登山専門旅行社ツアーに参加して、本格派登山に挑戦!

個人では実現するのが大変な登山も、ツアー参加で容易に高山へ登ることができます

奇莱南峰登頂

奇莱南峰登頂

吊り橋

吊り橋


こんにちは。山と自然、温泉が大好きなライターの木村明惠です。
日本の山や各地を歩くことに飽き足らず、台湾にハマり数年間通い続けています。
台湾は3000m以上の山が268座(諸説あり)あり、その中でも台湾百岳といわれる山が人気です。台湾の多くの山岳地域は入山規制があり、手続きなど外国人に不明な点が多いのですが、今回、台北にある野訊国際登山旅行社が主催するツアーに参加し、登山することができました。

いくつもあるコースの中、今回は、台湾中部・南投縣仁愛郷から能高越嶺古道を経て3000mを超える山へ登る2泊3日のツアーを選びました。古道、巨木、滝、吊り橋、そして山への登頂と盛りだくさん変化に富んだ楽しいコースです。奇莱南峰と南華山も台湾百岳に入ります。

第1日目

夜のバス

夜のバス


MRT「古亭」駅に18:00集合。 野訊国際旅行社専用バスがやってきて18:30出発。

今回のメンバーは23名。ガイドは2人。共にハンサムな王さんと陳さんです。バスの中、陳さんの楽しい解説で、すでにバスの中は盛り上がり絶好調。全員の自己紹介もしました。

本日は登山口の麓にある廬山温泉のホテルに1泊します。ホテルに着いたのは夜23時過ぎ。すぐに就寝、明日の歩行に備えます。

第2日目

能高越嶺国家歩道

能高越嶺国家歩道

廬山温泉から少し上にある廬山部落の檢査哨を経て、屯原まで車で移動。ここから歩きはじめます。屯原の登山道入口(標高約2000m)には、「能高越嶺国家歩道」と書かれた大きな案内板が立っています。この道はかつて地元の原住民の人々が移動や交易に使っていた道でした。日本が1895年~1945年まで台湾を統治していた時代、道が整備され、駐屯施設が設けられました。戦後台湾電力が電力網整備のためにこの道を使い、今は多くのハイカーのための道となっています。
登山証ボックス

登山証ボックス

古道風景

古道風景

歩行風景 遠景で

歩行風景 遠景で



今日は、屯原から天池山荘という山小屋まで13㎞の道を歩きます。
道幅は1.5mくらいあり、勾配も緩いので歩きやすい道です。ゆっくり周囲の景色を楽しみながら徐々に高度を上げていきます。

約2時間で、雲海保線所(標高2360m)に到着。
軽く軽食を取ります。現在は台湾電力の管理ですが、日本統治時代に建物が初めて建てられました。広場は庭のように桜の木が植えられ、ベンチもありました。

雲海保線所記念碑

雲海保線所記念碑

雲海保線所からの遠景

雲海保線所からの遠景

ススキと山

ススキと山

紅葉

紅葉

周囲は2500m近くの標高ですが、広葉樹の紅葉やススキなども見られます。日本のアルプスや富士山の森林限界が2500mと言われているので、やはり、ここは南国台湾です。
崩落地

崩落地

ここも崩落地

ここも崩落地



途中いくつか大きく地すべりし崩落している場所がありました。道はしっかりついているのですが慎重に進みます。ガイドの方がいつも注意を払い、声掛けをしてくれます。
さらに進むと針葉樹林が増えてきました。大木が集まっている場所があり、1本立派な冷杉(杉といってもモミの仲間)発見。樹齢800年~900年くらいだそうです。
冷杉

冷杉

大木

大木

吊り橋

吊り橋

最後の吊り橋

最後の吊り橋

美しい滝

美しい滝



途中、吊り橋が何本もあります。1度に5人しか渡れません。

少しずつですが、高い山が近くに見える景色に変わっていきます。

「レインボウ!」誰かが言いました。滝に午後の太陽が当たり、小さな虹が出ていました。苔が覆う美しい滝でした。日本庭園のよう。
虹が出ていました

虹が出ていました

山の遠景

山の遠景

天池山荘遠望

天池山荘遠望


歩き始めて6時間以上経ちました。

やっと道の向こうに天池山荘が見えてきました。見えるけどぐるりと山を巻いて行かなくてはなりません。雲が出てきました。もう15時を過ぎています。山は午後お天気が変わることが多いので注意です。

