蘭潭風景区(嘉義市)

嘉義八景「蘭潭泛月」に選ばれる幻想的な景観、世界的に有名な嘉義出身アーティストの大型アートなど……見どころ満載の観光スポット！

嘉義市東郊に広がる「蘭潭」は、周囲約3kmの大きな湖で、古くから市民の水源として利用されてきました。17世紀にはオランダ人が八掌溪支流に堰(せき)を築き、後に日本統治時代に再整備され、嘉義市の水上工場の貯水池として重要な役割を果たしました。当時は農業用水や生活用水の供給源として市民生活を支え、嘉義の近代化に大きく貢献したと言われています。

「蘭潭」は以前「南潭」とも呼ばれ、古くは「紅毛埤」と称されていました(紅毛はオランダ人を指し、埤は水堰の意味)。終戦後、観光的に「蘭潭」という美しい呼称が広まったと言われています。現在の蘭潭は「蘭潭風景区」として整備され、湖畔には觀景樓や三信亭、姉妹亭などの展望施設があり、市民の散策や観光客の訪問に人気のスポットです。

ちなみに嘉義八景のひとつ「蘭潭泛月」としても知られ、月夜に湖面が輝く幻想的な風景は古くから詩歌に詠まれてきました。

周囲にはサイクリングロードや登山歩道も整備され、昼は自然散策、夜はライトアップされた湖畔で素敵な時間を過ごせます。

近年、蘭潭の魅力をさらに高めているのが大型アート作品「月影潭心」と音楽噴泉ショーです。

「月影潭心」は嘉義出身の国際的アーティスト王文志による作品で、月の美しい情景と湖心の波紋を表現しています。アルミの縁を編み込み、鳥の巣みたいに見せた巨大なインスタレーションで、これは嘉義市がかつて「桃城」と言われたことを模しています。両端は七面鳥のシッポのようで、これは、嘉義を代表する小吃「火雞肉飯」を表しているのだとか！昼はその造形美を楽しめ、夜はライトアップされて湖畔に幻想的な輝きを放ちます。

また、湖畔では夜間に音楽噴泉ショーが開催され、光と水と音楽が融合した演出が訪れる人々を魅了します。夏季と冬季で時間が異なり、毎晩3〜4回ショーを楽しめます。湖面に映る噴水と光の競演は、必見です。

「蘭潭」は歴史的な水源でありながら、現代では芸術と観光が融合した「嘉義市の裏庭」として親しまれています。昼は自然と歴史を感じ、夜はアートと光の演出を楽しめる、まさに一日を通して魅力が尽きないスポットです。