米問屋が生まれ変わったのは「米」が主役の台湾料理店!定食感覚で気軽に台湾料理が楽しめて、台湾米のおいしさに目覚めます♡人気観光地「迪化街」にあるから旅行中に立ち寄れて便利すぎ!
こんにちは、台北ナビです。
かつて台湾随一の貿易拠点として栄えた大稲埕。近年は歴史的建築を生かしたカフェやセレクトショップが次々と誕生し、新旧が心地よく交差するエリアとして注目を集めています。
こうしたリノベーションが進む街には、歴史を未来へつなごうと奮闘するオーナーたちの物語が息づいており、街歩きの楽しみのひとつとなっているように感じます♪
今回訪れたのは、大稲埕の街並みに自然と溶け込む「米問屋」をリノベーションした台湾料理店「Rice & Shine 稻舍食館」。
100年余り前の精米所跡地の記憶を受け継ぐ5代目オーナーが、「米を主役にした食卓」をコンセプトに、台湾各地の風土を伝えてくれます。
大稲埕の歴史を味わえる一軒
「迪化街」らしさが残る北側「奥迪化街」にお店を構えています
大稲埕と聞いてまず思い浮かぶのは、乾物や漢方の香りが漂う迪化街。南北およそ1kmにわたって続くこの通りの北側に、「Rice & Shine 稻舍食館」は店を構えています。
ほがらかな人柄だけど、凄腕オーナーの葉守倫さん 画像提供:稻舍食館
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お店は「迪化街」随一のフォトスポット「迪化街十連棟」の目の前!
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かつてこの一帯は、46軒もの米問屋が集まる米取引の中心地。オーナーの葉守倫さんのご先祖も、その一軒として1923年からこの地で商いを営んでいました。一度はお父さまの代で家業に幕を下ろしたものの、5代目となる葉さんが再び大稲埕へ戻り、米問屋の記憶を手がかりに、歴史建築の再生というかたちで新たな挑戦を始めました。
お店が入るのは、かつて近隣で商いをしていた唐氏が営んでいた米問屋のバロック様式建築。約120年前に建てられた建物は、外観のタイルの色合いからも長い年月を重ねてきたことが伝わってきます。現在は台北市政府が管理する歴史建築で、オーナーの葉さんがこれを借り受け、2014年にレストランとして新たな息吹を吹き込みました。
当時の面影を色濃く残す店内
この雰囲気でお食事!おいしさ2割増し♡
奥に細長くのびる3階建ての店内は、高い天井やレンガ造りの壁など、随所に歴史の痕跡が残っています。
おすすめは、やわらかな自然光が差し込む2階席。窓の外に広がるレトロな街並みを眺めていると、まるで時間を遡ったかのような気分に。ちなみに、お向かいさんも昔はお米屋さんだったそうです!
2階にある木の階段を上がった先の3階はギャラリー空間になっています。食事の前後に立ち寄ってみてはいかがでしょう。
個室もあります
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窓からの景色もレトロですてき
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2階席 |
「米」へのこだわり
ほどよい粘りと、しっかりとした弾力が特徴の霧峰香米は、どこかもち米を思わせる満足感もあります。
料理の主役といえば肉や魚を思い浮かべがちですが、「Rice & Shine 稻舍食館」が大切にしているのは、あくまで「米」。米問屋をルーツに持つこの店では、料理の添え物ではなく、毎日丁寧にもてなされる主役として、一杯のごはんが食卓の中心に据えられています。
2014年のオープン以来、台北市内に4店舗を展開しているこのブランド、注目したいのが、「一店一米(One Shop One Rice)」という独自のコンセプトです。店舗ごとに台湾産の米を厳選し、香り、粘り、弾力、甘みといった米本来の個性を、最も引き立つかたちで提供しています。
ここ大稲埕本店で提供されるのは、台中市霧峰区産の「霧峰香米」。穏やかな気候と、合歡山を源とする烏溪の清らかな水に育まれた霧峰区は、台湾屈指の米どころとして知られています。行政院農業委員会・農業試験所が開発したこの品種は、炊き上げると芋頭(タロイモ)を思わせるやさしい香りがふんわりと立ちのぼるのが特徴です。
台湾人が大好きなごはんの食べ方を真似よう!