15:40やっと天池山荘(標高2860m)に到着

この場所も日本時代から建物がありました。
つい最近まで小さな建物でしたが、2011年大きなきれいな山小屋に建て替わりました。2階建てで2階にはテラスもあります。収容人数は約100人。トイレも水洗です。どんどん曇ってきて景色が見られないのは残念。到着したとき、山荘の寒暖計の気温は7℃。山荘の前がテント場で当日もいくつかテントが張られていました。私たちが宿泊した日は水曜日。週末には山小屋はさらに混むとのこと。山小屋内に泊まれないときはテント泊になりますし、それも場所が限られているので、予約は必要です。
天池山荘道標

天池山荘道標

天池山荘

天池山荘

山荘内広間

山荘内広間


夕食は、白飯にスープと野菜炒め、豚肉角煮、キュウリ酢の物などの中華料理7品。山小屋の料理としては豪華です。明日は午前2時起床とのリーダーからの指示。1階の広間ではしばらく酒盛りで盛り上がっている人々もいました。楽しそうだけど明日のことを考え、20時には就寝。

第3日目

朝食

朝食


朝2時過ぎに起床。
洗面や朝食(おかゆ、ピーナツ・漬物等のトッピング5種、しょうがスープ)を済ませ、身支度をして3:30に天池山荘出発。天池山荘をベースにするため、余分な荷物は置いていきます。今日が本格的な登山です。

まずは、奇莱南峰を目指します。天池山荘から一気に高度を上げていきます。辺りは真っ暗。起床時から頭にヘッドランプをつけています。道はヘッドランプだけが頼り。1時間半ほどで天池(約3000m)に到着。ここが叉路口(分岐点)です。
天池道標

天池道標

登頂しました!

奇莱南峰

奇莱南峰

天池から奇莱南峰(標高3358m)へ向かいます。6:30登頂。出発から3時間かかりました。少し明るくなってきましたが、曇って何も見えません。風が吹き、とても寒い。

全員と各人の記念写真を陳さんが撮ってくれ、王さんが風よけの場所で暖かいコーヒーをふるまってくれました。とってもオイシイ。このころから雨が降り出しました。雨具は常に必携です。

その後、分岐点の天池まで戻り、南華山(標高3183m)をめざしました。開けた低い笹藪の中を緩やかな道が続きます。最後だけ少し急登でしたが、晴れていたら開けた視界を楽しみながら登れたのでしょう。

記念写真を撮って、すぐ下山。雨は降ったり止んだり。

歩行風景

歩行風景

南華山

南華山

南華山頂上

南華山頂上

10:15天池山荘に到着

簡単な麺の昼食をいただき、しばし休憩。
11:00天池山荘を出発しました。来た道と同じで、様子がわかっているから安心ですが、13㎞を歩くので、最後まで気は抜けません。昨日と打って変って雨交じりですが、朝よりは少し明るくなってきました。
歩行風景

歩行風景

崩落地帰り

崩落地帰り

雲海保線所

雲海保線所

帰る途中もリーダーの指示で1時間おきくらいに休憩を取ります。無事登頂できた安ど感か、参加者の皆さん、往の道よりもリラックスして、たくさんの笑い声。

15:30登山口の屯原に到着。送迎の車が待っていてくれました。全員、無事に歩き通して帰ってきました。
登山口

登山口

「能高越嶺国家歩道」は昔から人々が使っていた古道です。そうした人々を思い描きながら歩きました。
1㎞ごとに距離を示す標識が設置され、各ポイントに道標、植物や動物、歴史的遺物を説明する案内板があり、解りやすい比較的安全な道です。
古道の景色を楽しみつつ、吊り橋や崩落地のスリルに緊張し、3000m級高山への登山経験もできた今回のコース。山歩きが好きな方、台湾の自然を味わいたい方にお勧めします。

<ツアー参加日:2015年11月24日~11月26日>
関連タグ:登山ツアー古道歴史原住民健康交流台湾知識山小屋

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2016-01-07

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