しばらく前、北京にも行ってきました。
北京の故宮博物院はタダモノではない広さ。
ラストエンペラーがここで自転車乗りを楽しんだようですが、この
広さなら乗り甲斐があっただろうと感心しました。
ツアーだと1時間少々で出てしまうことが多そうですが、少し気合
を入れて見学しようとしたら、確実に5km以上は歩くことになります。
さて、故宮博物院勝負ですが、建物なら圧倒的に北京、展示物なら
台北の勝ちでしょう。
北京はなんといっても本物の迫力!
ただ見るだけでも圧倒されます。
ここが皇帝が座っていた玉座か、
ここが科挙の最終試験(殿試)をしたところか、
真冬の試験は凍えただろうな、
こんな巨大な一枚板の大理石、運ぶの苦労したろう、
などなど。
さらに、少し予習してから行くと、あちこちにおぞましいものが
あって緊張感が伝わります。
たとえば、
1900年の北清事変で故宮に乱入した連合軍の兵士が略奪しようとして
水瓶の金メッキを剥ぎ取った跡とか、
西太后が珍妃に自殺を強いて突き落とした井戸とか。
一方、美術館・博物館として比べると、台北の圧勝なんですね。
台北にあるのは、小さくて価値の高いものばかり。
蒋介石が運びやすくて金目のモノばかり選りすぐりで台湾に持って
きただけあって、展示品の質はさすがに台北のほうが上。
しかも、展示のしかたが洗練されていて説明文のわかりやすさや
照明の当て方などしっかりしています。小さい物品には拡大鏡を
付けてくれるなど至れり尽くせり。
北京の故宮の宝物は、なんだか雑然と置いてある感じ。
外が埃っぽい日は、埃が展示ケースの中に入り込むのはないかと
余計な心配をしてしまうほど。
主な展示品は、入場料とは別に10元取られる珍宝館に置いてある
のだけれども、中を見ると「え〜、本場の故宮のお宝はこれだけ?」
と期待外れの感じを拭えませんでした。
北京に残された本当にいいお宝は、一般公開しないで隠してある
のではないかと疑っていますが、本当はどうなのでしょう?
台北の故宮に行った方、北京にも行ってみるといいですよ。
台北は、改装工事が終わったらどうなるのか楽しみです。
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