映画『緑の牢獄』、3/27~桜坂劇場にて、4/3~東京・ポレポレ東中野ほか全国拡大上映

沖縄・八重山の台湾移民を描いたドキュメンタリー映画の第二弾!埋もれていた日台の歴史が掘り起こされています

台北ナビのサイト上でクラウンドンディングの告知と黄監督へのインタビューをしたことがある『緑の牢獄』。この度日本と台湾での上映が決定しました!
沖縄を拠点として活動する黄インイク監督が七年間の歳月を費やした渾身の一作『緑の牢獄』。本作は企画段階で既にベルリン国際映画祭、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭の企画部門に入選。前作『海の彼方』に続き、植民地時代の台湾から八重山諸島に移住した「越境者」たちとその現在を横断的に描く「狂山之海」シリーズの第二弾です。

秘境の島、忘却の炭鉱
越境者はなぜこの地にとどまったのか

『緑の牢獄』日本上映情報

3月27日(土)より桜坂劇場にて
4月3日(土)より東京・ポレポレ東中野ほか全国拡大上映

ほかの上映劇場情報https://green-jail.com/theater/から!

公式HP:https://green-jail.com/
Twitter:https://twitter.com/yaeyamaproject
Facebook:https://www.facebook.com/yaeyamaprojectJP

那覇・桜坂劇場
住所:沖縄県那覇市牧志3-6-10(旧桜坂シネコン琉映)
電話:(098)860-9555(劇場窓口)
ホームページ:https://sakura-zaka.com/

特典付!特別鑑賞券1,300円(税込)劇場窓口にて絶賛発売中!(いまなら 特典「まるで燃える石!?『石炭まん』」がついてきます!)

※台湾料理専門店「臺瓏(タイロン)」(那覇松尾国際通り店)にて、特別鑑賞券に付属する引換券で特典と交換できます※特典には数に限りがございます。

ポレポレ東中野
住所:東京都中野区東中野4丁目4−1
電話:(03)3371-0088
ホームページ:https://pole2.co.jp/
JR東中野駅西口改札北側出口より徒歩1分
地下鉄大江戸線東中野駅 A1出口より徒歩1分
全席指定・オンライン予約可

◎舞台挨拶 (敬称略)
4/3(土・初日)-黄インイク、中谷駿吾
4/4(日)-黄インイク、中谷駿吾
4/5(月)-黄インイク、中谷駿吾
4/6(火)-中谷駿吾、菅谷聡

来場者にもれなく 特製オリジナルステッカー プレゼント!
(※なくなり次第終了)

劇場にて 書籍「緑の牢獄」と 映画パンフレットを同時にお買い上げの方に
もれなくオリジナルトートバッグ(台湾製) プレゼント!
(※なくなり次第終了)

あらすじ

熱帯林に囲まれ「秘境」と呼ばれる西表島。島には人知れず眠る巨大な「炭鉱」があった。廃坑を無秩序に覆う緑、そこを住処とするイノシシの群れ、そして廃坑を見つめる90歳の老女ーー橋間良子。10歳で父に台湾から連れられ、人生のほとんどをこの島で過ごした彼女は、たった一人で誰もいない家を守る。

眠れない夜には、島を出て音信不通となった子ども、炭鉱の暗い過去、父への問いかけーー忘れたくても捨てられない記憶たちが彼女を襲う。

希望、怒り、不安、そして後悔ーー彼女が人生最期に放つ静かな輝きが、この一作に凝縮される。

映画へのコメントも続々到着!

何もない空間に、確かにある気配を映し撮る撮影者の息遣い
それは、過去や未来の時空を超えて、永遠となる。

河瀨直美(映画監督)

『緑の牢獄』を観終わってただちに思い出されたのは、溝口健二『山椒大夫』の結末部であった。歴史から追放され、置き去りにされた人たちが、歴史の証人となる。恐るべき緑のなかの、貴重な静寂である。
四方田犬彦(映画誌・比較文学研究家)


鬱蒼と茂る森林、果てしなく広がる海原。陽射しが燦々と照りつける美しい秘境に隠されているのは、極東の島々に連なる暗い歴史。最後の証言者が世を去った後、それを記憶し、語り継ぐのはきっと、芸術の使命だと思う。
李琴峰(作家・翻訳家)


この映画は、過酷な土地の記憶を刻んだ記録であると同時に、「故郷」から切り離された人々の物語でもある
安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
那個地方,說它叫綠色的牢籠,其實那是一個很美的環境,可是在那邊是有挖礦,怎麽講,很美的環境裡面,很不好的工作環境在那邊工作。不但身體被囚禁了,到最後連靈魂都被囚禁。

その場所は、「緑の牢獄」と呼ばれた。あまりにも美しい森だが、過酷な作業環境で石炭を掘り、彼らの姿はいかにも哀れであった。そして肉体だけではなく、魂さえも囚われた。

ウェイ・ダーシェン 魏德聖(映画監督)

