11月13日(金)台湾一斉ロードショー!長編アニメ映画『パッテンライ!!』

命をかけて、不毛の大地を穀倉地帯に変えた八田與一、決してあきらめない八田を見て、将来の夢を育んでいく日本人のススムと台湾人の英哲!

こんにちは、台北ナビです。今回は、皆様にぜひ鑑賞してほしい映画をご紹介します!
映画名は「パッテンライ!!」。台湾の灌漑治水事業に大きな足跡を残した『八田與一』の物語です。八田は、明治から大正、昭和にかけての日本統治下の台湾に土木技師として派遣されました。彼の偉大な功績は、当時不毛の大地だった台南県の旱魃地帯「嘉南平原」に灌漑用水路を引いて、一大穀倉地帯に変貌させたこと。そして、その用水路は東洋無比の長さでした。作品は、八田與一の苦難の活躍を、工事現場付近につくられた宿舎で暮らす子どもたちの視線から感動的に描きつたえます。日本と台湾の子どもたちの心の交流も魅力的に描かれています。すでにひと足お先に、試写会に出席したナビ。久々にじわじわ~くる大きな感動を受けました。日本のアニメってやっぱり素晴らしいと思いました(号泣)。観光でいらした方、台湾に住んでる方、ぜひ映画館まで足をお運びください!上映は11月13日(金)から、台湾全土一斉にロードショー開始です!!
*題名の「パッテンライ!」は、「八田が来た!」の台湾語読み。 製作は虫プロダクション。製作協力に北国新聞社、監督は石黒昇氏。

2008年、長編アニメーション映画「パッテンライ!」の製作がスタート

2008年初、八田與一の生まれ故郷石川県に本社がある北国新聞社と虫プロダクションが主催者となって、アニメ映画「パッテンライ」の製作を開始。2008年11月に北国新聞社の創刊115周年記念事業として、赤羽ホールで先行上映を行いました。
台湾では中学1年生の時、日本統治時代を学ぶ授業の中で、皆「八田與一」のことを知ります。台湾の人たちの中で「八田與一」を知らない人はいないでしょう。が、片や、八田を知る日本人は、台湾関係者か土木関係者ぐらいのようです。台湾に観光へ来る日本人10人に聞いても、果たしてうち何人の方が彼のこと、彼の功績を知っているのでしょうか?台湾人に敬愛されている「八田與一」、知れば知るほど同じ日本人として誇りに思えてきます。
グルメもショッピングも済ませ一味違う旅がしたい、そんな方には八田與一が命をかけて作り上げた「烏山頭水庫」(烏山庫ダム)や記念館などへの旅をおすすめします。ガイドブックには載らない人物ゆかりの地を訪ね、歴史の重みを感じる旅…きっとお金では買えない満足感を得られる旅になるはずです。

11月9日(月)、台北でも試写会がありました

この日は、13日からのロードショーに向けて、記者会見と試写会が行われました。台湾側からは民視の会長さんや八田與一基金会の方など多くの方が、それぞれの分野で様々な角度から、映画について熱く語られました。スピーチの後は、皆さん「烏山頭」ダムが、世界遺産に登録ができるよう署名をしました。
会場には子ども連れの方たちも多く、ナビ自身もこの映画を見た子供たちは皆、「夢は叶う」ということが信じられる大人に成長していくのではと思いました。
台湾での上映は、中国語と台湾語の吹き替えで、中国語字幕ですが、感動を与えてくれる映画アニメなので、わかりやすいものになっています。中国語(あるいは台湾語)を学習中の方はもちろん、アニメ好きの方、虫プロ映画ファンの方、台湾をもっと知りたい方…多くの方にぜひ見てほしいですね。
この日は、ロードショーに向けての試写会で、八田與一が功績を残した「烏山頭」ダムを世界遺産に!という署名運動も行われました。

