【祝】大阪アジアン映画祭・オーサカAsiaスター★アワード受賞
実力派俳優ロイ・チウ インタビュー

映画界に貢献し、今後の更なる活躍が期待される実力派俳優に直撃!

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こんにちは、台北ナビです。

3月8日〜17日に大阪で開催された<第14回大阪アジアン映画祭>。平成最後の今回も、日本を含むアジア映画の最新作を多数上映。数々のゲスト陣が華を添え、大盛況のうちに幕を閉じました。

なかでも目玉のひとつとなったのは、台湾映画『先に愛した人(原題:誰先愛上他的)』の上映と主演俳優ロイ・チウ(邱澤)の来阪!ロイ・チウが、アジア映画界に貢献し、今後のさらなる活躍が期待されるスター性のある映画人に授与される【オーサカ Asia スター★アワード】にも選ばれました。おめでとうございました!
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ロイの人生を変えた?『先に愛した人』をスクリーンで、そしてロイも見られて感激!

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【オーサカ Asia スター★アワード】の受賞式&トークショーをはじめ、『先に愛した人』の上映では観客からの質問に答え、特集企画《台湾:電影ルネッサンス2019》を記念した「TAIWAN NIGHT」のセレモニーにも参加したロイ。ロイが登壇するとあって、これらのチケットは即ソールドアウトとなりました。

映画『先に愛した人』は、ゲイであることを明かした後に病死した夫の恋人であり保険金の受取人になっている若い男と、その事実に激怒する妻。そして、その2人の間で戸惑う思春期の息子。同性愛、夫婦愛、親子愛とそれぞれの愛が紡がれる人間模様を、台湾らしい鮮やかな映像美で描いた感動作。大ヒットTVドラマ『イタズラな恋愛白書(我可能不會愛你)』をはじめ、『台北ラブ・ストーリー(罪美麗)』『僕らのメヌエット(妹妹)』『年下のオトコ(我的男孩)』などの人気作を生み出す名脚本家シュー・ユーティン(徐誉庭)が初メガホンをとりました。
先に愛した人(Dear EX /誰先愛上他的)

先に愛した人(Dear EX /誰先愛上他的)

見た目はチンピラ風で荒っぽいけれど、繊細な内面を持つ小劇団の演出家兼役者で、同性を愛する主人公のジエ(阿傑)を演じたロイは、これまでのアイドルドラマでは見ることのなかった姿を見せ、本作で新境地を拓きました。この演技が認められ、第21回台北電影節の主演男優賞を受賞。さらに、第55回金馬奨の主演男優賞では、ほかのノミネート者が中国の俳優ばかりのなか、唯一台湾の俳優としてノミネートされました。『先に愛した人』は日本ではすでにNetflix(ネットフリックス)で配信されていましたが、大阪アジアン映画祭では、みんなと一緒にスクリーンで鑑賞できる貴重でありがたい機会となりました。それだけでもうれしいのに、まさかロイ・チウ本人にも会えるなんて!!

『先に愛した人』で新境地を開拓したロイにインタビュー!

さて、長くなりましたが、ナビもロイに直撃! このインタビューでは『先に愛した人』についてのみお話してくださるということで、映画のことをたっぷりお聞きしました。

完成本編を見た時は自然に涙がこぼれました

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Q:『先に愛した人』は初めて見るロイさんの姿ばかりで驚きましたし演技も素晴らしく、とても感動しました。撮影したけれどカットされたシーンもあったそうでしたが、完成した本編を最初にご覧になったときはどう思いましたか?

A:自分自身もとても感動しました。本当のファイナルカット版を劇場で見たんです。そのときは、シェ(シェ・インシュエン/謝盈萱)さんと席が隣で、シェさんも涙を拭きながら見ていて、目を押さえているのがわかったし、自分自身ももう涙が流れてくるし……という状況でしたね。

Q:この映画をご覧になった普段のロイさんをよくご存知の方たちからは、どのような感想を言われましたか?