画像提供:稻舍食館
ご飯の食べ方にも、こだわりがあります。
まず、何もつけずに一口ぱくり!白米そのものの香りと甘みを、ぜひ味わってみてください。
二口目からは、台湾の人々にとって懐かしさを誘う食べ方に挑戦を。「豚油をふた回し、醤油をひと回し」、これが台湾流の黄金バランスだそう。豚油は温かい状態で運ばれてくるので、油が固まる前に白米に回しかけるのをお忘れなく。
シンプルだからこそ際立つ、米のおいしさを楽しむ一杯です。
地域に根差したメニュー
代表的な台湾料理がラインナップ
こだわりの米と相性バツグンの台湾料理が揃います。とくに、地元大稲埕の漢方や乾物を使用し、地域に根差したメニュー構成が魅力です。各メニューには、コラボしているブランドのロゴが表記されているので、ぜひチェックしてみてください。
客飯(=定食)スタイルの台湾料理の中から、今回はオーナーがオススメする人気メニューをご紹介します♪定食には、白米と季節にちなんだ小鉢が3種セットになっています。(小鉢は選べませんが、辛い物が苦手などの好みを伝えることができます)
鍋の下にキャンドルが灯されているので、アツアツのままいただけるのもうれしい!
首烏藥膳雞湯客飯(首烏薬膳鶏スープ)/セット450元、単品350元近年、漢方に触れる機会が少なくなっている中で、料理に取り入れることで、もっと気軽に、身近に感じてもらえたら──そんな想いが込められている一品。
鶏よりも仕入れ値が高いというこだわりの薬膳スープは、大稲埕の老舗漢方店「德利泰」のものを使用しています。野生の甘草、当帰(トウキ)、党参(トウジン)、紅棗、クコの実、何首烏(カシュウ)などの厳選した素材を、蒸して乾燥させる工程を9回繰り返す「九蒸酒製」という伝統的な製法により、丁寧に仕上げています。
ホロホロの鶏肉にも、スープの味が染みています。
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スープに、お酒を回しかけていただきます♡たっぷりかけると、風味が増しておいしいですよ。
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オーナーは「日本人は八角が苦手な人が多いから、もしかしたら点…」と心配していましたが、スパイス感は穏やかで、驚くほどすっきりとした上品な味わい!これはむしろ日本人の味覚にもなじみやすいと感じました。大きな鍋に見えますが、下の部分はキャンドルなので、1人でペロリといけちゃう量ですよ。
ちなみに、漢方が使われているので、妊娠中の方や体質に不安のある方は、控えたほうがよいそうです。
ご飯がすすむ定食です
金沙蝦球(エビボールから揚げの金沙粉和え)/セット400元、単品300元肉厚な大白エビを香ばしく揚げ、塩漬けした卵黄でじっくりと炒め合わせた人気の一皿。プリッと弾けるエビの食感に加え、シャキシャキとした豆薯(クズイモ)が心地よいアクセントになっています。さらに、迪化街の乾物店で扱われるミックスナッツを添え、食感と風味のコントラストも楽しめます。
店頭に飾られた赤いプレートは、この「500碗」受賞の証です
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台湾の台湾人による食の評価、「500盤」に選出されたひと皿!
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注目したいのが、こちらの料理が台湾のグルメアワード「500盤」に選出されていること。「500盤」とは、50人の芸能人・著名人が審査員となり、それぞれが10皿ずつ投票し、合計500皿を選び出すという台湾独自の評価制度で、台湾版ミシュラン・ビブグルマンとも称されています。
「Rice & Shine 稻舍食館」の金沙蝦球が、台湾の人々に愛される味であることを、この一皿が物語っていますね。
食欲をそそるビジュアルと香りです。
懷舊紅燒肉(豚バラ肉の醤油煮)/セット420元、単品320元五花肉(豚バラ肉)を、120日間自然発酵させた純黒豆醤油でじっくり煮込んだ角煮です。使用するのは、抗生物質やホルモン剤を使わずに育てられた「台灣活菌豬」で、素材へのこだわりも安心感も十分です。
お醤油の味がほどよくて、白米との相性は言うまでもなく抜群!とろけるような口当たりと、濃厚な見た目と反して意外とさっぱりした味付けは、ナビの好みでした。どこか懐かしく、台湾のおばあちゃんの手料理はこんな感じかなぁ?と、ほっこり想像してしまう一皿です。
エビ好きはぜひトライしてみて!