この日は、ロードショーに向けての試写会で、八田與一が功績を残した「烏山頭」ダムを世界遺産に!という署名運動も行われました。

政界人の出席もあって、この日メディアの出動数には目を見張るものが。

政界人の出席もあって、この日メディアの出動数には目を見張るものが。

元総統李登輝氏も奥様と試写会にご出席。 元総統李登輝氏も奥様と試写会にご出席。

元総統李登輝氏も奥様と試写会にご出席。

台南がご出身のジュディ・オングさんも応援にかけつけました。 台南がご出身のジュディ・オングさんも応援にかけつけました。

台南がご出身のジュディ・オングさんも応援にかけつけました。

映画製作は虫プロダクション。製作協力に北國新聞社、監督は石黒昇氏。主題歌『受け入れて』一青窈さん。虫プロダクション株式会社社長、伊藤叡氏の熱いスピーチもありました。

「八田與一」について、もっと知りましょう

『八田與一』…台南県烏山頭という地に、先進的なダムと灌漑システムを造り上げた土木技師。日本の土木学会や建設界では彼の壮大な快挙は有名で、台湾では神様のように崇められています。台湾の歴代総統も彼の墓前参拝に訪れるほど、日本統治時代の台湾の農業にも貢献した日本人技師なのです。烏山頭ダムとその灌漑システムは、当時から現在までずっとその一帯の農業に貢献し続けています。八田曰く「土木技師に国境はない。」
*ダム建設で命を落とした作業員の碑にも、日本人台湾人の区別なく、亡くなった方から順番に名前が残されています。
さて、映画までなった人物「八田與一」、彼が作り上げたそのダムの凄さはどんなものなのでしょうか。着工したのは、1920年(大正9年)、1930年(昭和5年)に完成。高さ53メートル、長さ1300メートル、貯水量は1億6000万トン。当時は東洋一大きなダムで、アメリカにもこの規模のダムは数える程度でした。
八田與一、1920年当時、32歳。測量・予算・工事など、すべてを率いてやり遂げました。時代も技術も進んだ今、男32歳(女でもそうですが)…、皆さんはどう思われますか?

このダムが完成したおかげで、灌漑できる面積は、南北100キロメートル、東西71キロメートルの15万ヘクタールになりました。また、アメリカで土木技術を習得した八田は、ダム建設のため多くの最新式の重機をアメリカから輸入しました。一度にたくさんの土砂をすくう蒸気式スチームショベル、均一な斜面を掘るエキスカベーター、大量の土砂を運ぶ転倒式土運列車…これらは、当時の作業員たちの負担を減らす役目も担いました。
八田が提案し定着させた「三年輪作法」も高い評価を得ています。設計的には烏山頭ダムの水で灌漑できる地はせいぜい5万ヘクタールだけ。農家出身の八田は、一部地域だけが水で潤って、一部は不毛の地のままという農家間の貧富の差をなくすため、農作と水資源の効率化を計画。この農作方法とは、1年目には稲を栽培、2年目はあまり水を必要としないサトウキビ、そして3年目は、水を全く必要としない雑穀類の栽培をするという輪作農法。これによって、5万ヘクタールだけではなく、15万ヘクタールの耕地を灌漑することができ、米、砂糖栽培が飛躍的に成長し、台湾南部が台湾の経済を大きく支える穀倉地帯とまでなったのです。
八田與一の銅像は、現在ダムのほとりにある芝生の上にぽつんと座っています。腰をおろして、今にも怒り出しそうな、頭の髪の毛をいじっている八田ポーズ。最も印象深い、生前の彼を表している銅像です。
実はこの銅像、戦争中の金属供出のために、一時期撤去され行方不明になっていました。台湾では戦後の国民党時代、日本統治時代の人物をあがめることなど、絶対にできないことで、命に危険がおよぶ時期がありました。しかし、この地域の多くの台湾人は八田與一の業績に敬意を払っていたので、時が来る1956年まで・・・、この銅像はダムの管理組合である嘉南農業水利会の事務所の2階で、こっそりと保管されていたのです。

台北ナビ関連記事「八田與一と烏山頭水庫(台南県)」も見てね

住所 台南縣官田鄉嘉南村68-2號{烏山頭水庫公園}
電話番号 (06)698-2103
営業時間 6:00-18:00
休業日:年中無休  日本語:不可
行き方:新営客運バスで、台南或いは白河から、嘉南村(烏山頭水庫)行きのバスが出ています
料金:入園チケット 大人200元/駐車場代 大型車80元 小型車50元 バイク20元

