研究員。豊富な教養文学と記者としての取材経験は、彼女の処世術をさらに深め、本作は彼女自らの手によって自作の散文の改作を経て、ひとつの映画脚本として作り上げられた。本作では自らも監督や撮影の仕事に参加。
2006年、原作が台湾で最高賞金額を誇る文学コンテスト、林榮三文学賞を獲得。映画を監督するのは本作が初。

音楽:ドゥー・ドゥージー(杜篤之)
1955年台北生まれ、現在まで7度にわたって金馬奨最優秀録音賞を受賞。2001年『千禧曼波』および『你那邊幾點』で第54回カンヌ映画祭にて最優秀技術大賞を受賞、2004年第8回国家文芸賞受賞。『悲情城市』(1989)、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991)も手がける。  

【キャストプロフィール】

アメイ(阿梅)役:ワン・リーウェン(王莉雯)
中国文化大学演劇学科を卒業し、現在は国立台北芸術大学映画創作研究所脚本課に在学中。本作出演以前は、映画界で脚本や企画などの裏方の仕事をしていた。脚本家としての活動経歴は、アイドル劇の『ホット・ショット』『比賽開始(原題)』などがあり、人生ドラマ『夏天到了出去玩(原題)』は、第10回台北映画祭にて短編部門でノミネートされた。本作が彼女にとっては初めてとなる映画出演の作品。

アイー(阿義)役:ウー・ポンフォン(吳朋奉)
1988年、実験劇団に入り、(ポーランドの演出家J ・グロトフスキが提唱した“貧しい演劇”理論を学ぶとともに、演技訓練課程及び伝統民間技芸のトレーニングを積む。以降様々な劇団で、舞台への出演経験や演技指導のスキルを積むなどし、主に舞台俳優として活動してきたが、近年では活躍の場を映画界へと移し、数々の作品に出演。本作で第47回台湾金馬奨助演男優賞を獲得。

タージ(大志)役:チェン・ジャーシャン(陳家祥)
国立台北芸術大学劇場芸術研究所卒業。ドラマ、舞台などで活躍中の俳優。1996年、テレビドラマ『娘惹滋味(原題)』にて、金鐘奨迷你劇集最優秀主演男優賞を獲得。代表作にドラマ『冏男孩(原題)』がある。

父役:タイ・バオ(太保)
1955年香港生まれ。デビューは李小龍(ブルース・リー)主演の『燃えよドラゴン』。以降、1981年『ヤングマスター/師弟出馬』など成龍(ジャッキー・チェン)作品などで名脇役として活躍。1984年に『公僕(原題)』で第21回金馬奨最優秀助演男優賞を獲得。近年出演している作品の多くは台湾のもので、2000年に出演した映画『運転手之恋(原題)』で、第37回金馬奨最優秀助演男優賞、第3回台北映画祭商業類最優秀助演男優賞を獲得。2007年には『鉄樹花開(原題)』で第42回金鐘奨最優秀芝居助演男優賞を獲得。

シャオチュアン(小庄)役:チェン・タイファー(陳泰樺)
1976年生まれ、中国文化大学美術学科に在学中。無名の新人ではあるが、本作で見せたナチュラルな演技は今後の活躍を期待させる。

アチン(阿琴)役:ジャン・シーイン(張詩盈)
国立台北芸術大学演劇学科卒業。数多くの舞台作品に出演、本作での演技で脚光を浴び、第12回台北映画祭にて最優秀助演女優賞を獲得。 

【各界からのコメント】

●父が亡くなった。誰も知らない一面があった。親族たちが泣いた笑った。人生の悲劇と喜劇が交じり合う。
道教の葬儀がめずらしい。人の情があたたかい。心にしみる名作。
浜村淳(パーソナリティ/映画評論家)

●人生とのお別れは誰にとっても一度きり。心残りのないように送りたいわ。
今の日本人が忘れつつある心に気づかされました。
水無昭善(真言宗 祥炎山不動院住職)

●たくさん泣いて少し笑って、前を見ながら振り向きながら、人は肉親の死を受け入れていくのでしょう。
その心の綾が、とても美しくリアルでした。
俵万智(歌人)

●父との記憶、昔暮らしていた台湾の情景が次々と蘇った。
別れの時だからこそ知る希有な時間を、優しい笑いと繊細な人間描写で紡いだ新しい台湾映画!
砂田麻美(『エンディングノート』監督)

●父ちゃんが死んだ!だけどなぜか笑えます。そして思い切り泣けます。
愛しい人との別れは、ほんとうにドラマチック。
田辺鶴瑛(女流講談師)

●大切な人を亡くした喪失感は、こういうカタチで癒されるのか…。
台湾人ならではのユーモアとペーソス!見終わった後、また台湾に行きたくなった。
平野久美子(ノンフィクションライター)

●台湾映画には日本映画といちばん共通した情感がある。笑いながら切なくなる。この作品がその見事な例である。
佐藤忠男(映画評論家) 

最後に 【監督からのお話】


肉親の“死”というものは、誰の一生にも課せられる試練である。
葬儀の際に執り行われている煩わしいほどの虚礼は、台湾人、特に中南部の人達にとっては一生に1度の晴れの舞台なのではないだろうか。
道士、泣き女など、これら台湾ならではの風習に関する職業の人々が使用している道具や器材は、タブー的要素や忌諱にも似たものを持ちあわせ、それらの道具を目にした人々は畏敬の念を抱く。“死”というものに対する畏敬だ。
舞台の主役をこれらの物や器材に譲れば、私たちはもしかすると“死”というもの以外に、もっとたくさんの物語が見られるかもしれない。
この作品は、今までよくあったハートウォーミングな家族の物語を描いた作品とは一線を画している。無鉄砲なふるまいの中にも心温まる場面や、葬儀という厳粛さとは対極にある、お祭りのような見世物は何かゆるい感じを持ち合わせ、むせび泣くという場面でも、やはりどこか滑稽さが含まれている。
観客達にとって馴染みある葬儀の過程を見る中で、自分の事のように泣き笑い、そして何より自分達のストーリーを見つけていただければと思う。
 
画像提供:© 2010 Magnifique Creative Media Production Ltd. Co. ALL rights reserved 

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-02-07

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