太極拳・金氏世界紀録(ギネスブック)に挑戦!体験レポート

2003年11月23日(日)、いよいよ「台湾の太極拳ギネスブック世界記録に挑戦」本番の日がやってきました。滅多にないこの大イベントの模様をマキがレポートします!

こんにちは、台北ナビでレポーターをしているマキです。2003年11月23日(日)、いよいよ「台湾の太極拳ギネスブック世界記録に挑戦」本番の日がやってきました。台北市内の観光スポットNo.1の中正紀念堂で行われる歴史的瞬間(?)に、自ら参加してまいりました。滅多にないこの大イベントの模様をレポートします!

台湾の大挑戦:午後3時に総勢14,603人で32分間の簡易十三式太極拳を開始!

今年2003年春にSARSが大流行し、当初5月10日に予定していた、このイベントは延期が決定。そのとき正直言って、一万人以上が集まるイベントは、もう台湾では無理ではないかと、半分あきらめてもいたんだけど、遂に今日、めでたくその本番を迎えることができました。台湾国内外から集まった総勢14,603人の目標はただ一つ、「打破金氏世界紀録!」。今までのギネスブック公式世界記録は、2001年12月2日香港での10,425人30分太極拳でした。そして、ギネスブックに正式申請されていませんでしたが、今年9月28日に中国の万里の長城にて行われた11,000人太極拳のニュースも記憶に新しいと思います。本来、台湾で参加者を募り受付けた時点では16,000人以上の申し込みがありましたが、約10%が欠席という結果になってしまいました。この率は、台湾にしては上出来と考えるべき?!

日本人も外国人登録をして、一番前で太極拳しちゃいました!

海外は、日本、シンガポール、ネパール、アメリカ、カナダ、南アフリカ、ドイツ、一体どうやって情報を得て申し込んだのかとっても不思議なのですが、ノルウェーからも参加。ネットワークというものはすごいなぁとただただ感心。
日本人は、マキも所属する台北在住日本人グループ「圓華会」から37名が参加。会長の坂井美恵さんは、このイベントの記念郵便切手に載るほどのすばらしい太極拳と心身共々の美しさで、会員みんなからとっても慕われていて、他にも太極拳国際連盟総会の委員として活躍されています。当初5月に予定されていたこともあり、簡易十三式太極拳の練習は今年1月から始めていました。実は、半年延びたおかげで、動作と順序を覚える時間ができ、個人的には助かった~という感じでした。
また、「圓華会」の他に、台湾にぜひ一番なってほしいとわざわざ日本の京都から来台してくれた、栗崎佳子さん率いる「拳武会」16名が外国人として参加しました。普段は太極拳というよりももっと激しい散打というファイティング武道をしているグループで、台湾との交流は10年以上にもなるそうです。(台湾の応援ありがとう!お疲れ様でした)
そして、圓華会と拳武会合わせて53人以外にも、外国人としてではなく、台湾の各地域別で登録をして参加した日本人は、まだまだ大勢おりました。
今回このイベントで海外から人が来ていることもあり「2003年太極拳国際学術研討会」も開かれました。翌日、ギネス挑戦の大行事で皆とっても疲れのところ、早朝から70名以上もの参加者があり、太極拳の教授法・台湾太極拳の歴史・太極拳動作の分析などについての論文発表に熱心に耳を傾けていました。

最年少6歳~最年長85歳

本番前にスピーチやリハーサルなどがありましたが、それでもずいぶん待たされました。でも、その間もボーッとしていたわけではなく、働かせてもらいましたよ、編集長!今回のイベント参加者のうちの、最年長85歳は中華民国太極拳総会常務理事と最年少は台北市に住む6歳の小学生が、ステージ前で一緒に太極拳を披露してくれました。公視、民視、東森電視、TVBSなどのテレビ局もこぞってインタビューしていたので、ナビも便乗。ちなみに日本人の最年少は、先に紹介した圓華会メンバー2人の8歳のお子さま、馬場眞琴ちゃんと徳永哲也くんでした。(よくがんばって覚えたねー、えらいっ!ママ、教えるときスパルタで怖かったんでしょ?!)
最年少と最年長の人の写真。 最年少と最年長の人の写真。

