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冬は台湾でもやっぱり鍋!台北で美味しく、ヘルシーな鍋なら、ここ「萬有全」!!


こんにちは、台北ナビです。

今回皆さんにご紹介するのは、「萬有全」という涮羊肉の店です。涮羊肉とは、いわば鍋料理で、中国は東北とモンゴルの少数民族が生活する地区から始まり、古くは「涮鍋」と呼ばれたそうです。それから徐々に他民族の間にも広まり、明の時代では都市部にまで広まって「生羊」と呼ばれました。涮羊肉という名称は清の時代に入ってから。17世紀半ばに清宮廷の「清宮膳食単」というメニューの中に、「羊肉片火鍋」というのがあり、とても人気があったそうです。それからはその人気メニューがだんだんと宮廷の外にも知られるところとなり、専門店も出てきました。
ここ「萬有全」の鍋は、その中国東北地方の正統な味を守りつつ、独自のテイストを打ち出しているお店です。

さて、お店に入ってみましょう。

まずは店構え。立派な看板が入り口の扉上に掲げられ、扉左側には順番待ちのための長スツールがありました。「ここは行列もできるのかしら?」という考えが頭をよぎります。まだお客さんが入る前だったので、店の従業員が門の前を掃除していました。「なかなか清潔に気を使ってるみたい…」その思いのとおり、店の中も、鍋の店には珍しくギトギトしたところはなく、きれいさっぱりとした感じ。扉をくぐってまず気づいたのは、正面に飾ってある仔牛の皮で作られた飾り。真ん中には色とりどりの中国風の子供たちの絵が描かれています。何でも中国から取り寄せたもののようです。ここからして、いつも巷で見かける鍋屋とは一風違っています…。

中は暗めの調度品で統一され、なぜか西洋風の軽音楽がかけられていました。「う~ん、オーナーの趣味かしら?」でもそんなことは実際に鍋を口にしてみると、すっかり忘れてしまいました。

鍋のお味は…


こちらの鍋の形は、普通の平たいものではなく、真ん中に墨を入れる筒があるタイプ。普通の鍋はコンロなどが置かれ、つまみひとつで火の調節とかができますが、こちらは最初から熱い炭が入れられ、どんどんスープが煮立ってきますので、従業員が絶えずスープの具合をチェックしに来てくれます(従業員の女の子たちも、感じのいい人ばかりで、てきぱきしてました)。

ここでまずスープの説明を。こちらのスープの特別なところは、鶏がらスープのほかに、12種類の野菜と4種類の果物が入り、10時間以上煮込むそうです。出来上がったスープはすっきりした澄んだ色。各テーブルの鍋にはそのスープのほかに、酸白菜と酸菜、トマトがあらかじめ鍋に入っています(酸白菜も自家製だそうです)。これがいわば、だしスープ(湯頭)ですね(一人分80元)。そこに鍋の具を入れていくわけです。

食材の凝り具合に脱帽

今回注文した具は、「白菜」「レタス」「えのき茸」「高野豆腐」「アメリカ産霜降り牛肉」と「子山羊の肩肉」。肉は2ミリほどの薄さです。ですので、しゃぶしゃぶの要領で食しましょう。
ここまでは普通の鍋屋でも食べられそうな具。このほかにこの店ならではの具をご紹介。まずは「牛のぜんまい」。要するに牛の胃の部分ですね。今回初トライだったのですが、コリコリ、プリプリとした歯ごたえが、見た目よりもおいしかったです

それから自家製の「蝦ボール」と「イカボール」。こちらは普段巷で口にしているものより、はるかにホワッとした食感でした。オーナーにうかがったところ、無添加の材料で作ったそうです。なるほど。


続いて、自家製の湯葉(一皿60元) 。一枚一枚が大きいので、鍋に入れるときにちぎって入れるといいでしょう。そうそう、ここの白菜とレタスも包丁が入ってなくて、一枚一枚出てくるんですよ。いっぺんに鍋に入れるのがちょっと大変なくらい…。


それから自家製の魚捲(一皿120元)。これは何かというと、魚の皮を一口大に切り、それにシイタケと肉少々が包んであります。味としては魚の練り物に近いものがありました。

鍋の最後に入れる具として、日本ではご飯とかですが、普通台湾では春雨とかを入れます。でもこのお店では、自家製手打ち麺(一皿60元)があるんですよ。ベースのスープがトマトや酸白菜、フルーツなどのほのかな酸味があるため、最後にこの細い麺をスープとともに口にしてみると、なんだかイタリア風パスタのようなお味。これってお鍋?う~ん、なんとも上品。