A:とってもよかったよ、と言ってくれました。みんな、いままでとはちょっと違うね、と。

Q:ロイさんご自身はいつももの静かで優しいイメージですが、劇中では大きな声で怒鳴るような口調のセリフも多かったですが、いかがでしたか?

A:だいたいそういうときの相手役はシェさんでした。シェさんとのやりとりは、とてもリズムが合っていつもうまくいきました。
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シュー監督を信頼して、安心して役を演じられました!

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 Q:ロイさんが演じたジエは、ゲイということに関係なく、複雑なキャラクターだと思いますが、どのように役にアプローチしていきましたか?

A:脚本を読んだときは、ジエという人物は、たくさんのバックグランウンドやストーリーを持っているみたいですけど、そういうものを人に見せないようにしている人物だなと思ったんです。ジエはなぜ誰かを愛するようになって、どういうふうに愛するのか。自分がジエという人物をきちんとつかめてからは、ちゃんとすんなり役に入っていけました。でも、たしかに、物語の中盤あたりからは(ジエの回想のラブストーリーが展開する)とても難しく思いましたね。自分はシュー・ユーティン監督への信頼がとても強くあったので、やっぱり自然にジエの中に入っていけました。

Q:シュー・ユーティン監督は、それを劇中で描くか描かないかは別として、ひとつのキャラクターの背景までをきちんと設定されていたことと思いますが、ジエ役についてはいかがでしたか?

A:脚本には書かれていないんですけど、ジエの履歴について、最初の段階で監督と語らいながら一緒にちゃんと書いてみたんです。たとえば、ジエはどこに住んでいて、どこの学校に通って、どんな友だちがいて、とかそういうことを。こうしてしっかりと人物を作っていきました。シュー監督は人にすごく安心感を与えることができる方だと思います。
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「その人を愛している」という思いを目に込めていました

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 Q:ジエはこの映画の中で、人が人生を通して経験するような出来事やその感情を次々に経験していきますが、感情を言葉にしないぶん、目や細やかな表情で感情を表していました。だいぶ気を遣いましたか?

A :その人を愛している、という思いを目に込めていました。彼が亡くなって、もう彼と会えなくなってから、ジエは彼への思いを人に伝えていくわけですよね。自分もジエを演じながら人生のいろんな体験をした気がしました。ジエはいろんな事件に遭遇します。それはやっぱり人間誰もがきっと一生の中で出会うようなことだと思うので、ジエがそれにどうやって向き合っていくのか、というところにこだわりましたね。

Q:愛する人の看病をして死を看取るのは、まだ若いジエにとっては辛いことだと思いますが。

A:それは逆に言うと、二人だけのあの時間というのは、楽しいって言ったらあれですけど、愛する人と本当に二人だけのうれしくてとても幸せな時間だったと言えるわけでもありますよね。
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これからはもっといろんな役に演じたい

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 Q:『先に愛した人』という作品と出会って演じたことで、ロイさんご自身の中で何か変化はありますか?

A:やっぱりこの役を演じてからは、自分はこれからもっといろんな脚本に挑戦したり、人物を演じていけるんじゃないかと思いました。それを試してみたいと思えるようになりましたね。だから、自分にとって『先に愛した人』は映画のスタート地点です。自分はここからスタートして、これからもっといろんな役をやっていく、という。

Q:今年はこれから刑事役を演じた映画が台湾で公開されるそうですが、今後演じてみたいと思う役はありますか?

A:ストーリー自体がいいお話であれば、その中のどんな小さい役でもいい。いろんな役をやってみたいなと思います。
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どうでしたか?丹精をこめて『先に愛した人』を作り上げたことで、演者として、人として大きく成長していたロイ。これからもますます活躍してくれるでしょう。なお、『先に愛した人』(日本語字幕付き)は現在もNetflixで配信中ですので、ぜひ何度でもご覧になってみてください。

以上、台北ナビ(小俣悦子)がお届けしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-04-29

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