台湾の占い、その1-「測字」占い

頭に浮かんだ1文字で運命を測る「測字」。こんな珍しい占いをコミュニティカレッジに発見、その老師を訪ねてみました。

こんにちは、台北ナビです。台湾の人は習い事好きで、近年盛んになってきたコミュニティカレッジにはおもしろいコースがいっぱいなんです。今回見つけた「測字」もその一つ。中国4000年の歴史とその文字から生まれたこの占い、中国語勉強中のナビは興味シンシンで行ってきました。

◆ 文山社区大学に潜入

社区大学が入っている地政大楼ビル

社区大学が入っている地政大楼ビル

エレベーター横の案内板

エレベーター横の案内板

ナビの地元台中市には現在6つの社区大学(コミュニティカレッジ)があります。その中のひとつ、文山社区大学は市内4ヶ所に教室があり、年間5~6千人が受講しています。今回訪れたのはビルの7階にある教室。廊下の奥の教室では電子琴(キーボード)の練習をしていたり、向かいの教室では公仔(人物フィギュア)製作の授業をやってたりと、なんか楽しそう。
教務室には作品が展示

教務室には作品が展示

屋外活動などコースもさまざま

屋外活動などコースもさまざま

中国刺繍。こ、こまかい・・・

中国刺繍。こ、こまかい・・・

市政府から優秀賞の盾

市政府から優秀賞の盾

事前にネットで調べていたのですが、行ってみると、今学期は人数の関係で「測字」は開講してないとのこと。が~ん!ショックを受けるナビ。でも教務室の梁さんが、その老師は今学期、別の占いを教えているので、まず会ってみたら?と紹介してくれることに。

◆ 人相手相学も教える劉老師





教務室の梁さん、林さん、そして劉老師
授業の前に教務室にあらわれた劉漢鈺老師。70歳を越してらっしゃるそうで、やさしいお爺さんって感じです。授業見学をしたいというと快く承諾してくれました。社区大学の授業は1週間に1回、全部で16週というカリキュラム。費用はコースによって無料~3000元とか。

劉老師の今日の授業は手相学。さまざまな線についての細かい説明に、ナビも思わず引き込まれて自分の手相とにらめっこ。ふ~ん、これが結婚線で、年代まで分かるの~?ほぉ~。
老師の説明はおもしろく、受講生もいろいろ質問したりして、とってもいい雰囲気です。
生活にいかせる手相学って感じです

生活にいかせる手相学って感じです

この日の受講者は女性ばかり

この日の受講者は女性ばかり





ドキッとする解説に思わず自分の手をみちゃう生徒さん

◆ 「測字」っていったいどんな占い?


今回の目的だった測字ですが、以前、台湾のテレビでこの占いを見たことのあるナビ、ずっと不思議に思ってました。視聴者が番組に電話してきて、「感情問題について、字は『松』の字。」なんて言うだけで、その占いの先生はすらすら答えるんです。人相手相のようにはっきり証拠があるわけでもなく、どうやって占えるのかな? もしヘンな字が浮かんじゃったらどうするんだろ~?なんて。
こんな字が浮かんでも占えるんでしょうか? こんな字が浮かんでも占えるんでしょうか?

こんな字が浮かんでも占えるんでしょうか?

そこで授業の合間に、劉老師に質問。測字は中華系の人専用の占いですか?(ナビ) 「日本人でも同じだよ。漢字を使っているでしょう?」 なるほどー。でも漢字のない国の人は占えませんよね? 「英語でも占えるよ。アルファベットの排列で。」 え~!ますます頭が混乱してきたナビに、老師は 「じゃあ、一度ちゃんと見てあげるから、私の家に来なさい。」 いいんですか~? 「友達とかも連れていらっしゃい。」 これはますますラッキ~♪。劉老師のお宅を訪問する約束をしました。

◆ 劉老師のお宅で占ってもらう

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占い師としての看板は部屋の中に

さて後日。期待でワクワクのナビたちが劉老師のお宅のあるビル前に集合。お宅の中は普通の公団住宅の一室という感じです。でも部屋の隅々には水晶や佛器などが置かれ、風水も万全。この日は老師の乾女児(娘同様の人)の荘さんが台湾茶を入れてくれました。
80歳過ぎとは思えない若々しさ

