ディアボロ・ダンスシアター待望の最新作「飛行楽園-Entrance Ⅱ」

「飛行楽園-Entrance Ⅱ」が7/16より10回の公演を開催。今回の目玉はなんと言っても、3Dならぬ「4D」演出!



こんにちは、ナビノワです。皆さんは、中国ゴマってご存知ですか?よく中国の雑技団がテレビでやっているのをご覧になった方もいるかと思います。でも、今回ご紹介する中国ゴマの劇団、「ディアボロ・ダンスシアター」はそんな伝統的な雑技団とはまったく違ったエンタテイメントなんです。あるときは子供時代の懐かしい風景、またあるときは夢見るような幻想的な世界を舞台で繰り広げてくれます。

ジャグリングを舞台芸術に進化させた「ディアボロ・ダンスシアター」


台湾の一部の小学校では、体育の授業で中国ゴマを教えるところがありまして、うちの上の子供もその昔授業で教えてもらっていました。本当に伝統的な中国ゴマで、私自身も子供と一緒に遊んでみましたが、これがなかなかムズカシイ!2本の棒の先に大体1メートルくらいの紐が結わいつけてあって、その紐の中央にコマを引っ掛けて、両手で棒を上下にしながらコマをまわします。でもそのコマが、普通私たちが目にしているコマとは形が違って、まるで大きな砂時計のような形なのです。とても単純な作業なのに、なかなか難しいのです。
さて、今回皆さんにご紹介したいこの「ディアボロ・ダンスシアター」は、いわばジャグリングの元祖とも言うべき中国ゴマが主役。ディアボロとはつまり、英語で中国ゴマのことなんですね。しかも劇団として活躍しているのは、おそらくこの台湾の「ディアボロ・ダンスシアター」が世界で唯一だと思います。
飛ぶ!はずむ!ディアボロ・ダンスシアター

飛ぶ!はずむ!ディアボロ・ダンスシアター

ざっと経歴をご紹介しましょう!

「ディアボロ・ダンスシアター」は1986年より台北市内にある中正国民小学校から活動を開始、そのころはまだディアボロの技術を披露するのみの、子供たちの集団に過ぎなかったんだそうです。2002年より本格的な海外公演を展開、シンガポールやニューヨークのリンカーンセンターでの公演を果たし、2004年には大阪ビッグエッグ、2005年の愛知万博、2006年のアジアツアー、2007年アフリカツアー、2008年は北京オリンピックで公演、2009年はドイツ、中国の南京、香港と飛び回り、今年の5月には上海万博で台湾館のオープニングセレモニーに出演しました。

そしていよいよ「ディアボロ・ダンスシアター」待望の最新作、「飛行楽園-Entrance Ⅱ」が7月16日より10回の公演を開催。今回の目玉はなんと言っても、3Dならぬ、4D演出なんだそうです。心ワクワクのナビは2日目の夜の部を拝見させていただきました!
開幕前の劇場。これからどんなステージが見れるのかしら?

開幕前の劇場。これからどんなステージが見れるのかしら?

シルク・ド・ソレイユを彷彿とさせる…

「飛行楽園-Entrance Ⅱ」の宣伝用のパンフレットやポスターで見た衣装の感じでは、シルク・ド・ソレイユを思い出させますが、いったい今回の舞台はどんな感じなんでしょう。公演開始前に、ディアボロ・エンタテイメントの始祖とも言うべき、芸術監督の劉楽群さんにお話をうかがう機会を得て、早速劇場の中に入ってみました。
ディアボロ・ダンスシアターのトップスター扮するブルーキャット

ディアボロ・ダンスシアターのトップスター扮するブルーキャット

ステージ裏にはこれから使われるディアボロが並べられていました

ステージ裏にはこれから使われるディアボロが並べられていました

パンフレット売り場は大にぎわい

パンフレット売り場は大にぎわい

入り口はドアではなく、黒いビロードのようなカーテンをくぐって中に入ってみると、あれれ、なんかいいにおい!なんとポップコーンが売られていました。そのとなりにはチョコワッフルに、台湾の学園祭などにはつき物のドライアイス入りサイダーもあります。いやあ、なんだかサーカスに来たみたいな雰囲気ですね。
おいしそうなワッフル!

おいしそうなワッフル!