最年少と最年長の人の写真。

会場の様子

中正紀念本堂とその前面左右にある国家音楽廳と国家戲劇院の間の大広場に、一人一人の配置番号がふられたシールが張られていました。
出店テントが並び、お馴染み台湾の小吃や酸梅汁、太極拳にちなんだグッズ(本、記念切手、DVD、シューズ、Tシャツ、ジャケット等)が売られていました。
仮設トイレや救急応急処置テントも設置され、警察や救急車も待機していました。
高雄や台中などからの参加者の観光バスで、中正紀念堂まわりの道路は埋め尽くされていました。
服装は、ギネス挑戦用に作ったオリジナルポロシャツ・黒いパンツ・白靴下・白靴。上のポロシャツは、地域ごとに色違いの襟とロゴになっていて、紺(台北市)、赤、黄、緑、ピンク等がありました。

ギネスブック記録挑戦中の考え事?

簡易十三式の一連の動作を4回繰り返し、32分間太極拳をしました。普段の練習のときは、はっきり言って「4回も同じことするの疲れるぅ、あぁ早く終わらないかなぁ」などと思ってやっていました。(本来、太極拳中は考え事をせず、無になるべきなのですが、、、)本番、十三式の初めの2回は、やはり緊張とすぐ近くにカメラが回っていたため意識してしまったりで、余計な気が散っていました。でも、後半3回目に入ると、太極拳を始めてからこの一年の回想がなぜか頭の中を駆け巡り(特技の空想も入って)、一時はもう実現しないのではと思ったけど、こうして今日14,000人以上が国内外から集まって、同じ時間に、同じ場所で、同じ一つの目標に向かっているという幸福感でいっぱいに!ここにいる人たち一人一人のこの一年さらには太極拳を始めてからの年月はそれぞれ違う様々な事があったはず。だけど今のたった32分間のために、それぞれの場所で練習を重ねていたんだと考えると、なんだか目がウルウルしてきました。「健康でいられるから太極拳ができ、太極拳がさらに体を健康にしてくれる。そして、肉体面はもちろん、精神面にはもっと良い影響をもたらしてくれる。」ギネスブック委員、太極拳総会の方々のスピーチで印象に残ったのが「健康、平安、喜楽」と繰り返していたこと。当たり前のことだけど、何度も何度も繰り返して、自分たちを自分たちで元気づけていく。太極拳も同様、同じ動作を日々繰り返し練習して、健康な身体と平安な心を保つ。これからもずっと、いつでも、どこでも、何もなくてもできる、太極拳を楽しんで続けていきたいと思いました。今回、大陸の持っていた記録を破ったこともあってか、「太極拳GO!GO! 台湾GO!GO!、太極拳GO!GO! 台湾GO!GO!」で台湾の金氏世界記録への挑戦は、無事成功し幕を閉じました。

黄金色の大きな金メダル?!

その週はずっと天気が悪く、予報では曇り一時雨、降水量確率30%だったので、指定されていた黄色いビニール雨衣を用意していましたが、当日は奇跡的に予報よりはるかに良い天気になりました。最後に記念撮影をして解散する頃には、いつの間にか西の空にきれいな夕日が現れ、中正紀念堂の東側にある国家音楽廳の大きな大きな屋根に黄金色に映り輝いて、まるでがんばったご褒美に金メダルをくれたようでした。
そうしてふぅと気づくと、凧揚げをする親子やウェディング写真の撮影とまたいつもの中正紀念堂広場に戻っていました。たった30分前まで、ここにギッシリ詰まっていた人たちもまたそれぞれの生活に戻っていき、そしてまたいつか、この台湾の記録も破られてしまう日が来るかもしれないけど、今日の日のことは、一人一人の思い出の記憶の中に永遠でありますように。

ギネスブック記録達成を振り返って

やっぱり中正紀念堂前で1万4千人あまりがいっせいに同じ振りの太極拳をやったのは印象深かった~。私的には、台湾での一番の思い出になるかもと言うくらい充実感があって、きっと今晩と明日はこのニュースで持ちきりね!と思っていたのに、ニュースの最後の方でほんの30秒くらい流れたけだけとはどういうこと?これって日本でみかける「今日どこどこで世界一なが~い太巻きでギネスを達成しました」レベルのニュースだったのかしら・・・
しっかし、さすがに30分以上も太極拳をすると、足が棒状態になってしまい、膝が痛ったたたぁ。。。まだまだ練習が足りんっ!
「以柔克剛 至柔太極」。 「以柔克剛 至柔太極」。

「以柔克剛 至柔太極」。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-07-14

ページTOPへ▲

その他の記事を見る