台湾のスタートアップ企業が熱い!小型サラウンドプロセッサ【XPUMP】の体験レポート

超手軽にド迫力の映画館サウンドが味わえる魔法のような製品が日本上陸~♪


こんにちは、台北ナビです。

グローバル起業家精神・開発指数(CEDI)でアジアトップランクを誇る台湾で、今活性化しているスタートアップ企業。先程開催されたCOMPUTEX TAIPEIや台灣文博會でもスタートアップ企業が立ち並び、世界中のバイヤーや投資家が熱い視線を注いでいます。

その中で、アメリカと日本のクラウドファンディングで大きく資金調達に成功した、台湾発の小型サラウンドプロセッサ「XPUMP」という製品を取材できることになったので、今回ご紹介したいと思います。ナビも興味津々だった話題の製品、実際に視聴してその実力を拝見〜!

アメリカ、日本、台湾のクラウドファンディングで大注目!


「XPUMP」は、台湾のスタートアップ企業「Embrace Audio Lab」が開発した小型サラウンドプロセッサ。ごく簡単に言うと、映画・音楽・ゲームなどの普段聴いている音が、ライターサイズのこれを繋ぐことで臨場感あふれる映画館のようなサウンドに変わっちゃうという、魔法のような製品です。

製品の詳細については後ほど開発担当者から伺うこととして、どのくらい話題の製品なのかというと…

アメリカの大手クラウドファンディング「Kickstarter」で、プロジェクト掲載からわずか8時間で目標金額を達成し、最終的には目標金額の910%となる22.7万ドルの資金調達に成功しました。その快挙に続いて進出した日本の大手クラウドファンディング「Makuake」でも、目標の30倍を超える2500万円の資金を調達し、海外から直接プロジェクトに参加した企業として当時最高額を叩き出しています。

この通り、世界からの視線が熱〜い製品なんです。
2018年6月現在、台湾のクラウドファインディング「flyingV」でもプロジェクト進行中。台湾各地で行なっている視聴イベントには実物を見ようとたくさんの人が押し寄せています。(右写真提供:Embrace Audio Lab)  2018年6月現在、台湾のクラウドファインディング「flyingV」でもプロジェクト進行中。台湾各地で行なっている視聴イベントには実物を見ようとたくさんの人が押し寄せています。(右写真提供:Embrace Audio Lab) 

2018年6月現在、台湾のクラウドファインディング「flyingV」でもプロジェクト進行中。台湾各地で行なっている視聴イベントには実物を見ようとたくさんの人が押し寄せています。(右写真提供:Embrace Audio Lab) 

担当者に聞く!製品開発から日本上陸まで

ナビも「XPUMP」のその話題性に反して、「使うとなんか音がすごくなるらしい」程度しか知らなかったので、今日はメーカー「Embrace Audio Lab」の方と、「XPUMP」を日本で販売する代理店の方にお越しいただきました!
「Embrace Audio Lab」CEOのPENG LEEさん(左)、営業のWILLIAM CHIENさん(右)、「(株)アーキサイト」製品企画部の松本さん(中央)

「Embrace Audio Lab」CEOのPENG LEEさん(左)、営業のWILLIAM CHIENさん(右)、「(株)アーキサイト」製品企画部の松本さん(中央)

(ナビ)こんにちは!松本さんには「快譯通」ドライブレコーダーX-RUNの取材で以前にもお越しいただきましたね(笑)。まずは、「Embrace Audio Lab 」がどのような会社なのかを教えてください。
「サウンドテクノロジーを駆使し、簡単かつ手頃に“いい音”を消費者に届けたい」と語るLEEさん

「サウンドテクノロジーを駆使し、簡単かつ手頃に“いい音”を消費者に届けたい」と語るLEEさん

(PENG LEEさん:以下L)中学・高校の同級生だった私たち2人がサラリーマンを辞め、2015年4月に立ち上げた会社です。現在も従業員5名の小さな会社ですが(笑)。

電子工程学が専攻で、製品開発は私の担当です。オーディオ処理技術の開発に力を注いでいて、ハードウエアとソフトウエアの垣根を取り払って音の魅力を最大限に引き出し、音の楽しさを気軽に体験してもらえるような製品開発に取り組んでいます。

(ナビ)CEO自ら製品開発とは驚きです!でも、分かるような、分からないような事業内容です…。

(L)“いい音”は、たくさんのスピーカーや複雑な配線、ある程度の広い空間があってこそ得られる、と思っている人が多いと思うんです。本格的なホームシアターとかですね。私たちは、サウンドテクノロジーを駆使することで、もっと簡単かつ手頃に“いい音”を消費者の皆さんに届けることを目指していて、今回の「XPUMP」もその一つです。
携帯と比べるとこんなに小さくて、重さがたったの35グラム!