キャラクター入りキャンディやポップコーンもあります キャラクター入りキャンディやポップコーンもあります

キャラクター入りキャンディやポップコーンもあります

そのうち、関係者に呼ばれて舞台裏に連れて行かれ、さっそく劉監督にインタビューをさせていただきました!

本邦初公開!ディアボロ・ダンスシアター芸術監督、劉楽群さん


ナビ(以下N):こんにちは、今日はお忙しいところインタビューに応じてくださってありがとうございます。さっそくですが、今回の舞台の目玉である4D演出のことについて少しご説明いただけますか?

劉監督(以下L):今3Dが盛んにもてはやされていますが、4Dとは視覚、触覚、嗅覚と感覚に訴える演出のことを言います。演者が観客のそばまで来て演技をしたり、また例えば、悲しい音楽とともに突然舞台上で雨が降り出すシーンがあったとします。その雨を観客が実際に肌で感じることが出来るのです。実はこの、劇場で雨を降らす装置というのはうちが台湾で初めて試みたんですよ。これは、去年台北で開催されたデフリンピックで舞台装置を担当された、楊金源さんに特別にお願いしたんです。このほかにも、観客がいろいろと実際に体感できる仕掛けがいっぱいあります。
N:それはとても楽しみですね。では、劉監督がこのディアボロに興味を持ち始めたのはいつごろのことなのでしょうか。そしてまたなぜそれを舞台芸術へと発展させたのでしょうか。

L:丁度うちの劇団のトップスター、楊心怡がまだ小学校低学年だったころ、私はその同じ小学校の体育の先生でした。そのころは、ただディアボロが面白くて子供たちに教えていただけでした。運動会や行事には決まって発表をしていましたが、せいぜい5~6分程度のものでした。本格的に舞台にのせようと決めたのは10年ほど前でした。以前は、舞台でディアボロの技術だけを見せるのなら、つまらない物になると思っていました。でも、例えばバレエ、それから最近台湾で人気のタップダンスなどは、台詞や歌なんてなくても1,2時間の舞台が持ちますよね。それだ、と思いました。一つの筋書きがあって、舞台装置、舞踊を組み合わせれば出来るんではないかと感じ、試してみたわけです。言ってみれば、1986年から活動を始めていましたが、最初の10年間はディアボロのテクニックを磨くのに費やしたと言ってもいいでしょう。2000年からは、どんどん舞台をやるようになっていきました。
真剣にメークに取り組んでいますね…

真剣にメークに取り組んでいますね…

N:なるほど、では団員たちはダンスの方もいろいろとレッスンを受けているんですね。

L:はい、バレエはもちろん、民族舞踊やモダンダンスもやっています。それと、演技やリズム感の勉強もします。

N:では、「ディアボロ・シアター」に入団したい人が来た場合は、どうされているんでしょうか。

L:以前私が学校の先生だった頃は、子供たちの発表を見たりして興味を持ってくれる人たちがいて、自然と私たちの輪に加わってきました。その後、私が学校を離れると、舞台を見たり、うわさを聞いたりして入ってくる人が増えてきました。昔も今も変わらないのですが、うちは訓練を受けるのに月謝は一切取らないんです。一週間に5日間のトレーニングについてくることができ、最後にめでたく入団できれば、そこで初めて給料がもらえます。

N:へえ、月謝を取らないというのはすごいですね。団員は、最年少は何歳くらいでしょうか。

L:一番小さくて10歳、上は27歳です。10歳の子供でも、舞台のある日はちゃんと役割があるんですよ。舞台に立たなくても、緞帳を上げたりとか、プログラムを客席で売ったりとか、いろんな面で関わらせているんです。そうやって舞台は出来ていくんだというのを覚えてもらいたいからです。
ちゃんとプログラム、売れてるかな?

ちゃんとプログラム、売れてるかな?

N:そこまで考えてらっしゃるんですね。将来ご自分でディアボロの学校などを作りたいとは思ったことはありますか。

L:もちろん、あります。今はまだそのチャンスに恵まれていないので、具体的にいつとはいえません。それよりも今解決しなければいけない問題として、練習場所の確保の問題があります。10メートルくらいの高さのある練習場所がなかなかなく、しかも団員たちはみんな台北市に住んでいるので、あまり遠くの場所でもいけません。それが難点です。でも、自分の学校は本当に作りたいです。ディアボロはやはり小さい頃からの訓練が大事ですから。しかも私たちのような人材は中国でさえ、なかなかいないのです。
N:それがいつか実現すると本当にいいですね。次はどのような舞台を予定していますか?

