仙台駅前にある「さくら野百貨店仙台店」7階に、この一日に開店
したばかりの鼎泰豊仙台店の開店当初の表情を報告させていただき
ます。
出入り口右手にある「ガラス張り」の調理室に、台湾の方とおぼ
しき「点心師」5〜8(?)名がつれない表情で黙々と小籠包をひね
りだし、一方滅法愛想のよい日本人従業員無慮10名弱が忙しく立ち
働き、2人がけ、4人がけ取り混ぜて座席数64(?)席、点心メニュ
ーが32品目、小籠包セットなどというセットメニューが3セット〜、
台湾スウィーツが6品目、テイクアウト商品が7品目〜といったメニ
ュー構成でした。
訪れたのが、小中高生が夏休みにはいったばかりの月曜日のこと
とあって、常に10人以上があるいはすわり(6〜8名分の椅子あ
り)、あるいは立っていたり、整理券の順番を呼ばれるのを待って
いるといった様子で、仙台では盛況といっていいでしょう。
隣り合わせた「親子ずれ」「老婦人」「20代の若者」に、このお
店の印象を尋ねてみました。
「親子ずれ」のお父さん(30代後半)は、新宿高島屋での体験を
ふまえて「小籠包」はもっと熱々が望ましい、値段はこんなものだ
ろうということでした。御主人の台北駐在中、現地のお店での体験
を持ち合わせておいでの「老婦人」は「大好きな台湾の友達が懐か
しい」と、食を楽しむというより、懐旧台湾といった風情でした。
一人で食していた「若者」は、この夏休み仙台空港から3泊4日の
台北の旅の下調べとのことで、味はともかく有名店の本店での食体
験が待ち遠しいとのことでした。
食に制限のあるわたくしは、「小籠包」、「酸辣湯」、「蝦仁炒
飯」の3品を取り寄せ、ほんの少しずつ味わってみました。おいしい
ことはもちろんですが、「小籠包」のたれが、色は濃いにもかかわ
らず、舌でというより、嚥下した後に、フットより戻してくるその
旨みにはいつもながら感服です。
また経営上(高島屋100%出資)の実感としては、いまのところは
物珍しさでお客さんがきているようですが、この価格帯だけでは早
晩離れてゆくでしょうね。どの都市でもそうですが主要駅前で永続
的にはやり続けるのは難しいものです。願わくば、ビジネスマンの
昼食の予算にみあった、500〜600円(現在のメニューにあることはあ
るのですが、量が少なすぎて)程度の単品が欲しいところです。
まあ、何はともあれ、台北まで飛ばなくても、点心師の独特の表
情や、台湾の食の楽しみを仙台でも味わえるようになったことに感
謝です。
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