朝から夜まで、粽づくしの端午節!!自分好みの粽をみつけてみましょう♪
こんにちは、台北ナビです。
旧暦の5月5日は端午節(今年は6月2日でした)。台湾では、旧正月、中秋節に並ぶ三大節の一つです。端午節にするべきことといえば~?そう、粽(チマキ)を食べること!!ということで、今回は粽を買い求める人々でごった返していた南門市場にて、ナビが厳選した15種類の粽子を食べ比べます!
粽の始まりは?
楚の時代の詩人、屈原が楚を追放され、河に身を投じた日が旧暦の5月5日とされています。楚の人々は、敬愛する屈原の魂を鎮めるために(または、屈原の体を魚などに食べられないように、とも言われている)、粽を河に投げたといういい伝えがあります。端午節には、粽を食べる以外にドラゴンボートレースが行われるのですが、それも粽を河に投げる際に人々が小舟を漕いだことが起源とされているそうです。
そして忘れてはいけない「香包(シャンバオ)」
真っ赤な糸が鮮やかで、とってもキレイなこちらの飾りは「香包」と呼びます。端午節の時期が近づくと、子供やお孫さんにと、この「香包」を選ぶ姿をよく見かけるんです。台湾では端午節を境に夏が始まると考えられているのですが、その季節の変わり目に体調を崩すことのないようにと、「香包」には厄除けの意味が込められています。今でこそ、色んな形の「香包」がありますが、もともとは虫除けのために艾草(ヨモギ)などの香りの付いたものを包んで、子供の首にかける習慣からきており、もっとずっとシンプルなものだったに違いありません。形は変われど、昔ながらの子供を想うこの風習、素敵ですよね。お土産にもよさそうです♪
一括りに「粽」といっても、地方によって作り方や具材、味はいろいろ!本日食べ比べた粽を中心に、どんな違いがあるのかを簡単にご紹介します。
「北部粽」水に浸したもち米を、紅蔥頭(エシャロット)、塩胡椒、醤油などと炒めてから、味付けされた豚肉や、鴨蛋黃(アヒルの塩漬け卵黄)、シイタケなどと一緒に竹の皮で包み、蒸します。ほぼ食べられる状態まで調理された米を蒸すのが北部粽の特徴です。味付けはしっかりめ。
「南部粽」北部粽よりも大きく、薄味なのが特徴。そのため、食べる際には、花生粉(ピーナッツ粉)や、香菜(パクチー)、醬油膏(ペースト状の醤油)と一緒に食べることもあるのだそうです。丸い生のもち米と味付けされた具材を一緒に竹の葉に包み、鍋で水煮するのが南部粽の特徴です。花生(ピーナッツ)しか入っていない、「菜粽」は台南の名物で、北部では中々見かけません。長時間煮込まれるため、柔らかめの食感です。
「鹼粽」日本では南九州で作られる「あくまき」に似た粽。食感はゆべしのようで、色も黄色い半透明。言われなければ粽とは思わずに食べてしまいそうです。中華麺を作る際にはかかせない、「鹸水」というアルカリ塩水溶液に漬けておいたもち米を使用するのが特徴です。鹸水に漬けることで、独特のモチモチした食感が生まれるのだそうです。それ自体には味がないので、はちみつや砂糖をつけたり、中にあんこが包まれたものもあります。苗栗など客家人の多い地方で作られる「客家粽」のひとつです。
その他、蒸したもち米に香料を加えて麻竹葉(マチクの葉)で包む「客家米粽」や、粘りの強い丸いもち米を使用した外省人の代表的な粽である「湖州粽」など、実に様々な粽が存在し、それぞれの地方の人々に愛されているのです。
「南門市場」は100年以上の歴史を誇る台北市内でも伝統のある市場で、外省人が多く中国本場のお惣菜が豊富なのが特徴です。北部、南部、客家を始め、しょっぱいものから、甘いものまで、粽の種類もいろいろ!本日は全てこの南門市場にてゲットしました♪
では、さっそく15種類の粽をご紹介していきましょう。
