国際免許証・交通に関するジュネーブ条約
との関連は、台湾の国際社会での地位の変遷を
如実に示すものなんです。
1957年、中華民国(この頃は「中国」と同義語でしたが)は
ジュネーブ条約に加入。しかし1971年、中華人民共和国の国連
加盟後に代表権を否定されました。
このため、現在も日本で発行された国際免許証では、台湾では
運転できないのであり、自動車保険も適用されません。
この点を踏まえると、お読みになったガイドブックの「台湾は国連
に加盟していないので・・・」という解説は、間違ってはいますが
ニュアンスとしては、当たらずとも遠からず、というところです。
でも、なんでダメなの?という点については、やはり正しくは
「日本と同じジュネーブ条約加入国ではないからダメ」ということ
ですね。
裏返せば、おっしゃる通り「台湾」が国連加盟承認されれば
ジュネーブ条約(もうひとつ交通に関してはウィーン条約も
ありますが)にも加入できるようになり、日本の国際免許証も
有効になるでしょう。
余談になりますが、この交通に関する条約が、いわゆる戦争に
関するジュネーブ条約と同じ年・1949年にできたのは
国際免許が元々は、戦争による負傷者の運搬のために第三国を
通る際の便宜を計るためのものだったことによっている、との
ことです。いわば赤十字と兄弟の崇高な考え方ですね。
観光旅行者の便宜のために出来た制度じゃあ、ないんですよ。
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