携帯と比べるとこんなに小さくて、重さがたったの35グラム!


(ナビ)「XPUMP」開発のきっかけはなんですか?

(L)2014年に開催された音響展示会に2人で出かけたんですね。そこで見たあるサラウンドサウンドの製品の音はものすごくよかった。けれど、7つのスピーカーのほか、天井にも4つのスピーカーがあって、専用の機材も必要…などなど、とても複雑なんです。いい音を出すためにより複雑化していく音響業界を見て、僕らはその反対の「シンプル」な方向へ進もうと決めたんです。

(ナビ)そこから誕生したのが「XPUMP」なんですね。本当に小さくて軽い。とてもシンプルな作りで、言われなければこれがサラウンド製品とは気づきません!パソコンや携帯にこれを繋げるだけで、もし本当にホームシアターのような音が再現できるのならすごいですね…(まだ視聴してないので半信半疑)。
「今までにないバーチャルサラウンド」と熱く語る松本さん

「今までにないバーチャルサラウンド」と熱く語る松本さん


(ナビ)このほど日本でも正規代理店が決まり、本格的に販売が始まりました。日本で発売するきっかけは?

(松本さん:松)去年のCOMPUTEX TAIPEI(台北國際電腦展)を訪れた際、彼らのブースで「XPUMP」を初めて使って見て、これは今までにないバーチャルサラウンドだと衝撃を受けました。

僕自身オーディオの専門学校を経て、レコーディングやコンサートの仕事にも関わった経験があります。バーチャルサラウンドというのは以前からある技術で、それらの製品も市場に出回っているのですが、“いまいち”というのが正直な印象だったのです。…が、これはその印象を変えました。

住居スペースが限られていて、ゲームファンの多い日本市場でもいけるんじゃないか、と彼らにアプローチしたんです。
両者が出会うきっかけとなった2017年のCOMPUTEX TAIPEI(左写真提供:Embrace Audio Lab) 両者が出会うきっかけとなった2017年のCOMPUTEX TAIPEI(左写真提供:Embrace Audio Lab)

両者が出会うきっかけとなった2017年のCOMPUTEX TAIPEI(左写真提供:Embrace Audio Lab)

「ゲーマーが多い日本は需要がある市場」とCHIENさん

「ゲーマーが多い日本は需要がある市場」とCHIENさん


(ナビ)「アーキサイト」はコンピューター関連の製品を多く取り扱われているので、てっきりそちらの方向からのアプローチかと思いましたが、実は音響に詳しい松本さんが目をつけた製品なんですね。ふむふむ。

(WILLIAM CHIENさん:以下C)ゲーマーが多い日本は需要がある市場と踏んでいて、自社でも日本のクラウドファンディング「Makuake」に参加していました。その中で、音響の知識が豊富な松本さんに出会いました。とても研究熱心で製品を熟知している彼ならその良さを日本で広めてくれると確信し、日本での販売を託しました。

(ナビ)各国での売れ行きはどうですか?
(C)世界70カ国で売れていて、遠くはアイスランドからも注文がありました。送料の方が高くつきそうですが、それでも買いたいと思ってくれる消費者がいて嬉しい限りです。購入者の内訳は20〜40歳で、95%が男性と圧倒的。PlayStationやNintendo Switch™などのゲームをする方に人気です。

2016年に初代モデルを出し、現在販売しているのは2機目の1.5代目なのですが、3分の1はリピーターでこれは製品への賛同だと受け止めています。

さっそく開封!驚くほど簡単なセッティング〜

色々とお話を伺ってきましたが、実物を試してみなければどんなものなのか、そしてその実力がどれくらいのものなのか分からない!ということで、メカにかな〜り弱いナビが体験者で恐縮ですが、実際に使ってみたいと思います。
スタイリッシュな箱

スタイリッシュな箱

波形は「XROUND」の音を表しているそう!

波形は「XROUND」の音を表しているそう!