80歳過ぎとは思えない若々しさ

お弟子さんでもある荘さん

お弟子さんでもある荘さん

◆ナビ1号は・・・「得」


ナビ1の頭に浮かんだのはこの字。仕事方面の将来について聞いてみました。老師はまず字の各部分について分析。この字は、「行人偏(ぎょうにんべん)」なので、二人以上の協力があって、事業がうまくいくという暗示とか。でも上の棒を短く書いたので、バランス的に「広報活動が足りない」ので、もっと、周囲の人の協力を得られるように努力すべきだと。次は旁(つくり)の上の「旦」。これは下の「一」の書き方が短かったので、「何か専業的な知識を身につけるといい。あなたの場合は、外国語が役立つだろう。」というアドバイス。ナビ1にとって、これはズバリちょっと休みがちだった中国語。頑張らねば~と再奮起です。最後の部分は「寸」。これは、一歩一歩、毎日の小さな努力の積み重ねが大事という暗示だそう。
干支(えと)と合わせて、総合的にナビ1の現在の仕事は大変性格に合っているので、そのまま続けていいが、専門知識のレベルアップを確実にして、周囲の人に協力してもらえるような振る舞いをすれば成功する、ということでした。レベルアップしなければだめだなあと思いながらも、重い腰をあげずに、そのまま惰性で仕事をしていたナビ1には、いい「活」を入れてもらえた感じです。



さらに老師はナビ1の手相を分析。家を持つ線が出ている(!)そうで、それも2軒( !! )。これはずいぶん昔、他の占いの先生にも同じ事を言われました。他にも健康面とか愛情運とかについて質問。やはり手相は、以前の占いとそれほど大きな見立ての違いはなく、大筋としてナビ1の人生は間違った方向に向かっているようではないので、ホッ。占いが全てではないけれど、時として、自分で方向性を見出せなくなる時には、客観的に見てもらうのもいいもんだなと実感。

◆ナビ2号は・・・「青」



ナビ2が書いたのはこの字。既婚のナビ2は子供を産むことについて、健康上や経済的なことや色々な事を考えた上で、年齢的な事を考えたらできるか分らないけど産んだ方がいいか・・・と言うことをききかったのですが、答えは「もうひとり女が生まれる」とのこと。ナビ2の書き方のせいですが、老師によると「青」の上の部分が離れてるので、女の子とか。もし男だったら主を意味するのでくっついているそうです。字の下の部分の「月」は陰を意味し、これも女性の象徴だそうです。それから「青は青草、雑草を意味していて、切らないと又出てこない。でもいくらでも生えてくるので、もの凄いお金持ちにはならないけど、食べる物には困らない。中等。」とのこと。
ナビ2の手相には宗教的なことが出てるそうで、思い当たることがあり、ちょっとドキッ。ただ言われたことの中には当たってないようなこともあり、ビミョーというところでしょうか。あと内助の功があるといわれたのは、嬉しかったです。

◆ 多芸多才の劉老師、人柄に惹かれました

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とっても優しい雰囲気の劉老師ですが、若い頃はずっと軍隊にいたそうです。老師の占いは易経や古い書物についての独自の研究と、部下の兵隊さんについて実際に占った50年の経験からだとか。国画や漫画(!)も趣味という老師は、占いの本以外にも漫画や物語の本も出版。訪問した当日にはナビたちのスケッチも描いてくれました。リタイヤ後の現在は、独学でパソコンをマスターしたり、コミュニティカレッジで教えたりと悠々自適の毎日。占いの依頼には自宅で占ったり、出向いて風水を見てあげることもあるそうです。
占いだけでなくいろんな才能もお持ちです

占いだけでなくいろんな才能もお持ちです

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測字は一言でいえば、あらゆる占いに精通した上で、中国文字に対する膨大な知識がなければできない占い。だから占い慣れしている台湾の人たちも、測字については、「玄」(とっても深い)と表現します。かなり具体的な将来のことについて聞くので、当たってるかどうか一目瞭然なのも事実。だから敢えてやる占い師さんは少ないのだとか。ナビたちの占いも遠からず結果が出そうです。当たらなかったら? まあ占いですから・・・ね。
さて、あなたの心に浮かぶのはどんな字? さて、あなたの心に浮かぶのはどんな字?

さて、あなたの心に浮かぶのはどんな字?

◆ 最後に老師から・・・「心」



飄々(ひょうひょう)としたところもある劉老師、最後に「心」という字を書きながら話してくれました。「左側の「ノ」は成長過程で身についた習性、右側の「丶」は親からもらった品性、真ん中の「丶」は人間本来が持っている慈悲や愛という天性なのだけれど、一本伸びた線がこれを鎖につないでカギをかけてしまっているんだよ。」 う~ん、分かったような、分からないような。やっぱり測字って老師の言われるように、心と霊の藝術なのかもしれません。
以上、まだまだ不思議に感じている台北ナビでした。
(注:占いは有料です。測字、手相、八字など種類によっても違うので、事前にお確かめください。)


関連タグ:測字一字占い占い師台湾の占い台中台湾

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記事登録日:2008-11-13

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