* 億長御坊 *
台湾北部粽 50元
<具材>豚肉、鴨蛋黃(アヒルの塩漬け卵黄)、エシャロット、桜エビ、シイタケ
<感想>おなじみの具がゴロリと入っていて嬉しい。黄身がうつくしく、味もしっかりついていた。ジューシーな豚の角煮からはほんのり八角の香りがして、食欲をそそる。粘りがあり、モチモチした食感のもち米は、炊き込み御飯のようで懐かしい。これぞチマキ!という感じ。
台湾排骨酥粽 60元
<具材>排骨(スペアリブ)、ピーナッツ、エシャロット、桜エビ
<感想>屋台で食べる排骨の味に似ている。全体的に香料が効いていて、台湾らしい味。排骨の味がピーナッツに負けているので、ピーナッツはもっと少なめでもいいと思う。肉自体は◎。味付けはおいしいけれど、もち米がベチャベチャしている。八角が香る。
<お店情報>電話:(02)2393-0383 、場所:南門市場1階 No.187&189、営業時間:7:00~19:30
* 南園 *
湖州鮮肉粽 50元
<具材>豚肉
<感想>ゴロッと入った肉に味がしっかりしみている。脂身の少ない肉で、薫製のような食感がよかった。クセがなくて、食べやすい。丸いもち米で、粘り気はあるが、若干水分が多い。肉の割合が多すぎか!?細長い包みが特徴的。やわらかくて、もっちりした米がおいしい。お肉好きには嬉しい!食べやすい。
<お店>電話:平日(02)2396-3852、休日(02)2356-4980 、場所:南門市場1階 No.192&B1 No.63、時間:7:00~19:30
* 立家 *
XO干貝蛋黃鮮肉粽 90元
<具材>ホタテの貝柱、豚肉、鴨蛋黃
<感想>高いだけあって高級感を感じる。ホタテの味が染み込んでいる。黄身の存在感が強い。黄身は要らない、という声も。肉の味が思いのほか薄い。ほどよい粘りで、もち米の味がおいしい。食べやすい。
頂級金華鮑貝粽 168元 <具材>ホタテの貝柱、鴨蛋黃、豚肉、シイタケ
<感想>食べた瞬間、口の中にホタテの風味が広がる。豪華。高級食材がありすぎて、個々の味がよわい。高級粽ということで、話題作りによい。黄身がおいしい。ホタテがおいしい。一つ一つの食材を別々に食べてみたい。意外と印象に残らない。具材の存在感が強すぎて、もち米の印象が薄い。
<お店情報>電話:(02)2393-0469、 場所:南門市場1階 No.196、時間:(火~日)8:00~18:00
* 老林記 *
板栗粽 55元 <具材>板栗(シナグリ)、銀杏、猴頭菇(ヤマブシタケ)、蘿蔔乾(干し大根)、シイタケ
<感想>香りがよい。肉がなく、ベジタリアンなので物足りない気もする。キノコにギュッと味がしみていておいしい。もうちょっとパンチがあってもいいかも。甘い栗がよい。お米は香ばしく、おいしい。具材とマッチしている。
<お店情報>電話:(02)2341-8581、 場所:南門市場1階 No.173&174、時間:(火~日)8:00~18:00
* 合興 *
南部粽 55元 <具材>ピーナッツ、豚肉、黄身、シイタケ
<感想>ピーナッツが柔らかくておいしい。という意見の他、ピーナッツはないほうが好み、という感想も。全体的に食べやすい。シイタケがおいしい。丸いもち米で、ネバネバ感が少ない。味はわりと薄めに感じる。もち米が上手に炊けている。
珍珠一品粽 30元 <具材>黄身、ユリネ、ピーナッツ、ホタテの貝柱、桜エビ
<感想>桜エビがよく効いている。全体的に薄味だが、エビの風味がよい。ホタテがアクセントになっている。味にあまり特色がない。具材がいいわりには、味のインパクトに欠ける。食べやすいサイズ、形だと思う。米に笹の風味がしみていておいしい。お米の弾力がよい。