タレの種類の多さにも脱帽

こちらのもうひとつの特徴は、その種類豊富なタレ。普通台湾で鍋のタレと言えば、「沙茶醤」(カレイや干し蝦、香辛料を使った濃厚なソース、ほどよい辛さがあります)に醤油やごま油を生卵の黄身に入れて、お好みで香菜や唐辛子を入れますね。でも、ここ「萬有全」ではタレは自分でブレンドするのです!その種類ざっと15種類。中国東北風なべの定番のタレは「腐乳汁」だそうですが、これは「豆腐乳」という豆腐を塩漬けにして発酵させ、麹に漬けて作る発酵調味料をペースト状にしたものです。発酵させてあるので、匂いは強烈かもしれませんが、非常にうま味のある味が独特です。ナビは今回これに刻みねぎを少々入れたのでいただきました。味のほうは、濃厚な舌ざわりは日本のゴマダレのようですが、それに発酵した香りと塩辛さが混ざり合った感じ。ナビとしては、大変おいしく感じました。他に、「芝麻醤」(ごまペースト)、醤油、「鮮蝦油」(えび風味の油)、「韭菜花醤」(海塩で一年以上漬け込んだニラのペースト。臭みがなく、胃腸の調子も整えるんだそうです)ラー油、にんにくペースト、ナンプラー、酢(もち米酢。山羊肉を食すときに臭みの気になる方は少し入れるといいそうです)、ケチャップ、砂糖、ごま油、香菜、刻みねぎ、とうがらし、それと「沙茶醤」。でも、オーナーいわく、なるべくこれは入れてほしくないそうです。と、言うのも「沙茶醤」はそれ自体味が濃厚なので、素材の味を殺してしまうのだそう。でも、あくまでもご自分の好みであれば、何を入れてもOKとのこと。
こちらのお店のパンフレットを見ると、「老七様」というたれのブレンド法が載っていました。七様とあるからには、七種類入っているわけですね。それは、芝麻醤、腐乳汁、ラー油、鮮蝦油、醤油、韭菜花醬、それに香菜。これがいわばこの店おすすめのタレのあわせ方だそうです。隣にいた何人かの現地の方がおわんの中に何種類かのタレを盛っています。しかもその量の多さといったら!こんもりという感じ。これがこちら風の食べ方でしょうか。ちょっとびっくりです。

その他の料理も魅力的です!



鍋料理のほかに、こちらでは各種肉(牛肉、鶏肉、羊肉)の串焼きがあります(一皿4本、280元)。


それから、上海料理にも出てくる臭豆腐。でもここのは、台湾風の揚げたものではなく、煮込んだもの。どちらかというと、上海風ですね。辛口なので、一度食べたら病みつきになりそう(一皿120元)。
あと、絶品の牛肉焼餅(一個40元)。この表の皮、というかパイ生地の部分(要するに焼餅ですね)の歯ざわりがここでしか味わえないようなおいしさ。パリッとしすぎず、サクッ、ホワッ、という感じ。中の牛肉も全く臭みのない柔らかな肉。味もほどよいしょうゆ味。ぜひ注文がきたら、冷めないうちに食してください。
このほかに、鍋にはつき物といってもいい飲み物「酸梅湯」。こちらも自家製です。お味は、他で飲んだものよりもあっさり目でした。でも初めて口にする方にはちょっとクセがあるかもしれません。甘酸っぱさと、独特の渋さがあるのです。こちらは960ml入りなので、大人数向きですね。
名物のマンゴージュース

名物のマンゴージュース

それから、オーナーが紹介してくれました、新鮮なマンゴージュース。暖かいとはいえ、台湾でも今は冬。それなのに、マンゴー?なんでも夏場にたくさんマンゴーを蓄えておき、皮をむいて冷凍保存しておくそうです。そして、注文がある都度作るそうです。ですので、冬場注文が多ければ、すぐなくなってしまうんだそうです。そうなったら、夏まで待つしかないんでしょうね…。こちらは2リットルくらいありそうなピッチャーできました。あとは台湾ビール、ウィスキー、日本酒もあるそうですよ。


この店のオーナーは、符良程さん。ここ南京東路の店のほか、忠孝店、古亭店を経営なさっています。ナビが訪れたときはお昼間。なのに、ほぼ満席の状態でした。人気の秘密は、やはりオーナーの食材へのこだわりだと思います。だいたい巷で見かける鍋料理というのは、好きな具を好きなだけ入れるというか、何を入れてもよし、というような感じですよね。でもそこで質のいい食材を使うと言うことで、この店の品格が他とは違っているんですね。自家製のものにこだわると言うよりも、お客様の健康を大事にすると言うのが、オーナーのお考えのようです。

どうですか?皆さんも一度、このヘルシーな涮羊肉、「萬有全」、行ってみてはいかがでしょうか。でも、おいしいからって食べすぎには気をつけてくださいね。

以上、台北ナビでした。

記事更新日:2009-07-24

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2008-01-24

スポット更新日:2014-11-17

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部屋数 部屋1 大人 子供

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