毎年恒例のテレビアワード「金鐘奨」。今年は例年より華やかさがアップ!ナビは今回も会場に潜入してきました。
こんにちは、台北ナビです。
台湾で金曲奨、金馬奨と並び“三金”と呼ばれるテレビ番組アワード
「電視金鐘奨」(ゴールデン・ベル・アワード)の第52回授賞式が9月30日に国父紀念館(台北市)で開かれました~。
ナビは今年もプレスルームにお邪魔してきたので、レポートをお届けします。
日本でも人気の女優・俳優が勢揃い
電視金鐘奨はドラマだけでなく、バラエティーや教育番組など幅広いジャンルのテレビ番組およびその制作陣、出演者を表彰する賞なのですが、やはり最も注目されるのはドラマ関連の部門です。近年は台湾ドラマの低迷に伴い、イマイチ盛り上がりに欠けるものだったのですが、今年はレイニー・ヤン(楊丞琳)やショウ・ルオ(羅志祥)、ラン・ジェンロン(藍正龍)など日本でも知名度があるスターが多数ノミネートされており、ミーハーのナビにとっては期待が高い年となりました。
今年の注目はなんといっても、24項目がノミネートされたドラマシリーズ「植劇場」。人気俳優と制作陣が集結し、さらにワン・シャオディー(王小棣)監督など台湾を代表する監督8人が共同で立ち上げた演劇関連人材育成の場「QPlace」で訓練を積んだ期待の新人24人も加わり、従来の台湾ドラマとは一線を画す作品が生まれました。
賞の結果はいかに?
今年、最も多くの賞を獲得したのは、大量ノミネートを果たしたドラマシリーズ「植劇場」!「天黒請閉眼」で長編ドラマ部門作品賞など3部門、「恋愛沙塵暴」で主演女優賞など2部門を獲得しました。
「天黒請閉眼」チーム
ワン・シャオディー(王小棣)監督
受賞スピーチでは、植劇場の総製作指揮を務めた
ワン・シャオディー(王小棣)監督が「華やかな時こそ、辛い時のことを思い出します」と製作時の苦労を語り、台湾ドラマ界に向ける熱い思いをひしひしと語っていたのが印象的でした。
長編ドラマ主演女優賞に輝いたクー・シューチン(柯淑勤)は、受賞作「恋愛沙塵暴」では地味な中年の母親を演じていましたが、授賞式に登場した彼女は美魔女さながらの美しさ。受賞スピーチでは「魂で演じる役者が必要だと思ってきた」と女優業への自信を示し、大きな存在感を放っていました。
ステージ上でスピーチするクー・シューチン
長編ドラマ助演女優賞:スン・クーファン(孫可芳)/「天黑請閉眼」で表面では控えめな妻を演じながらも秘密を抱える重要な役に挑戦したクーファン。囲み取材では、両親が幼少期に事故で他界し、祖父母に育てられた過去に触れ、同作の撮影中に監督から「人生の辛いことはあなたの埋もれた宝物になるんだよ」と言葉をかけられたエピソードを明かし、涙をぬぐいました。
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長編ドラマ新人賞:チェン・ユー(陳妤)/「戀愛沙塵暴」で、恋に悩む正義感の強いサバサバとした性格の大学生を好演。同時にノミネートされていた助演女優賞は落選となりましたが、「でも大丈夫。母からも『助演女優賞を取ろうと思うなんて早すぎる』と言われていたので」と笑っていました。
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リウ・ダーカイ
長編ドラマ主演男優賞はベテラン俳優の
リウ・ダーカイ(劉徳凱)。
1970年代の眷村(戦後に国民党と共に台湾に渡った軍人やその家族が住んだ地区)を舞台とした「這些年那些事」で、男一人で子供を育てる退役軍人を演じました。近年は中国大陸を拠点に活躍しているため、同作がなんと20年ぶりの台湾ドラマ出演だそう。今回は長編ドラマ部門主演賞をいずれもベテランが制しました。
ショウ・ルオが金鐘奨初受賞
バラエティー番組司会者賞は、「娯楽百分百」で
ショウ・ルオ(羅志祥)と
カイルー(愷楽)が受賞しました。
俳優としても活躍するショウですが、意外にも金鐘賞は初受賞。プレスルームでは「信じられない」と落ち着かない様子でした。そして過去に主演男優賞に3度ノミネートされながらも未受賞であることに触れ、監督や脚本家などに対して「オファーをよろしく」とラブコールを送り、抜け目のなさも見せていました。
また、取材陣から「受賞ついでにプロポーズはしないの?」と聞かれ、空笑いを浮かべる場面もありました。
プレスルームで受賞の喜びを伝えるショウ・ルオ(右)とカイルー
「通霊少女」はミニドラマ作品賞など2部門
今年の台湾ドラマの話題作の一つ「通霊少女」はミニドラマ部門作品賞に輝きました。同作同作でグオ・シューヤオ(郭書瑤)演じる霊媒師の女子高生に心を救われる人気歌手を演じたリー・チェンナー(李千娜)はミニドラマ(テレビ映画)助演女優賞を受賞。
「通霊少女」キャスト一同
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スピーチをするリー・チェンナー
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注目のイケメン!フー・モンボーがミニドラマ主演男優賞
フー・モンボーとウェン・チェンリン
ミニドラマ(テレビ映画)の俳優部門では、「最後的詩句」のフー・モンボー(傅孟柏)とウェン・チェンリン(温貞菱)がそれぞれ主演男優賞、主演女優賞に選ばれ、アベック受賞となりました。
スピーチをするフー・モンボー
注目したいのはフー・モンボー。この日、ナビがレッドカーペットで取材をしながら「このイケメンは誰だ」と気になって仕方なかったのがこのモンボーなのです。