西表に生きた台湾の同胞たち。石炭が光り輝いた時代に生きた彼らは、時代に取り残されたかもしれないが、「台湾」は確かに島に存在した。橋間おばあは、その生き証人。この貴重な記録映像は彼女の魂の声であり、見る者の心に、静かに、重く響き渡る。
一青妙(作家・役者)

うつくしい海と、鬱蒼と繁る緑深い森。そのもとで、残酷なまでに剥き出しに照らし出される孤独。 沖縄や台湾の温かさ。母性に満ちた老女。家族や隣人との絆。国境を越える愛……そういうものを期待する人々を痛快に裏切る、強烈にうつくしい映画だった。
温又柔(作家)

小説『波の上のキネマ』で掘り起こした近代史の「闇」に、新たな光が当てられた。『緑の牢獄』。なんと美しくも残酷なタイトルだろうか。「闇」の存在すら忘れ去られようとしている今こそ、我々の目に届くこの「光」は貴重なものだ。              
増山実(小説家)

アンスティチュ・フランセ東京にて映画『緑の牢獄』完成披露試写会ならびに特別対談が行われました!

上映後の特別対談には本作の黄インイク監督、昨年出版した『なぜ台湾は新型コロナウィルスを防げたのか』が話題になったことも記憶に新しいジャーナリストの野嶋剛氏、伝説のドキュメンタリー制作集団・NDUの井上修氏の3名が登壇し、本作の魅力と制作秘話を熱く語りました。
長年中華圏と東アジア国際関係を取材している野嶋さん的ポイント

「西表島に炭鉱があったことは恥ずかしながら私も知りませんでした。このテーマを見つけてきた時点で既にニュース性があります。地上の楽園といま思われている西表島にこんな過去があるという点でも意外性があり、作品の価値を高めています」

「沖縄というテーマは日本と台湾という形で捉えることもできますが、八重山というのはさらにその沖縄と台湾の狭間、西表というのは八重山と台湾の狭間の中の狭間にある形で、重層的に問題が見えてくる場所でもあります。そこに光を当てた作品を完成させた黄監督に敬意を表したいと思います」
伝説のドキュメンタリー制作集団・NDUの井上修さんも感慨深い!

「びっくりしたんですよ。50年前作ったものが、こうして若い人の作品で大切に使ってもらえて。(主人公の養父の映像を)見つけただけで、作品がうまくいく証ですよね。ドキュメンタリーにはそういう念力みたいなもんがあるんですよ」
※本作では主人公の橋間おばあの養父に当たる楊添福さんの映像が使用されています。ドキュメンタリー集団・NDU(日本ドキュメンタリストユニオン)が1970年代に復帰前後の沖縄を記録した名作『アジアはひとつ』の中に、収められた映像と肉声です。黄監督は数年前から元NDUメンバーの井上氏と交流し、50年の歳月を超えて、西表の台湾移民そして日本ドキュメンタリー史の鉱脈を受け継ぎました。
黄監督からのメッセージ

「最初おばあと会ったのは2014年の頭でした。私が台湾語で話しかけると、やっぱり孤独なところがあったからかとても喜んでくれて、深いところまでインタビューで話してくれるようになりました」

「最初は八重山の台湾人という、あまり知られていない謎の多いグループへの好奇心が根本にはありました。そこからどんどん移民や歴史という大きな枠組みから家族や個人への興味が強くなっていきました」

この作品を見た方の感想

7年の歳月を費やした今作は、主人公の橋間良子の88歳から92歳までの晩年を映し出しています。

試写会に参加した観客から

「おばあの数奇な人生の境遇についてとても考えさせられた」
「残酷ながらも映像の美しさが印象的だった」
「シリアスな語りの中に現れるルイスの存在がとてもユーモラスだった」

などの声があがりました!

スタッフ等

監督・プロデューサー:黄インイク
共同プロデューサー:山上徹二郎、Annie Ohayon Dekel、Farid Rezkallah
撮影:中谷駿吾
音楽:Thomas Foguenne
編集:Valérie Pico、何孟學、黄インイク
音響効果:周震、李佳蓉、康銪倫
カラーグレーディング:Michel Esquirol
製作:ムーリンプロダクション、木林電影
共同製作:シグロ、24 images
配給:ムーリンプロダクション、シグロ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会、國家文化藝術基金會、Region PAYS DE LA LOIRE
後援:石垣市、竹富町教育委員会、台北駐日経済文化代表処那覇分処、台湾文化センター、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、沖縄タイムス社、琉球新報社、琉球華僑総会、八重山台湾親善交流協会、那覇日台親善協会

2021年|日本・台湾・フランス|日本語・台湾語|2K|カラー|101分|5.1ch|英語題:Green Jail/中国語題:綠色牢籠
© 2021 Moolin Films, Ltd. & Moolin Production, Co., Ltd.

画像提供:ムーリンプロダクション

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2021-03-30

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