香芋五花粽 30元 <具材>タロイモ、豚肉
<感想>九份の名物。米の代わりにタロイモを使用。これは粽というのだろうか?赤く着色された豚肉が奇妙だ。肉の味がしない。胡椒が効きすぎている。タロイモ自体はほんのり甘く、食べやすいと思う。タロイモ好きにはいいかもしれない。
臭腳粽臭豆腐 99元
<具材>臭豆腐、キムチ、シイタケ、黄身
<感想>え?粽にまで臭豆腐!?とにかく、臭い!臭豆腐がゴロッと入っていてムリ。臭豆腐はもう少し小さくカットされていた方がいいと思う。豆腐も米もパサパサ。キムチがあって正解。キムチよりも、臭豆腐に付いてくる泡菜の方が合うと思う。米まで臭い、とにかく臭すぎて、ムリ!という意見多数。話題作りにはいいかも…いや、でもムリ。臭豆腐イケル派の2名もアツアツなら、もっとおいしいかもしれないとの感想。しかし、家に持ち帰って蒸したら、家中凄いことになるだろうなぁ…。
桂花豆沙粽 50元
<具材>キンモクセイ、あんこ
<感想>見た目がオシャレ。キンモクセイの香りがもっとあったら嬉しい。キンモクセイとあんこが合う。キンモクセイは要らない、という意見も。米のモチモチ感が好き。黒糖で煮込まれたあんこなので、黒糖の風味が勝ってしまっている。あんこの甘さがもっと欲しい。変わった粽なので、話題になる。
黑米豆沙粽 55元
<具材>黒米、あんこ
<感想>黒い見た目が衝撃的。黒米の柔らかさがちょうどよい。ヘルシーでよい。あんこの甘さは少々あっさりしている。豆の味が足りない。甘いのが苦手な人にはいいかもしれない。後味が少し苦い。苦い+甘いで美味しい。量が多すぎるので、1/5サイズでいいかも。プチプチした黒米の食感が好き。
鹹粽 20元
<具材>なし。(砂糖が付属されている)
<感想>何もかけないと、ほろ苦い。無味。砂糖はたっぷりめにかけるのがよい。冷やしてもおいしそう。生臭さが苦手。プルンとした食感が好き。ゆべしみたい。粽というより、デザートで食べる和菓子という印象。歯触りよし。おもしろい!
鹹豆沙粽 25元
<具材>あんこ
<感想>あんこが弱い。もっと甘いあんこならおいしいと思う。冷やして食べてみたい。ほんのりした苦みが苦手。独特の後味が気になる。口の中で溶けるような食感がよい。
<お店情報>電話:(02)2321-4702、(02)2321-7912、場所:南門市場1階 No.201
* 上海火腿 *
豆沙粽 50元
<具材>あんこ
<感想>あんこの甘さ、もち米の食感合わせてパーフェクト。とにかくあんこが最高。ホクッとしたあんこが、モチモチの米に合う。焦げ臭い匂いが気になる。日本のおはぎに似ていて食べやすい。米の味がやさしい。紅豆本来の味が◎。あんこ餅みたい。
<お店情報>電話:(02)2351-2617、(02)2396-5540、場所:南門市場1階 No.148&149
しょっぱい粽の中では一番人気だった億長御坊「台湾北部粽」の他、立家「XO干貝蛋黃鮮肉粽」、南園「湖州鮮肉粽」、老林記「板栗粽」も好評でした。甘い粽の中では上海火腿の「豆沙粽」がダントツ人気!和菓子好きなら、きっとハマること間違いなしです。
試食部屋では、常に端に追いやられ、誰も近づこうとはせず、カメラマンも鼻を摘みながらの早業で撮影、そんなひどい扱いをうける運命を辿った合興「臭脚粽」ですが、話題作りになら命かけてもいい!という方にはオススメします。強烈な匂いも然ることながら、このネーミングもなかなかですね…。
いかがでしたでしょうか?
日本の粽とはまたひと味も、ふた味も違う台湾の粽。皆さんもぜひ色々と食べ比べてみてくださいね。
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2014-06-20