松竹映画100周年を記念して製作された「キネマの神様」。今夏、日本でもようやく公開され、話題となりました。「ようやく公開」……そう、それまでにもいろいろと話題に上っていたのは、皆さんの記憶にもまだ新しいのではないでしょうか?
元々は2020年12月公開予定で、映画初主演となる志村けんさんがキャスティングされていました。しかしクランクイン直前に新型コロナウイルスの感染が明らかになると、出演を辞退することに。その後、幾日も経たぬ間に逝去。緊急事態宣言も発令され、撮影は中断へ。(画像は山田洋次監督)
そんな折、代役として白羽の矢が立ったのは長年志村さんと親交のあった沢田研二さんでした。けれど収まることのないコロナ禍。一旦2021年4月公開予定とされるも再延期となり、ようやく公開されたのは8月でした。
公開まで紆余曲折あった映画は、コロナ禍を反映するかのようなナレーションからはじまります。映し出されるのは2019年ラグビーワールドカップ。皆の記憶にまだ鮮明な、そう遠くない過去からスタートするのです。
「家族」をテーマに映画史の一端で生きる人々を描いているこの映画の中で、過去と現在のストーリーが交錯していきます。主演は菅田将暉さんと沢田研二さん。若き日と現在の主人公それぞれを2人1役で演じます。
同じくヒロインも2人1役で。若き日は永野芽郁さん、現在の姿は宮本信子さんが演じます。過去と現在は半世紀ほどの隔たりがある設定ですが、若かりし頃と現在の姿がどちらが演じていてもそれぞれにシンクロするのはさすが!
シンクロといえば代役を務めた沢田さんの姿に、本来の配役であった志村さんの姿が重なること!スクリーン上では沢田さんが演じているはずなのに、ふっと志村さんの姿がよぎることも。「キネマの神様」が素敵ないたずらをしてくれたのでしょうか?
映画の中から聞こえてきたのは、「やっても後悔、やらなくても後悔、するならどっち?」というようなセリフ。やった人、やらなかった人、そして過去、現在……。夢からこぼれ落ちても、ふとしたところに大逆転が転がっていること、幸せの先に不幸があっても、全部ひっくるめて満ち足りたい人生なのではないか……そんなことをナビは映画から感じました。あぁ、詳細はネタバレになってしまうのでここでは言えません!!!
現在、台湾で開催中の映画祭「2021金馬獎」では先行上映され、満員御礼の中での上映となりました。チケットは発売開始から5分で売り切れたとか!まだの方はぜひ映画館へ足を運んでみてくださいね。26日~台湾各地のスクリーンに登場です!
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記事登録日:2021-11-25