仟庚企業

計算され尽された微妙なカラーグラデーションはため息がでるほどの美しさ！

半世紀近くガラス手工装飾品工業の経営を行なってきた「仟庚」。全社あげての製品改革は、新竹ガラス装飾産業の歴史といっても過言ではありません。元々吹きガラスによる動物ガラスの製作から始めましたが、吹きガラスはその性質上安定した細かな造形作りは難しく、そのためコアガラスでの12支作りに転向しました。のちに中国との競争により、作品の付加価値が経営の重要な要素のひとつとなる時代に突入。デザイン性が求められ、作品は形だけでなく細かな表情やカラーも重視されるようになりました。「仟庚」の作る龍の流れるような動きなどはまさにそれらを代表する作品です。
表情や動作を見事に表現し、カラフルになった作品はたちまち注目を集めました。その需要からガラス手工芸品の創作により専念するようになった「仟庚」。ガラスの色は型に色を注入するときに決まる、と言います。型に色を流し込んだ後、液体状のガラスの自然な動きにより、全ての色が自然に混ざり合って変化するのだとか。それはまさにガラス自らの力が成す自然の技なのです。
当時は作品をコピーするだけの単調な作業でした。色の変化もまたときに不自然なものができあがりました。しかし、ここ数年来の努力の結果、制作過程に均一した形と自然な色の融合とを実現することができました。それによりますますファンを増やし続けています。この過程は台湾の創意産業と同じで、シンプルな作品から均一化した製品作りへの開始、そして創作と研究開発の発展を示しています。台湾のガラス芸術産業は今後もこのように成長していくことでしょう。