台湾の秋の風物詩ともなっている「池上秋收稻穗藝術節」。1か月前、大きな地震が発生したので、開催がどうなるのか心配していましたが、無事に開催されました!台鉄「玉里」~「富里」間はまだ不通だし、チケットキャンセルもあるのでは?という推測は杞憂に終わり、1枚のキャンセルもなかったのだとか!
「池上にようこそ」「おかえりなさい」と元気よく挨拶し、それぞれの仕事をてきぱきとこなす若者をみていると、池上の未来は明るいなと毎年思わされます。毎年、ステージの内容も素晴らしいんですが、それ以上に池上の人々のひたむきな姿に心を打たれます!
今年のトップバッターはパイワン族の「Matzka」!「Matzka」の名前で活躍していたバンド時代からナビは「Matzka」の作り出す音楽が大好きなので、始まる前からかなり期待していました!(今は「Matzka瑪斯卡」の名前を使用し個人で活躍されています)
曲の最後に「儘管道路崎嶇,池上永遠是你心的方向(どんなに険しい道のりだとしても、池上はあなたの心の行方です)」とのメッセージを送り、どんな人も池上に帰ってきてね!というのをアピールしていましたよ~!そんなん言われたら、毎年帰ってきちゃうよ~!
そのほか『回到原點』『V-ao V-ao Ni 娃娃泥』を歌い、「Matzka」のパートは終了。やっぱり屋外で聞く「Matzka」の歌は最高!と気分爽快になったナビですが、「Matzka」はこの日の夜、桃園で開催されるイベントにも参加するそうで、大忙し!
実はこのステージの前に行われた記者会見の後に、「Matzka」にインタビューができたのですが、台北ナビの読者にメッセージをくれています!少し怖そうな見た目ですが、ユーモア満点でかわいいんですよ~!
真っ白な衣装で登場したのは「周蕙」。先日開催された「金鐘獎」では素晴らしいステージを披露して、大絶賛を受けていたのですが、ドラマ部門の「金鐘獎」の司会を担当した「曾寶儀」が「池上秋收稻穗藝術節」の司会なので、久しぶりに会えて何だか嬉しそう!
池上の風は想像以上に強くて、体中の力を使って声を出さないと風に負けてしまうそうなのですが、聞いているこちらはそんな苦労を感じないほど、透き通った甘い声が、会場に響き渡ります。
ここで、自身の楽曲『寂寞城市』『好想好好愛你』『約定』をメドレーで歌ってくれたのですが、どれも聞いたことがある~~~!!そして、気持ちよさそうに歌う姿を見ていると、こちらまで笑顔になってしまうから不思議です。
デビューから23年間、山あり谷ありの人生でしたが、池上の人々が好きな人しか舞台に立てないという「池上秋收稻穗藝術節」に参加できて、今までのつらさが報われた気がすると語り、最後はそんな人生にファンの人々がいてくれたから今の私があるという思いを込めて、張學友の『一路上有你』を歌ってくれました。感謝の思いを歌う曲を聞くと心がじぃ~んとしてきました!
そして、トリを務めるのは「周華健」!日本ではエミール・チョウという名前が有名ですが、最近はワーキン・チョウという名前を使用されています。会場は待ってました~!とばかりに、登場するだけで大盛り上がり。「2022池上秋收稻穗藝術節」のサブタイトルにもなっている『心的方向』で観客はヒートアップ!
ただ、この日はずっと強風が吹き荒れていたのですが、「周華健」が登場するなり、風の勢いが増してしまって……。マイクを手で押さえて風の抵抗を少しでも少なくしないと、声が風にかき消されてしまうほどだったんです。
『有沒有一首歌會讓你想起我』の後からはギターをかき鳴らしながら『張三的歌』『風雨無阻』『少年』と人気曲を立て続けに歌っていきます。その間に池上は台湾一の米どころであることから、「池上好美(池上は美しい)」を「池上好米」と言って、おやじギャグを飛ばし、盛り上げ方を知っているなぁ~という感じ。
そして、「周華健」といえば、歌詞をよく忘れることで有名なのですが、この日はほぼ完ぺき!その秘密も教えてくれました。実は3ヵ所に歌詞を表示するスクリーンを用意していたのだとか。歌詞を見ていたなんて全然気づかなかった~!歌詞をちらっと見る技がすごすぎます。
『すべての人の心に花を(花)』のカバー曲『花心』など、『愛相隨』『其實不想走』『朋友』と代表曲を歌っていき、最後に『這城市有愛』を歌いフィニッシュ!『這城市有愛』の歌詞には「陽光大地鋪成了一條金黃色的大道(太陽が照らされた大地には黄金に光輝く一本の道が作られる)」と池上を思わせるような歌詞もあることからこの曲をトリに選んだそう。『這城市有愛』の途中に雨が降り出しても、最後まで歌い上げた「周華健」はもうさすがとしか言いようがありません!