九份、東北角海岸ツアー

閉店・移転、情報の修正などの報告

投稿者:鯨丸通信社

口コミ掲示板[九イ分ツアー]嗚呼、僕は終にこの街に降り立ったのだ

2004-12-12
 ナビさんを通して予約を取り12月初旬参加しました。一行は、も
れ伝わってくる会話から医療従事者としれる日本人カップル、英語
圏の白人女性、きっと仕事が出来る一人旅の日本人女性、台湾修行
中の僕、流暢な英語使いのガイド氏、切れのよいドライバーの7名、
ピックアップに手間取り台北を抜けたのが2時になっていました。 
                              
 一同、基隆の街はずれをかすめ、砂岩と珊瑚に自然の演出と意匠
を加えた東海岸の奇岩を見学(雨が降り止まないこともあり、皆一
向に弾まない様子)後、一路山道を九イ分へ向かう。       
 僕たちを最初に迎え入れたのは「セブンイレブン」の見慣れたた
たずまいでした。跳梁ととるべきなのに、意味もなくほっとしてし
まう、資本は我々を捕らえて放さないのです。       
              
 下車後、高低や曲折を交互する基山街へ。利があらばどこまでも
「い集」する民族の経営する、無数の小販の迷宮の中へ分け入る。
 朱赤のぼんぼりに灯が点る、何と心誘われる街並みであろう。そ
のうえそぼ降る雨、薄暮で低温となれば人恋しくもなり、売り声に
誘われるままお店の出入りを繰り返す。            
 「ああ、僕はこの街にこそ来たかったのだ・・・」。何故かしらこの
街とは共生感があるのだ。 
                              
 僕たち一行に『非情城市』や「宮崎アニメ」の舞台として令名を
はせた、例の長い石段との交点を集合地として、30分の自由時間が
与えられる。僕は「阿妹茶酒館」に急ぎ下る。7〜8杯はでる凍頂
烏龍茶を2煎だけ喫し、あたふたと戻り、試食で気に入っていた
「蓮子」菓子を購入した後、集合場所に戻る。         
  
 と、ガイド氏「マイクロバスが待っているから」と、僕が下り上
ってきた階段を又下ると言う。あーあ。高々、映画が作り出した観
光地に過ぎないのに(という視点からみれば『冬ソナ』の春川?で
しかなかったのか、否)、おもえば30分という自由時間は、僕たち
に消化不良を促し「又来るぞ、今度は一人で、自力でくるぞ」と思
い決めさせるための演出でもあったのだろうか。  
                              
 帰路、台北の街はずれでお決まりのように市価の数割は高いみや
げ物屋へ、旅慣れているせいか誰一人わなにはまることもない。 
 ガイド氏、心なしか肩を落とし、力なく、我々皆をホテルにおく
りとどけることもなく途中で下車、一行渋滞をむかえた市内へ1時間
ほど遅れて戻る。 
                              
 このような旅でしたが、書き込むために反芻している今、又あの
地へいきたいという想いがこれほどまでに募って来るのは、僕が
思い出だけをなぞって生きているからでありましょうか、否、きっ
と件の映画がかの地の流転や明滅の歴史を「日本人なら、学ぼう、
学ぶべきだ、さらに学んでくれ」とわたしたちに問いかけ続けてい
るからでもありましょう。                  
 思い起こせば、かかる悲しい背景があり、某国に追随し隔たりを
とっている今ですら、変わらず僕たちを見限らない、彼の地の人々
を愛さずにはいられないではありませんか。 
訪問日:2004/12/12