流行にとらわれない独自思想のMITブランド!
お店は現在こちらの台北本店と高雄店があります
こんにちは、台北ナビです。
ここ2、3年でめきめきと表舞台に進出してきた台湾若手デザイナーたち。今日はそのうちのひとり、ティア許さんのお店を紹介していきます。中山駅界隈なのですが、にぎやかな駅前から少しはずれにある服屋さん。それが許さんのお店です。少しはずれと言っても駅からは歩いて5分ほどで、近くにはオレンジの看板が目立つ、マッサージのKARADA factoryやラーメン屋の一風堂があります。古いビルを改築し、明るく入りやすい店舗になっています。入口のドアの鉄の取手は、お客様が持った時に冷たいと思わないようにと、細い皮を巻きつけてぬくもりをもたせてあります。
可愛い響きの店名
“許許兒”(シュシュアール)の許許は、中国古代の書<詩經・小雅>に出てくる音に由来しています。1着の服を作る工程では、糸から布を作り、デザイン、製図、裁断、縫製などたくさんのその道のプロが関わり、やっと出来上がる。嘿咻嘿咻(よいしょ、よいしょ)と一生懸命仕事をする様を表した音。そしてデザイナー許さんの家族姓からもきています。音の響きはふわっと可愛いですが、意味深い店名になっているのです。
こだわって創られる毎コレクション
2015春夏コレクション、果物の皮がモチーフになった透け感のある
上品なイメージのブラウス
デザイナーのティア許さんは、もともとグラフィックデザイナーをしていましたが、父親がテキスタイルデザイナーだった関係からファッションデザイナーに転身。流行にとらわれずに独自の発想で展開されるのがこのブランド。全てフリーサイズで若い方からマダム、妊婦さんなどにも着てもらえます。今回お邪魔した際店頭にあったのは、2015秋冬のコレクションですが、前回の2015春夏は台湾で名のあるジャム職人さんとのコラボレーションでコレクションを展開。そのコレクション初めには、服の新作発表と共にジャム職人さんも来店して、ジャムを使って食事を楽しむレパートリーを紹介し、お客さんとわいわいにぎわったそうです。ジャムに使われた果物の皮がブラウスの生地になっていたり、それぞれの服のモチーフになった各フレーバーのジャムをノベルティとしてプレゼントしたりしました。
シャツ襟が取り外し可能
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ノベルティとしてプレゼントしたジャム
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今回2015秋冬は、アメリカの有名な詩人Emily Dickinson(エミリー・ディキンソン/艾蜜莉狄更生)をモチーフにコレクションを展開しています。エミリーは、恋はしていたものの生涯独身で貫き、人生の大半を自分の生まれた家で過ごします。自分を狭い世界に閉じ込めたため、その内密で独特な部分が詩に表現されています。自分の詩を出版しようと考え、文学批評家に詩人としての才能は認められたものの、当時の支流とは合わなかった。彼女は作風を変えられることを嫌がり出版への興味を失ったため、生前の詩はわずか7編しか世に出ることはなかったのです。彼女の死後に出版された詩集により他の詩人たちとは異なる独特な詩人であることがわかりました。好んで白いドレスを着て過ごし、小鳥や植物が好きだったそうです。
そんな彼女の詩にインスピレーションを受けて作られた服には、1着1着名前が付けられています。例えばボーダーのチュニックは“荒野低吟條紋長版上衣”や切り替えのあるワンピースには”覆雪山脈毛呢撞色小山洋裝(紫/灰)“など。電話でお客さんや業者さんとやりとりする時などアイテム名ではなく服に付けたタイトルで話すので、服に関する話ではないような感覚になるんです~と笑って話してくれました。
オーガニックコットンを使用しています
オーガニックコットンの商品にはこのタグが付いています
全ての素材がそうではないですが、テキスタイルデザイナーの父親が作り出すオーガニックコットンを使った服があるのもこのお店の特徴です。オーガニックコットンと聞くと、デザインがとてもシンプルでベーシックなカラーの服が思い浮かびますが、カラーも豊富で、デザインもディテールもとてもこだわっていて独創的です。肌にやさしく、柔らかいのでアレルギー体質の方にもおすすめです。
今季の靴、小物はこちら
中性的でマニッシュなイメージで創り上げた靴は、とても作りがしっかりしているのがわかります。2配色のものとシンプルな黒のシリーズ。
マフラーはもともと赤、緑、青、黄の4色でしたが、訪れた時はすでに黄色が売り切れていました。こちらもオーガニックコットンの商品になります。上から、雙色海岸-紅花冰霜雙色有機棉圍巾(紅白)、綠石浪花(綠白)、藍湖泉泥(藍白) 各980元
シルバーとゴールドの葉をイメージしたネックレスは、アクセントとしてとても合わせやすいです。各680元
ん?これは、何ですか?
ふと目についたこのアイテム。これは布ナプキンです。ナビ、布ナプキンなる存在は知っていたものの、実際手にするのは初めてでした。使用している人は女性の全体の割合からしてそんなにたくさんはいないそうですが、このお店ではリピーターがとても多いんだとか。両側の羽に付いているボタンの部分をショーツに止めて使います。中央の肌に当たる部分はオーガニックコットンを使用。右側の平たい棒状のものは夜用でプラスします。外出時に換える際には左側のように小さく畳んで携帯します。
ボタンの部分をハンガーに止めて通気性良く乾かせます
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サイズは6種、200元~460元
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お気に入りのアイテムやお友達のブランドも取り扱いしています
アレルギー肌だったティアさんが使ってみてとても良かったのでお店でも取り扱うことにしたという、オーストラリアのバロック夫妻の最高級エキストラバージンオリーブオイル100%を使って手作りしたオリーブオイル石鹸。ゴーツミルクやマヌカハニー、ローズゼラニウムなど7種、380~480元。
お友達の靴下ブランド。“加拾”は10本の足の指の意味だそうです。3足買うと三角の可愛いボックスが付いてきます。プレゼントに最適ですね
笑顔がとってもキュートなデザイナーのティア許さん
来季の2016春夏は、日本・東京のインド伝統技法を用いた木版プリントが特徴の「kapuwa」とコラボレーションの予定。今後の展開も楽しみなユニークなアイデアいっぱいのブランドです!
以上台北ナビでした。