最後に、詳細な内容をちょっと教えてしまいます

長編アニメ映画『バッテンライ!!』
~南の島の水のものがたり~ストーリー

舞台は日本領治下の台湾。その南西部に位置する嘉南平原は不毛の大地と呼ばれていました。総督府から技師として派遣された八田與一は、この地に広大な灌漑施設を造るという計画を立てます。その信憑性を疑う地元の農民たちは八田に対して敵意を抱きます。その中に農民の子、英哲(中国語版では阿文)もいました。
英哲は農業につくしかないとあきらめていた将来ですが、八田の土木にかける切実な想いに動かされ、次第にダムの必要性を理解し、自らも土木技師になる夢を抱くようになります。
現場の近くの宿舎に移り住んだ日本人作業員の家族の中に、ススム(中国語版では進一)という少年がいました。ススムの夢は飛行機乗り。
英哲と意気投合したススムは、互いの夢を語り合います。英哲はススムの父から借りた本で、土木技術の独学を始めました。うちを追い出され、ススム宅に居候した英哲。連れ戻そうとする父にダムの重要さを説き、夢の実現に向かって努力を続ける英哲。その頃、ススムも父との確執がありました。
そんなある日、トンネル工事中の爆発事故により、50余名が殉職していまいます。被害者の中にススムの父親もいました。父に自分の夢を告げなかったススム。工事の中止が囁かれ、八田は苦悩に陥ります…。
誰もが意気消沈する中で、八田は犠牲者の命を無駄にしてはいけないと、工事続行に向けて立ち上がります。英哲は、アメリカから輸入したブルドーザーの運転を八田に任せられます。そして、ススムも自らが壊した飛行機の模型を父が亡くなる前日に修繕してくれたことを八田に告げ、夢の実現のために日本の学校へと進みます。
ダム完成の日、英哲は八田に指名され、ダムの開口役を担います。父親の死後、飛行機乗りになる夢をかなえるため日本に帰国したススム。日本へ帰る前に英哲と約束した「ダムが完成の日に、自分も飛行機に乗ってその上空を舞う」という言葉は、はたして叶うのか。

監督  石黒 昇
主題歌 『受け入れて』一青窈
製  作 『パッテンライ!!』製作委員会 北国新聞社
虫プロダクション株式会社 飛田 秀一 伊藤 叡
プロデューサー 森井 俊行
企  画    緒方 英樹
脚  本    田部 俊行
作画監督    飯村 一夫
美術監督    中村 光毅
以下は、日本国内での声の出演です。
八田與一/井上和彦    徐英哲/皆川純子    辻ススム/瀧本富士子
新垣美代/儀武ゆう子    辻謙吉/後藤敦    八田外代樹/一青妙
★八田外代樹さんが生前よく歌っていたという「からたちの花」を、外代樹役の声で出演している一青妙さんが映画内で歌います。中国語版では、この部分のみが日本語版のオリジナルになっています。

虫プロ オフィシャルサイト http://www.mushi-pro.co.jp/

台湾国内では、以下の映画館で「パッテンライ!!」が上映されています!
台北市は以下の映画館です!!乞うご期待!!!
今日數位影城 (02)2375‐1669 台北市峨嵋街52号
信義威秀    (02)8780-5566 台北市松寿路20号
欣欣數位影城 (02)2537‐1889 台北市林森北路247号
百老匯 (02)8663-6128 台北市羅斯福路四段200号4F
内湖哈拉影城 (02)2632-2693 台北市康寧路三段72號3F


欣欣數位影城は、台北ナビプラザ前の公園をはさんで、向かい側の建物内にあります。

台北ナビでした。
関連タグ:ダム八田與一台南アニメ虫プロ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-11-13

ページTOPへ▲

関連記事

ツアー体験・泥温泉と烏山頭水庫日帰りツアー♪

ツアー体験・泥温泉と烏山頭水庫日帰りツアー♪

八田與一氏が生涯をかけたダムと台湾4大温泉かつ世界3大泥温泉の「關仔嶺温泉」は、日本人なら行っておきたい場所、心も体も浄化され美しくなる1日!

八田與一紀念公園(台南市)

八田與一紀念公園(台南市)

2011年5月8日、烏山頭ダムを建設した八田與一技師の記念公園がオープンしました!

その他の記事を見る