藍鑽香酥蝦捲(ブルーダイヤモンドシュリンプの春巻き)単品80元高級食材であるブルーダイヤモンドシュリンプを、豚の腹膜で手包みして揚げています。パリッとした皮と、弾力のあるエビの食感は間違いなし!万人受けするお味です。 アラカルトも魅力的なので、定食にプラスして、みんなでシェアしてみるのもよさそう。
※香菜(パクチー・コリンアンダー)入り
アフタヌーンティーとしても◎
お店の最低消費額は120元。食事利用はもちろん、アフタヌーンティー感覚で立ち寄れるのも嬉しいポイントです。趣のある空間で、台湾式デザートと台湾茶を楽しみながら、ほっとひと息ついてみてはいかがでしょうか。
梔子花烏龍(クチナシ烏龍茶)/130元
南投の名茶舗「山生有幸」から仕入れる良質な茶葉に、嘉義・大林で環境に配慮した農法により育てられたクチナシの花を合わせた、香り高い烏龍茶。ライチやバニラ、クチナシを思わせる華やかな香りが特徴で、気に入ったら物販コーナーで購入できるのもうれしいポイントです。
台湾茶らしい華やかな味わいの梔子花烏龍(クチナシ烏龍茶)
オーナーの葉さんによると、かつて大稲埕は裕福な商人が多く、中でも茶葉の製造・輸出で栄えた街。ナビは初めて知りましたが、実はこの一帯ではクチナシの花の栽培も盛んだったとか!茶葉にクチナシの花を混ぜ、イギリスやアメリカへ輸出していた歴史があるそうです。そんな1920年代の大稲埕を思わせるクラシックな花茶を再現した一杯は、まさにこの街で味わいたいお茶です。ティーポットで提供され、つぎ湯が可能なのもうれしいです。
そのほか、廟にお参りした際に漂う「夜來香(イェライシャン)」から着想を得て、伝統的な製法で丁寧に薫りづけされた「晚香玉烏龍夜(チュベローズ烏龍茶)130元」もおすすめです。ちなみに「晚香玉」とは「夜來香」の別名です。
「馬告覓蜜紅茶(マーガオハニーブラックティー)100元」は、花蓮・瑞穂産の「馬告(マーガオ)」がもつ、レモンを思わせる爽やかな香りと、南投産紅茶のやさしい甘みを掛け合わせた水出し紅茶。暑い日に、すっきりとしたアフタヌーンティーとして楽しめそう。
梅釀青芒果氣泡飲(梅シロップ漬け青マンゴーのスパークリングドリンク)/150元青梅のペーストとシロップ漬けの青芒果(青マンゴー)を炭酸水で割った一杯は、きゅっと爽やかな甘酸っぱさが魅力。台湾ではかき氷のトッピングとして親しまれてきた青マンゴーを、ドリンクに仕立てる発想が光ります。どこか懐かしく、それでいて新鮮。グラスの底に沈んだ青梅ペーストをしっかり混ぜて召し上がれ♪
そのほか、写真映えも抜群の「桃花緣浪漫氣泡飲(桃とドラゴンフルーツのロマンチック・スパークリング)140元」も注目。
白桃のピューレとドラゴンフルーツジュース、角切りの白桃を炭酸水で合わせた華やかな一杯で、縁結びを象徴する桃の花と、月下老人の赤い糸からインスピレーションを得たというストーリーも素敵です。
檸檬愛玉(レモン愛玉ゼリー) 60元。独特の食感がクセになる愛玉ゼリーには、サトウキビシロップとレモン汁がかかっています。愛玉ゼリーをレストランで食べられるのもうれしい。
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紅豆紫米芋頭露(小豆・紫米・タロイモのデザートスープ) 100元。紫米のぷちぷちした食感と、小豆、タロイモのほどよい甘さがマッチした、やさしいデザートスープ。冬は温かい状態で提供されます。
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「Rice & Shine稻舍食館」は4店舗あります
画像提供:稻舍食館
今回紹介した迪化街店のほか、台北市内の人気複合施設にも計3店舗を展開。いずれもアクセスが良く、観光やショッピングの合間に立ち寄りやすいのが魅力です。店舗ごとに異なる台湾米の個性を味わい比べてみるのもおすすめ。旅の楽しみが、きっと一層広がります。