L:次はまだ具体的には決めていませんが、ひとつセンサーとディアボロを組み合わせた物をやりたいと思っています。
N:全ての舞台のアイディアは劉さんが全部考えていらっしゃるそうですが、どこからそのインスピレーションが沸いてくるのですか?

L:アイディアの源は、好奇心ですね。これは全ての人が持ち合わせていると思いますが、それを表に出すか出さないかで違ってきます。でもスタートラインはあまり複雑であってはだめです。生活の中での小さな出来事、おもしろい事柄を拾っていくのです。

ディアボロ・ダンスシアターの理想と現実とは?

ディアボロ・ダンスシアター待望の最新作「飛行楽園-Entrance Ⅱ」 中国ゴマ 台湾 台北 オススメ観光 ディアボロ・ダンスシアター待望の最新作「飛行楽園-Entrance Ⅱ」 中国ゴマ 台湾 台北 オススメ観光 ディアボロ・ダンスシアター待望の最新作「飛行楽園-Entrance Ⅱ」 中国ゴマ 台湾 台北 オススメ観光
N:ディアボロ・ダンスシアターは世界30カ国、300回を超える公演数を実績として持っていますが、劉さんが今まで公演を行った劇場の中で、特にすばらしいと思ったのは、どれでしょうか。

L:台湾で言えば、やはり国家戯劇院が一番ですね。カナダのトロントにあるハミングバード・センターは4000人の客席数がすごいと思いました。でもやはりニューヨークのリンカーンセンターが、いろんな面で劇場としては一番でしょうか。台湾は、劇場の数がそれほど多くないんですが、それは地理的問題があります。土地が足りないんです。でも逆にたくさん劇場を作ってしまっても、今度はそれだけいい出し物があるかと言うと、そうでもない。劇場を作るよりも、国内外のいい演目をより多く台湾の人々に見てもらいたいです。
N:最後に劉さんの理想とは何でしょうか。

L:私の理想は、現実的なんですが、この劇団がひとつの場所で2ヶ月以上の興行が出来ることです。場所や演目数の確保の心配をしないですみますからね。でもこれが、なかなか実現できないのですが。

N:今日は大変すばらしいお話を、ありがとうございました。これからも、ご活躍をお祈りします。

L:こちらこそ、ありがとうございました。

いよいよ待望のショーの始まり、始まり!

幻想的な音楽とともに、幕は開きました。一人の女の子が、不思議そうに照明のあとを追っています。時間は真夜中。そのうち、階段の中から不思議な妖精たちが次々に現れ、少女をファンタジックな世界へと誘います。一人だけ仲間はずれの妖精がいます。少女はかわいそうに思って、彼と一緒にファンタジックの世界を旅します。この世界の水先案内人は、ブルーキャット。彼女は巧みに2人を導いて、仲間はずれの妖精は最後には仲間たちのもとに戻り、少女は元の現実の世界へと戻ります。

淡々としたオープニングですが、中ごろ徐々にクライマックスに進むにつれ、「う~ん、これが4D演出なんだ!」というのがひしひしと伝わってきました。時にはいい香りがしたり、雨が降り出したり、シャボン玉が飛んできたり。はたまた、暗闇の中では光るディアボロが宙を舞う。圧巻は、観客の頭上を飛び超えていくディアボロ。そのスピード感あふれる演技に、観客一同どよめいていました。
ディアボロを知り尽くし、その魅力を十分発揮させ舞台芸術へと発展させた、劉楽群さん。またこの次の新しい舞台が楽しみです。皆さんも、台北にいる間のこのチャンスに「ディアボロ・ダンスシアター」をご覧になってみませんか?
すばらしい思い出がひとつ増えること、うけ合いです。

台北ナビでした。




関連タグ:中国ゴマ台湾台北オススメ観光

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-08-18

ページTOPへ▲

関連記事

ディアボロ・ダンス・シアター2013年新作「海洋之心」

ディアボロ・ダンス・シアター2013年新作「海洋之心」

台湾の子供たちにはおなじみの遊具が、これまでにない舞台芸術に!ディアボロ・ダンス・シアターには衝撃と感動がいっぱいです!!

その他の記事を見る