コラーゲンたっぷりでジューシーな「紅焼猪脚」に挑戦!
こんにちは、台北ナビで「おうちで本格台湾料理」の連載をしている料理研究家の小河知惠子(オガワチエコ)です。
日本では、紫外線対策などのお肌ケアが必要な季節になってきましたね。 お肌といえば、「コラーゲン」という成分をご存知かと思います。髪や皮膚をキレイにする成分として知られていて、特に女性は好んで摂る方が多いですね。牛スジ、鶏の皮などに多く含まれ、日本の食卓でもよく見かけます。
台湾でも積極的に摂る方が多く、コラーゲンを含んだ鶏の足などが夜市やスーパーで購入可能。若い女性が笑顔で鳥の足を頬張るインパクトの強い光景も、台湾では結構な頻度で見られます。
今回ご紹介する『紅燒豬腳(ホンサオズウジャオ)』もまた、コラーゲンをたっぷり含んだ料理です。日本では食べる機会の少ない“豚足”を使った料理ですが、美味しいので是非試して頂きたいです。
何度も通って食べた味!
紅燒豬腳(紅焼猪脚)と書かれると、「ブタじゃなくてイノシシの肉じゃないか」とさらに敬遠される方もいるかもしれませんが、台湾では“豬”は“ブタ”のこと。さらに紅焼(ホンサオ)というのは醤油で煮込むことを意味します。
台湾に詳しい方はもちろんご存知だと思いますが、台北市内に
『富覇王豬腳極品餐廰(フーバーワン)』という人気店があります。そこの紅燒豬腳(紅焼猪脚)が絶品!
見た目に色が濃く、濃厚な味を想像させつつも、食べると意外にあっさり。薄味で食べやすく、ボリュームがあってもペロッといけてしまうんです。台湾留学中、このお店の近くに住んでいたんですが、何度も通うほどハマってしまいました。
食べて美味しいし、美容にも良い、そんな紅燒豬腳(紅焼猪脚)の作り方をご紹介しましょう。
まずは材料
■材料■
ボイル豚足……1kg
生姜……30g
ネギ……35g
にんにく……3片
サラダ油……大さじ2
八角……2つ
水……3~4カップ
醤油……1/2カップ弱
氷砂糖……20g
りんご酢……大さじ1弱
米焼酎……1/2 カップ
あればゆで卵……2~3個
「紅燒豬腳(紅焼猪脚)」の作り方をご紹介!
① 生姜は皮付きのまま薄切りにし、にんにくは包丁で叩き潰す。
台湾では生姜は皮付きのまま使うことが多いです。そのほうが栄養価が高く、香りも出ます。
② フライパンにサラダ油を入れ、まず生姜を炒めます。きつね色になってきたら、にんにくを入れて、香りを出します。
にんにくは焦がさないように。でも生でもダメです。
③ そこに豚足と八角を入れて炒めます。
台湾では生の豚足を使用しますが、日本では手に入りにくいので、ボイルされて真空パックになった状態のものを使います。日持ちもするし、下茹でや少し残った毛を取るなどの処理もしなくて良いので手軽ですよ。
大きめのスーパーであれば、1パック350gが300円程度で購入可能だと思います。
④ 油が回ったら、醤油を加えます。黒い色をつけたいので、なるべく濃いお醤油を使ってください。
日本では、キッコーマンのお醤油が濃いと思います。
⑤ 次に氷砂糖を加えます。
氷砂糖を使うと、クリアな甘みがつけられます。なければグラニュー糖でも代用できますよ。
⑥ 米焼酎を入れます。
台湾では米酒(ミージュウ)という料理用の蒸留酒を使いますが、日本では米焼酎で代用するのが良いでしょう。日本酒でもできますが、米焼酎のほうが台湾の味に近いと思います。
⑦ ネギを加えて、5分くらいさらに炒めます。この間にリンゴ酢も入れます。お酢を入れることで肉が早く柔らかくなります。
台湾ではここで梅酢を使うことが多いのですが、日本ではリンゴ酢などでも良いでしょう。フルーツ系のお酢であれば大丈夫です。
⑩ 蓋をせずに中火で20分くらい煮こみます。ゆで卵があればここで入れましょう。
⑪ 20分経ったら上下を返します。焦がさないように注意しましょう。
⑫ 焦げないように注意しながら、さらに25分くらい煮て、豚足が柔らかくなって煮汁が少なくなったら完成。
途中で水が少なくなったら、適宜加えて煮込んでください。
見てください、この全体の照り具合い。そして、こってり感。 でも口に入れると、意外にあっさり。のどが乾かないさっぱりした味付けなんです。 食感はトロッとしていて、噛むとフワッと溶けていく感覚がたまりません。
お皿からもはみ出しそうで、見た目も豪快ですが、このぐらいの量なら2~3人で食べ切れてしまいます。味付けが食べやすいということもありますが、ボリュームがありそうに見えて骨の部分も多いので、見た目ほどではないんです。
食べる際、どうしても手や口の周りが汚れますが、気にしていたら美味しさも半減です。ここはもう、大胆にかぶり付きましょう!
できあがった豚足を、茹でた素麺にのせると豬腳麵線(猪脚麺線)になります。煮汁をかけてスルスルっと召し上がってください。
台湾の素麺である麺線は、その形状から、「細く長く」という意味で縁起物。誕生日や厄払いのときなどに、よく食べられます。 厄払いというと、具体的にはどんなときなんだろう……という疑問が浮かび台湾の友人に尋ねてみると、「刑務所から出てきたとき」という答えが返ってきて、ビックリ(笑)。 そこでさらに、「日本では刑務所から出てきたとき何を食べるの?」と質問され、とても戸惑いました(笑)。
紅焼麺線は、お誕生日などのお祝いのときはみんなで、厄払いのときは一人で黙々と頂くのだそうです。ちなみに我が家では最近、夫の誕生日にみんなで頂きました。
調理中、部屋のなかが台湾の香りで満ち溢れ、とても幸せな気分になります。街並みが目に浮かび、渇望感が増してくる。そんな台湾愛に溢れた料理を、次回もご紹介いたします!
(撮影:富田梨香)
料理と文:小河知惠子(オガワチエコ)
料理研究家・台湾料理研究家。
雑誌やテレビ、書籍などのレシピ作りや料理コラム等で活躍中。著書に「純愛ごはん」(セブン&アイ出版)、「おにぎらずの本」(泰文堂)、「スティックオープンサンドの本」(講談社)など。 初めての台湾旅行で、食材の豊かさと豪快な調理に魅せられる。 以来、何度も台湾に足を運び、2017年、現地の料理学校で台湾料理を習得。 2歳男児の母。
小河知惠子(オガワチエコ) ツイッター
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2018-03-30