国外運転免許証 様
>加盟国ではない。でも、国際運転免許証がある・・・。
>何か矛盾しているようにも思えるのですが。
3種類の国際運転免許証(International Driving Permit)が世界
には存在すると想定されれば、ご理解しやすいのでは?
あるいは、これらは唯の[国内運転免許証の翻訳書類]であると想定
されてはいかが。
?ジュネーブ条約・附属書10で規定された様式のもの
?ウィーン条約・附属書7で規定された様式のもの
?それ以外の二国間協定で採用されたもの
※ウィーン条約の2006年3月改正では、国際運転免許証は単独では有効な
書類とは認められなくなりました。将来的には加盟国間ではそれぞれの
国内運転免許証のみで相互に運転できるようにして、国際運転免許証は
廃止する方向に進むようです。まあウィーン条約は、陸続きでアルファ
ベット採用のEU加盟国が主要構成国ですからね。
>両国間の協議で、運転ができる国もある。これは存じていますが、
>でもこれは、あくまでどちらかの条約に加盟していることが前提とか。
交通条約に署名し批准している場合には、同様に批准している国・地域で
発行された免許証を承認する義務が生じますが、逆に非加盟国の免許証を
認めてはならない訳では無いでしょう。
正式な外交関係が成立しているか否かにかかわらず、また条約の加盟関係に
かかわらず、二国間で経済交流が盛んな場合には、両国間の交渉によって
さまざまな政府間協定が締結されたり、運用が変更されていくわけです。
台湾の方には、日本へのVISA無し渡航が認められているのに、中国の人には
VISA取得が求められるし審査も厳しい点などが一例ですね。
なお、日本での運転ですが、現在は原則として?のジュネーブ条約様式
にて加盟国が発行したものしか国際運転免許証として認めていません。
例外は「ウィーン条約のみ加盟のドイツ・スイス」「両条約に加盟している
が?様式のものしか発行していないフランス」の三カ国。二国間協定
で「国内運転免許証+記載事項翻訳証明(日本ではJAFが発行)にて運転
できる」とされています。
協議中の日本−台湾・二国間協定がまとまれば、?の様式のものを日本が
認める初めてのケースになります。
>台湾人が所有する国際免許証は???
実物は見たことがありません。
どの国・地域で通用するか、付帯条件などについては下記を参照。
行政院交通部公路総局「外國對我國國際駕駛執照承認情形一覽表」
http://www.thb.gov.tw/hw/country.htm
(あっ、こちらの方がわかりやすいかも)
http://www.travelonline.com.tw/seeworld/tranote/data/drive/drive
_all.htm
>1968年にウィーンで作成された道路交通に関する条約は、
>1971年の前だから、有効??
1971年は中華人民共和国が国連に加盟した年です。
台湾(中華民国)はこれに伴って国家としての代表権を否定され
国連、国連関係組織、関連する条約から追放されるのを待たずに
脱退しました。従って現在はジュネーブ・ウィーン両条約とも
非加盟です。
なお、台湾はジュネーブ条約を1957年に批准、ウィーン条約は
1968年に署名(未批准)していました。今の中国はこの適用を
引き継ぐことを承諾しませんでしたので、この国も非加盟扱い
です。ただし、香港とマカオの両特別行政区については、返還
時に旧宗主国が批准していたジュネーブ条約を中国は引き継ぎ
ましたので、日本人は国外運転免許証での運転が可能です。
そして、台湾の方も香港では運転可能。マカオでは条件付き
可能です。
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