昔懐かしい農村風景が広がる『後壁』

旅行の時期 2015年04月

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【汚染ゼロの村 後壁散策】

後壁観光に最適な方法はサイクリングです!
“鉄道+自転車”

電車が後壁駅に到着すると、そこにはまるで1940年~50年代のような懐かしい風景が広がっていました。駅舎には現代的な設備がなく素朴な農村の雰囲気に満ちていました。

さっそく駅前のレンタサイクル店で昔ながらのレトロな自転車をレンタルしました。幼い頃足が届かなくて乗れなかったお爺さんの自転車にやっと乗れたような気持ちでペダルを踏みます。「後壁に来たよ~」
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*ノスタルジックな雰囲気あふれる駅舎、まるで時間のトンネルに迷い込んだような感覚に陥ります。
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*客が電車を待つ待合室
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*駅前のレンタサイクル店で借りたレトロな自転車
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【のどかな農村観光―荷蘭井湧泉民宿】

菁寮に着いた時はすでにお昼の時間だったので、先ず荷蘭井民宿に行って地元の農家料理『割稲飯』を頂くことにしました。

『割稲飯』は昔、収穫期に人手不足で隣近所が順番に収穫を手伝っていた時代、収穫を手伝ってもらった農家がそのお礼に近所の人を招いてご馳走していた簡単な地元料理で、収穫期には一軒一軒順番にこのような『割稲飯』の招待が行われ、ご近所同士の絆も一層深まりました。『割稲飯』には「分かち合う」心が溢れています。
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*人情味あふれる農村の家庭料理
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*協力して料理を作る地域のお母さんたち

 ここには他のレストランで見られるようなプロの接客はなく、地域のお母さんたちが小さな厨房で真心込めて作ってくれた美味しい料理が楽しめます。まさにお母さんの味、何ともいえない深い味わいです。

 『民宿』と言う通り、荷蘭井ではもちろん宿泊もできますが、こちらの宿泊施設は一般的な民宿と違い、床板に布団を敷いて寝る「おばあちゃんの家」のようなスタイルで、その布団もレトロな花柄の布団で、宿泊客は伝統的な農家の生活が体験できます。
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*隣家広場には花柄の布団が干してあります
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*古い井戸には神様が宿っています。ここでは誠意をもって水を汲み、遊んではいけません。
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*「おばあちゃん」の天然泉水洗濯機
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農村に立つかかし-農民のために田畑を守っています
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*伝統的な釜戸で大量の「割稲飯」を炊きます。
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【原色の菁寮・藍染】

 『無米楽』と聞くと多くの人は菁寮の緑豊かな水田を思い起こすことでしょう。しかしここが「菁寮」と呼ばれるのは、清朝時代この地域が藍染の産地で、別名「小菁」と呼ばれる木藍を栽培していたからです。

 墨林文物館の解説員の先生の話によれば、地元の住民は以前、「菁寮」という名は檳榔の「菁仔」を指すものと思っていましたが、実はより美学的価値のある「小菁」を指していたことが分かり、「藍染」が菁寮文化の中で最も重要な文化として再確認されたそうです。
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「墨林文物館」の前身は「重仁診療所」です。すでに高雄に引っ越した家主が特別にこの古民家を開放し、現在古い文物の展示スペースとして利用されています。また敷地の一角には観光客が藍染工芸を体験できる「藍染熊手作坊」がありますので、訪れた際には伝統の藍染をぜひ体験してみてください!

古民家の庭園での「藍染」DIYでは、その工程を楽しみながら先生の解説もよく注意して聞きましょう。ぼんやりしているとあなた自身が藍色の妖精になってしまいますよ~

藍染DIYではコースター、靴下、衣服、枕カバーなど様々な布製品が制作できます。たった一つだけ注意することは均等にきれいに染まるよう糊付けされていない布を使うことです。
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*DIY体験料金表
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「藍染の手順」

1. 木藍の葉を採集し発酵させて染料を作る:10㎏の葉を発酵させてできるのはたった1㎏の染料、発酵後の泥藍に苛性ソーダ(強いアルカリ)を混ぜ、手間隙かけて天然の植物染料を作ります!藍甕には泡が浮いていますが、先生によれば、これはとても良い染料の証だそうです。ただ均等に染まるよう染色するときには泡の部分は避けてください。
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2. 柄をデザインする:染色する前に輪ゴムか木綿糸で布に好きな模様を描きます。糸で縛った所が染めた後に白く残る部分です。さあ、創造力を発揮するチャンスです。私は靴下を染めるので、先ず靴下を丸い筒にかぶせ、少しずつ波のようなラインを作り、それから輪ゴムと木綿糸で固定しました。こうすると染めた後に波状の模様になります。
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3. 染料を染み込ませる:染色は基本的に3~5回行い、毎回2分間染料に布を浸します。染色は5分間間隔を空け、その間よく染まるよう布を太陽の下に置き酸化させます。

*染色のコツ---布をまっすぐ垂直に入れ、染料の中でゆっくり回しながら染めると色が均等に染まります。染色中は布をしっかり持ち、手から離さないように注意してください。藍甕はそこが深いので落としてしまったら大変です。時間になったらできるだけきつく絞ってから外に干します。こうすると染料が一箇所に溜まらず均等に染まります。
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4. 洗浄後、乾かす:染め終わったらすぐに水で余分な染料を洗い流します。水が透明になるまで洗ったら外に干して乾かします。
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終に染め上がりました!
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百年の歴史をもつ木造の校舎は私たちの人生より長い間この農村を見守ってきました。


【自然豊かな後壁を散策―――百年小学校、天主堂、土溝村】

 後壁で見逃せないスポットと言えば、菁寮小学校、天主堂、そして土溝村の三ヶ所です。菁寮小学校では百年の歴史をもつ校舎のほか、珍しい「マホガニーの並木」も見られます。
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まっすぐ続くマホガニーの並木道
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 菁寮小学校の向かいにある天主堂は有名なフランス人神父、フランソワ神父のいる教会で、こちらのフランソワ神父は春聯を書くこともでき、台湾語も話せます。天主堂の開放時間は決められていて、神父の修行を尊重する意味から教会内部での撮影は禁止されています。私たち観光客は旅を楽しみながらも相手に対する基本的な礼儀は忘れないようにしたいですね!

 自転車で教会の後ろに広がる水田の小路を走ってみましょう。緑豊かな水田の中に建つ尖がった屋根の教会は荘厳な雰囲気とともに親しみも感じられ、信仰の区別なく地元の人々の心の拠り所になっています。
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農村芸術について語るとき欠かすことができない後壁の土溝村

一年ぶりに土溝村を訪ねてみると、村内のあちこちにウォールペイントが見られ、前回より更にアートな雰囲気が感じられました。芸術家が村に滞在して制作にあたっているほか、農村音楽会も開催され、農村自体が特別な展示場となっていました。このような発展を遂げた土溝村はきっと他の多くのアート村の目標となることでしょう。
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写真展の主役になった農村の住民
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土溝村村民の駅
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地図上のスポットはどれも小さな展示場

記事登録日:2015-04-18