伝統の味を守り続けて一世紀のこのお店、店の看板商品は「おへそ餅」!?
こんにちは、台北ナビです。子供の頃好きだった歌に「おへそ」という歌があります。
♪おっへっそ~の中には なにがある~ピッピー♪
♪おっへっそ~の中には ゴっマが~ ある ドンドン♪
っていう歌で、よく一人で歌っていました。でも台湾ではおへその中には「ゴマ」ではなくて「緑豆」が入っているんだとか!?!?
今日来ているのは、店を守り続けて一世紀。なんと明治33年に苗栗の通宵で創業したという台湾伝統菓子のお店
「福堂」。パイナップルケーキとか、あの脂っこくてバカでかい丸い円盤状の喜餅なんかを売っているお店なんです。でも、このお店の、一番の名物は何かというと、「おへそ餅!!」おへそ餅って何だそれ?おいしいのかうまいのか、一体どんな形をしているのかと、好奇心むき出しでお店の中をきょろきょろしていると、日本語ペラペラのおかみさんが持ってきてくれました。
◆ ウワサのおへそって
これがうちの名物
おへそ餅です。肚臍餅@18元
って、おへそというかデベソではないですか。これだけみると、日本人としては「悪い子がお腹出しっぱなしにして寝ちゃったから、雷様がおへそを取っちゃったぞ」なんてことを思い出しそうですが…でも、かわいらしい形状をしていることは確か。どうやら台湾ではおへそというのは、体内でお母さんと子供がつながっていることの象徴なんだそうで、とってもおめでたい意味があるんですって。さて、おへそをほじくってはいけないといいますが、今回はこのおへそ餅の中には何が入っているか、確認する必要があります。ということで、このデベソ餅クンを縦に真っ二つにカット!
お店の奥さんが言うには、このデベソの黄色の部分は屏東の高級「緑豆」を使っているんですって。香り高く、濃厚な味わいなのが高級緑豆の証なんだそう。ふーん。食べてみると確かに、飲みこんだ瞬間に鼻に香る濃厚な香り、そして深みのあるホックリとした味。おへその味はこんな味だったんですねぇ!周りの白い部分は、中華菓子によくつかわれるパイ。でも、想像よりパイの部分はしっとりしていて、あまりパラパラとこぼれ落ちません。台湾の中華菓子の餅って、このパラパラがうっとしくて、食べにくかったりします。
「あのパラパラさはね、そういう化学物質入れて、わざとパラパラにしている可能性が高いんだよ。福堂は、味の素も合成着色料・香料・防腐剤も一切いれないから、他の店の商品ほど日持ちしないけど、その分品質にはこだわってるんだよ。」間髪いれず、ナビの反応に鋭く呼応するのが、厨房を一人で管理する旦那さん。
お菓子作りっていうのは、本当に根気のいる仕事みたいです。お菓子作りだけに限らず、どんな物事でも同じで、確実に一歩一歩、肝心なことはどんなにめんどくさくても手を抜くな。ナビも小さい頃に母に口を酸っぱくして言われ続けてきたことです。お店の旦那が言うには、「どんなにめんどくさいと思ってもね、ちゃんと一つ一つ、レシピ通りの分量で、その通りの作り方で、根気よく間違えなく作っていかないと、同じ味は保てないんだ。これがいわゆる秘訣とか奥義とかいわれているけど、言われた通りに、確実に行えばいいだけだからさ。でもね、それが意外に難しいんだよ。だって、粉を数回に分けて、どのタイミングでどのスピードで入れるとか、いちいち守るのはめんどくさいでしょ。これを一度にまとめてやってしまうと、もうアウトよ。以下に根気よく忍耐よくできるかが勝負」
痛いところをつかれました。この叔父さんはナビの母親じゃないかと錯覚してしまいましたね。一つ一つ根気よく続けていくのが苦手な、LET IT BE人間は、到底お菓子職人にはなれなさそう…
◆一つ一つ手をかけて作っています。すべて天然素材!
パイナップルケーキ
もちパイ
とりあえずカットして食べてみました。あつっ。あぁ中身は小豆と、これは餅というか…白玉粉で作ってあるような餅ですね。口あたりが滑らかで、餅も伸びすぎない。このお餅も、お店の自慢の餅なんですって。なんとちゃんと餅米から作っているのですが、もち米を水とともにすりおろし、それを圧縮して、水分を抜いたものが主原料。冷えても固くならず、更に歯ごたえが出て、おいしいんです。お餅の強度が決まっていて、15センチ伸びることが決まりなんだとか。
パイナップルケーキは高級(28元)と安いの(14元)とがあります。高級なのは果肉から作っていますよ。2009年新発売「二代養生鳳梨酥」40元/個。
これは、初代オーナーが客家人だったということもありますが、客家の保存食である、肉を煙でいぶしたものが中に入っているんだそう。最も歴史が古い商品です。古早肉餅40元
ジャーン出ました。これぞ、喜餅!!他の店だと、脂っこくギトギトしていることが多いのですが、このお店のは、比較的甘さ控えめで日本人向き。なんと、日本人で50枚ぐらいまとめて買っていた人もいるんだとか。160元~200元/一枚
さて、そろそろ帰ろうかななんて思っていたところ、何とも香ばしい香りが一体に漂うではありませんか!奥から出てきたのは、こんがりまんまるに膨れ上がったケーキたち。表面は堅いのですが、中はむちむちとびっしりきめ細かく、ザ・18歳の卵ケーキといったところ。いい卵使ってるんですねぇ。と聞くと、「卵なんて普通の使ってるよ。材料云々じゃなくて、やっぱり「秘訣」だよ「秘訣」」とのこと。25元/一個
おいしいからまるっと食べてしまいました。ホクホク。
◆ ホテルまで郵送します
たんまりと、お土産を買いこんで、帰路に就こうとしたナビに、「そんなたくさんの荷物大変だから、郵送するよ。いつがいい?」と親切な言葉が…また、防腐材等も使用していないので、店内に置ける商品も限界があります。そういうときは、遠慮なく予約して、最も新鮮な状態のお菓子を届けてもらえます。それに、店内では全て試食可!じっくりと試食して、何を持って帰るか決めちゃおう。
ということで、ナビの場合は2日後に、新鮮な「おへそ」餅が届くことになりました。…新鮮なおへその味はどんなのかなぁ。ヒヒヒ…なんて、ちょっと雷様の気分を味わえる、台湾でのひと時。
台北ナビでした。