実はモンボーは昨年、「一代新兵之八極少年」で長編ドラマ主演男優賞にノミネートされていて、ナビ自身この作品は見たことがあったのですが、映像での印象と実物の雰囲気が違ったので、不覚にも彼だと気付かず…。横顔がどことなくキムタクに似ていて、そのイケメン度の高さは女性記者からしきりに「かっこいい」という声が上がるほどでした。「最後的詩句」では、一人の男性の16年にわたる人生を演じて様々な表情を見せ、確かな演技力をのぞかせています。
スピーチをするウェン・チェンリン
モンボーの相手役を演じたウェン・チェンリンは言わずと知れた実力派の若手女優。
弱冠24歳(受賞当時)ながら、金鐘奨は2度目の受賞となりました。囲み取材では、クールな外見とは裏腹、作品について饒舌に語り、意外な一面を見せてくれました。
レッドカーペットを彩った豪華スターの数々
最後にレッドカーペットや授賞式に登場した豪華な面々をざっとご紹介します。
クラウド・ルー
クラウド・ルー(盧廣仲) 今年、ドラマデビューにして初主演を務めた「お花畑から来た少年」(花甲男孩轉大人)がヒットし、俳優として注目を浴びたクラウド。同作は来年の応募対象となっているため、今年はノミネートされませんでしたが、今年の式典ではプレゼンター&パフォーマンスゲストとして登場。パフォーマンスでは同作の主題歌「魚仔」をしっとりと歌い上げました。
式典では、「お花畑から来た少年」で親子を演じたツァイ・チェンナン(蔡振南)とプレゼンターを務め、“親子共演”を果たしました。ドラマでは二人が口喧嘩をするシーンがあるのですが、なんと3分余りにも及ぶ長回しのワンカットで撮影され、大きな話題をさらいました。
レイニー・ヤン(楊丞琳)
「植劇場」の一作である「恋の始まり 夢の終わり」(荼蘼)での演技が評価され、7年ぶりに長編ドラマ主演女優賞にノミネートされたレイニー。この日身に付けていた指輪はなんと1億8000万台湾元という超高価なもの!黒のドレスがとても似合っていました。そして間近で見るレイニーの小顔っぷりにもびっくり。
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セリーナ(任容萱) セリーナはミッキー・ホアン(黄子佼)とともに司会を務めました。
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ラン・ジェンロン(藍正龍)妻のジェイド・チョウ(周幼婷)とともに仲良くレッドカーペットに登場。優しく妻をエスコートする姿で夫婦の仲睦まじさをアピールしました。
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ホンジャン(宏正) 学園ドラマ「High 5 制霸青春」で長編ドラマ主演男優賞に初ノミネートされていたSpeXialのホンジャン。足のけがでしばらく芸能活動を休止していたのですが、久々に公の場に姿を見せてくれました。
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グオ・シューヤオ(郭書瑤)今年のヒット作「通霊少女」で女子高生の霊媒師を演じ、ミニドラマ部門の主演女優賞にノミネートされたグオ・シューヤオは、ご自慢の豊満なバストをこれでもかと見せつけるドレスで登場。男性陣の視線を釘付けにしました。
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ウー・カンレン(呉慷仁)
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気になる小鮮肉たち
台湾では最近、若くて可愛い男の子は「小鮮肉」(シャオシェンロウ)と呼ばれています。もちろん、この日もたくさんの小鮮肉が登場!その中で特に気になったのがこの2人です。
シュー・グアンハン(左)とケント・ツァイ(右)はヤン・クイメイと3人でプレゼンターを務め、ベテラン女優を喜ばせていました。
シュー・グアンハン(許光漢)
植劇場の新人で、「姜老師,妳談過戀愛嗎?」では発達障害を抱え、性犯罪を犯すという複雑な役を演じました。前作の「戀愛風塵暴」で見せたクールなイケメン大学生とは正反対の役柄に挑戦し、その変貌に視聴者を驚かせました。現在台湾で放送中の「アテンションLOVE」にも主要キャストとして出演するなど活躍を見せています。
ケント・ツァイ(蔡凡熙)
「通霊少女」でグオ・シューヤオの相手役を演じたことで、一気に知名度を高めました。ケントにとって同作はデビュー作でもあります。デビュー1年目にして、ギデンズ・コー(九把刀)の映画「怪怪怪怪物!」(報告老師!怪怪怪怪物!)と「全ては愛のため」(痴情男子漢)の2作で主演するというまさに期待の新星。11月下旬に発表される「金馬奨」では新人賞候補に選ばれており、賞の行方も気になります。
来年も期待大!
しばらく低迷していた台湾ドラマ界ですが、ここ1年ほどは話題作やヒット作に恵まれ、にわかに復活の兆しを見せつつあります。
今年もクラウド・ルー主演の
「お花畑から来た少年」や医療ドラマ
「麻酔風暴2」などが注目を集めたほか、大手動画配信サービスのネットフリックス(Netflix)が台湾とドラマを共同制作することも発表されており、今後も盛り上がりが期待されます。来年の台湾ドラマの動向は要注目です。
以上、ナビがお伝えしました。
※画像は全て金鐘奨提供
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2017-11-15