「たったこれだけ?」と驚くほどのシンプルさ<br>内容は(右から)本体、3.5ステレオミニケーブル、USB-microUSBケーブル、収納ポーチ、説明書(日本語あり)

「たったこれだけ?」と驚くほどのシンプルさ
内容は(右から)本体、3.5ステレオミニケーブル、USB-microUSBケーブル、収納ポーチ、説明書(日本語あり)

開けるとこんな感じ

開けるとこんな感じ

裏面

裏面

一年間の保証付

一年間の保証付

スピーカーとヘッドホンの2モードあるので、それぞれをお試し!
①スピーカーモード

スピーカーモードに設定

スピーカーモードに設定

本体の「IN」、「OUT]にそれぞれのケーブルを差し込みます

本体の「IN」、「OUT]にそれぞれのケーブルを差し込みます

台湾のスタートアップ企業が熱い!小型サラウンドプロセッサ【XPUMP】の体験レポート 小型サラウンドプロセッサ サラウンドプロセッサ ホームシアター XPUMP スタートアップ企業家電製品
初めてのセッティングに関わらず、1分足らずで完了!

初めてのセッティングに関わらず、1分足らずで完了!


音源となる機器(パソコンやテレビ、スマートフォン、ゲーム機など)と本体の「IN」を3.5ステレオミニケーブルでつないで、本体の「OUT]とスピーカーを3.5ステレオミニケーブルで繋げば完了。3.5ステレオミニケーブル以外にも、USBでデジタル音声を入力する事ができます。ソフトウエアのインストールやそのほかの設定は必要なく、驚くほど簡単!

スピーカーは、「XPUMP」の能力を発揮するために最低でも2000元(日本円だと7000〜8000円くらい)のクオリティのものを選んでほしいとのこと。ある程度の品質をクリアしていないと「XPUMP」の良さが半減しちゃいま〜す!

ヘッドホンモードに切り替えて、ケーブルとイヤホンを繋ぐだけ

ヘッドホンモードに切り替えて、ケーブルとイヤホンを繋ぐだけ


②ヘッドホンモード

ヘッドホンモードに切り替えて、音源となる機器と本体の「IN」をつなぎ、本体の「OUT」をイヤホンにつなぐだけでオッケー!これなら機械オンチのナビでも問題なし。

スピーカーと同様の理由で、イヤホンも最低5000円以上のものがベター!
丸いボタンを1回押すとホワイトライトが点灯し、XPUMPが起動

丸いボタンを1回押すとホワイトライトが点灯し、XPUMPが起動

もう1回押すとオレンジライトが点灯し、さらにパワーアップした劇場モードになります

もう1回押すとオレンジライトが点灯し、さらにパワーアップした劇場モードになります

充電式で、バッテリーは約7時間動作します。移動中も楽しめちゃう♪

充電式で、バッテリーは約7時間動作します。移動中も楽しめちゃう♪

音量調節

音量調節

iPhoneユーザーのナビは3.5ステレオミニケーブルを携帯に差し込もうとした瞬間、「私使えないじゃないですか〜?」と絶句

iPhoneユーザーのナビは3.5ステレオミニケーブルを携帯に差し込もうとした瞬間、「私使えないじゃないですか〜?」と絶句

「携帯を買った時にこういうの付いてたでしょう。これで大丈夫ですよ」とWILLIAMさん。どこまでも明後日の方向ですみません…

「携帯を買った時にこういうの付いてたでしょう。これで大丈夫ですよ」とWILLIAMさん。どこまでも明後日の方向ですみません…

スピーカー:小さな部屋と限られた予算でもホームシアターは夢じゃない!

この写真じゃ伝わらない、音の凄さが悔やまれる〜!

この写真じゃ伝わらない、音の凄さが悔やまれる〜!


まずは映画を再生。普通に視聴してその音質を確かめた後、この丸いボタンをポチッ。一瞬にして、ナビの周りの音が立体的になりました。なにこれ〜‼平面的だったサウンドが、セリフ、役者の動く音、モノが向こうから飛んでくる音…と、いくつもの層に分かれ、その音が距離感を持って聞こえてきます。まるですっぽりと音に包まれている感覚で、ホームシアターそのもの!

この写真だとオフィスのパソコンで映画を見ているちょっと味気ない人に見えちゃいますが、ナビの気分は映画館サウンドに包まれて満たされ中〜♡
ゲームでも大活躍の模様!(写真提供:Embrace Audio Lab)

ゲームでも大活躍の模様!(写真提供:Embrace Audio Lab)


続いて見たのは、YouTubeのライブミュージック。YouTubeの音質は至って普通のレベルのものだと思うのですが、ボーカルの他に、観客の歓声や物音もリアルに伝わってきて、臨場感バッチリ!ライブ独特のあの空気感が再現されていて、本当にライブにいっている感覚です。
現場の音が収録されているライブや電子音楽を聞くとよりこの効果を実感できるそう。

