上海・湖南料理

醤油と砂糖を使った日本人にもにじみやすい味付けの料理や、上海発祥の小籠包など、庶民的なメニューが中心。


醤油と砂糖を使った日本人にもにじみやすい味付けの料理や、上海発祥の小籠包など、庶民的なメニューが中心。高級料理では、秋から冬にかけてがシーズンの上海蟹や、蟹みそを使った料理などがあります。また上海近郊の湖南地方の各都市(杭州・蘇州・紹興など)にも、それぞれその土地ならではの名物料理があります。

<上海の代表的な料理>


紅焼肉
上海料理は家庭的な料理が多いですが、その中でも代表格といえるのが、豚バラ肉を醤油と砂糖で煮込んだ角煮。コラーゲンたっぷりの脂身と甘辛コッテリな味がしみた赤身の二重奏は、一度食べるとトリコになる人続出の美味しさです。煮汁で作る煮卵もこれまた旨い!


小籠包
これぞ上海発祥の、ショーロンポー。アツアツの肉汁をいかに逃さず&飛ばさず口に運ぶかが勝負所。中身の餡はお店によりいろんなバージョンがありますが、豚肉のみの「鮮肉小籠包」、蟹肉入り「蟹肉小籠包」、蟹ミソ入り「蟹粉小籠包」が定番の3種です。


海蜇頭
上海風クラゲの前菜。上海料理店ではクラゲは透明な生のものを使うため、広東風の塩漬けを戻した黄色い紐状のものとは、味も食感も全く違う!キュウリや香菜(パクチー)などといっしょに、黒酢でサッパリとどうぞ。


佳花糖藕
もち米詰めレンコンに、梅汁、紅糖を加えて煮込んだ上海伝統の前菜。キンモクセイの花が添えられた可憐なモチ甘レンコンは、おかずというよりデザートのようだけれど、意外とヤミツキになります。


糯米紅棗
ナツメに小さな白玉団子を詰めてシロップ煮にしたものです。紅白の色合いが綺麗で、ほんのり上品な甘さ。こちらもデザートではなく前菜として出されます。


油爆河蝦
オールシーズン新鮮で安い川エビが手に入る上海では、庶民の食卓にもいろんなメニューでしばしば登場。最も上海らしいのは、やっぱり醤油と砂糖という上海料理定番の味付けによる炒め煮です。


獅子頭
ズバリ、中華版ミートボール。写真はあっさりマイルドな塩味です。他にも醤油味の「紅焼獅子頭」や、蟹ミソを使った「蟹粉獅子頭」などのバリエーションがあります。


蟹粉豆腐
「蟹粉」が名前につくメニューは、だいたいどれも日本人に人気。中でも蟹ミソ豆腐は、日本人のお客さんは必ず注文するというお店もあるくらいです。炒めた青菜に蟹ミソあんがかかった「蟹粉○○菜(○○は青菜の名前)」もあります。


生煎
「焼ショーロンポー」の名で知られる、上海の代表的なおやつ。小籠包よりも皮がふわふわで厚く、底の部分に焼き目がついています。噛むとあふれ出す肉汁は、アツアツなのでヤケドに注意!お好みで黒酢をつけて召し上がれ。


葱油拌麺
焦がしネギが香ばしい、葱油和えそば。器の底にたまっているタレをよくかき混ぜて食べましょう。食堂などではスープがついてくることが多いです。


上海粗麺
屋台メシとしても定番の「上海風焼そば」は、中太麺を醤油で味付けしたもの。麺にはモチっとコシがあり、ちょっと油多めの醤油味がなんともワイルドで大陸的。


酒醸小圓子
甘酒を薄くしたようなスープに小粒の白玉団子が入った、やさしい甘みの温かいデザート。キンモクセイの花(桂花)を加えた香りのよいものもあります。

<湖南地方の代表的な料理>


東坡肉(杭州)
日本でも有名なトンポーロウ。北宋時代の詩人・蘇東坡にちなんで名づけられた杭州名物料理です。上海の「紅焼肉」と似た味付けで、こちらも醤油と砂糖がベース。レストランでは、東坡肉は大きめの塊ひとつが器に盛られて出てくることが多いです。


叫化鶏(杭州)
別名「こじき鶏」、鶏肉を丸ごとハスの葉で包み、その上から粘土で固めて蒸し焼きにした料理です。レストランではシェフが肉を取り出すパフォーマンスを見せてくれます。蓮の葉の香りがほんのり漂い、淡白であっさりした味わい。


清炒蝦仁(蘇州、杭州)
小さな川エビを塩で炒めた料理。上海料理レストランのメニューでもよく見かけます。杭州特産の緑茶「龍井茶」の茶葉を加えて炒めた「龍井蝦仁」も有名。


松鼠桂魚(蘇州)
淡水魚の甘酢あんかけ。尻尾を残して背骨を取り除き、皮をクルリと外側に巻いたら、剥き出た白身にサイノメの切り目を入れ、こんがりと揚げます。揚げたてに甘酢あんをかけるとリス(松鼠)の鳴き声のような音をたてるから、というのが料理名の由来。


【17】蒓菜湯(蘇州)
蘇州特産の「じゅん菜」をふんだんに使った鶏ダシのスープ。鶏肉が入ったものもあります。日本人好みのあっさりした味わいです。


【18】白斬鶏
湖南地方一帯でよく食べられる蒸し鶏料理で、「白切鶏」とも呼ばれています。蒸すことで余分な脂が落ちてさっぱりした味わい。シンプルな調理法なので鶏肉の質とタレが勝負です。中国の甘い醤油「老抽」をベースにしたタレの調合は、お店の秘伝であることも。


【19】酔鶏(紹興)
茹でるか蒸すかして火を通した鶏肉を、紹興酒や香辛料に漬けこんだ前菜。しっとりとした鶏肉はとても柔らかく、紹興酒のまろやかな香りがたまりません。上海料理のお店でも食べられます。


油炸臭豆腐(紹興)
発酵させた豆腐を揚げた、おやつ感覚のメニュー。臭豆腐は中華圏ならあちこちで食べられますが、発祥の地は紹興。揚げている時に独特のにおいが周囲に広がりますが、口に入れると不思議とそれほど臭くはなく、日本の揚げ豆腐のような食感です。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-07-22

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