そして面白いのが、WILLIAMさんから伺ったプロゲーマー談。
台湾のプロゲーマーに、この製品を使って「PLAYERUNKNOWNS BATTLEGROUNDS」(通称PUBG)という孤島に放たれた100人のプレイヤーが最後の1人になるまで殺し合うサバイバルゲームをしてもらったそうなのですが、「これを使わないともうこのゲームはできない」と言わしめたほど、生き残りに大いに役立ったそう。なんでも、上の階や壁裏に潜む敵の足音や息遣いといった“見えない音”が鮮明に聞こえ、それが勝利のカギを握るからだそう。
この話を聞いて、この製品がゲーマーから熱い支持を受けていることにに納得!(でもゲームをしないナビにはかなりマニアックな話です〜苦笑)

ヘッドホン:小型軽量だからいつでも携帯して気分が上がるグッドサウンド!


音楽をスタート!イヤホンは耳にしっかりとくっついているはずなのに、なぜかナビの頭の周りにぽっかりと空間が出来て、そこに音楽が心地よく流れているという不思議な感覚。いつもと同じイヤホン、再生機器なのに、全く違った臨場感と開放感があってこれは気持ちいい〜!

今まで、音楽の世界により没頭したいがために音量アップで聞いていましたが、これならそんな必要もありません〜。

電気製品に詳しくなくても、映画・音楽・ゲームが好きなら是非!

「COMPUTEX d&i gold award 2017」で最高賞に当たる「台北國際電腦展創新設計獎」を受賞(写真提供:Embrace Audio Lab)

「COMPUTEX d&i gold award 2017」で最高賞に当たる「台北國際電腦展創新設計獎」を受賞(写真提供:Embrace Audio Lab)


使って見て、その話題性に見合った“すごいヤツ”だと心底実感したナビ。電気製品やパソコン関連製品が好きな人に限らず、映画・音楽・ゲームのどれかが好きなら、絶対にその楽しさや素晴らしさを倍増させてくれちゃいます。

…と同時に、なんでこんなに小さいモノでこんなにすごいことが出来ちゃうワケ??と頭の中がハテナだらけ。

それは、「Embrace Audio Lab」が独自開発し、アメリカで特許を取得している「XROUND」という音声演算処理技術が肝なんだとか。スピーカーとヘッドホンでは耳に届く距離や環境が異なるので、それもまたそれぞれに最適化したサラウンド処理を行っているそう。

難解すぎてナビにはまったく理解不可能でしたが、高度で綿密な仕組みがあってこその、“世界最小ホームシアター”なんですね〜!

日本の大手家電量販店など約70カ所で視聴できます!

ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ユニットコム、eイヤホン、EDION、ツクモ、Joshin、ZOA、パソコンショップアーク、PCワンズなど、視聴できる店舗拡大中<br>※視聴可能店舗拡大中につき、まだ設置されていない場合があります。<br><br>写真提供:Embrace Audio Lab  ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ユニットコム、eイヤホン、EDION、ツクモ、Joshin、ZOA、パソコンショップアーク、PCワンズなど、視聴できる店舗拡大中<br>※視聴可能店舗拡大中につき、まだ設置されていない場合があります。<br><br>写真提供:Embrace Audio Lab 

ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ユニットコム、eイヤホン、EDION、ツクモ、Joshin、ZOA、パソコンショップアーク、PCワンズなど、視聴できる店舗拡大中
※視聴可能店舗拡大中につき、まだ設置されていない場合があります。

写真提供:Embrace Audio Lab 


この製品、実際に手にとって体験するのが最も説得力があると思います!上記の国内大手家電量販店など約70カ所で視聴できるので、ぜひ、お近くの売り場へ足を運んでみてください。「高い、設置が難しい、操作が複雑…」と諦めていた夢のホームシアターに出合っちゃうかも⁉︎

以上、台北ナビでした。
「Embrace Audio Lab」が今年7月に発売予定のイヤホン

「Embrace Audio Lab」が今年7月に発売予定のイヤホン

なんでも空気力学を応用したイヤホンだそうで、「XPUMP」を使っているようなクオリティの高いサウンドが味わえます

なんでも空気力学を応用したイヤホンだそうで、「XPUMP」を使っているようなクオリティの高いサウンドが味わえます

音の聞こえ方は各個人、そして左耳と右耳によっても違うそうで、オーダーメイドのようなイヤホンの開発を試行錯誤中とのこと。今後も期待のスタートアップ企業です!

音の聞こえ方は各個人、そして左耳と右耳によっても違うそうで、オーダーメイドのようなイヤホンの開発を試行錯誤中とのこと。今後も期待のスタートアップ企業です!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2018-07-05

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