素朴で優しい、台湾の味そのままの手作り豆花が楽しめる!
こんにちは、台北ナビです。
以前出かけた「台湾女子ナイト」というイベントで、とってもおいしい豆花に出会いました。 こんなにシンプルで優しい味の豆花が日本で食べられるなんて!と感激したナビは、そのお店のある神田へ繰り出してみることに…
老舗料亭の並ぶ界隈にひっそりとたたずむ豆花屋さん
神田駅を出て、中央通りを御茶ノ水方面に進むと、歴史を感じさせる老舗料亭が点在する界隈が見えてきます。
地図を片手に、その細い路地をてくてくと歩いていくと、緑に囲まれた風情ある有名老舗店「かんだやぶそば」が…。
そのちょうど向かい側にあるのが今回の目的地「東京豆花工房」です。
目の前に風格たっぷりの「かんだやぶそば」が…
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その向かい側に、「東京豆花工房」発見!
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派手な看板などはありませんが、豆花が描かれた優しいテイストのイラストが目を引きます。
入ってすぐのところに、豆花とトッピングが並んだカウンターがあり、その向こうには小さなテーブルと椅子がいくつか置かれています。
その飾り気のない素朴な雰囲気を見ていると、なんだか台湾の豆花屋さんを思い出しちゃう…
なんと限定色「ティファニーブルー」の電鍋。
ムムム、これ、ナビも欲しい!
入り口にはかわいい色味の大同電鍋が。とってもオシャレな雰囲気なので、「電鍋、インテリアとしてもいいですよね!」と言うと、店長の田邊与志久さんが笑いながら、
「あれは豆花のトッピングを作るときに使っているんですよ」
「えーっ!」と驚くナビに、「タロイモとかさつまいも、紫芋をふかすのに重宝しています。何しろ、材料と水を入れて、スイッチを入れたら、あとは放っておけばいいんですからね」
こんなところで電鍋の威力を見られるとは思いませんでした(笑)。
「台湾の味」にこだわり、試行錯誤を重ねて行きついた味
懐かしさを感じさせる店内
台湾でよく見かける、トッピングが並んだカウンターですが、
日本では手に入らず、オーダーメイドしたそうです。
こんなところにまでこだわりが!
「電鍋、家でもよく使っていますよ」という田邊さん。実は奥さんが台湾の方なんだそう。
「もともとサラリーマンをやっていたんですが、台湾とは全然関係のない仕事でした。でも、台湾人の妻と結婚して、何か台湾と関わる仕事がしたいと思ったとき、妻も私も大好物の豆花が思い浮かんだんです」
「ちょうど妻の知り合いに豆花屋をやっていたという人がいて、相談したら作り方を教えてもらえることになったので、台湾で修業しました」
開業は2015年12月。実は店舗物件は3月から借りていたものの、なかなか思い描いていた味が出せず、半年以上、試行錯誤を繰り返したんだそう。
「台湾と日本では材料が違うんですよ。豆乳もにがりも違うから、台湾で教わったとおりに作っても、台湾の味にはならない。でも、やるからには妥協はしたくない。本物の台湾の味を出すために、何度も試作して、台湾の人にも食べてもらったりしました」
実は現在使っている豆乳は、豆腐屋さんに濃度まで注文して、オリジナルで作ってもらっているそう。「日本の豆乳は台湾のものより濃いんですよ」という田邊さんの言葉に、ナビも深~く納得。台湾の朝ご飯屋さんの豆乳ってなんでこんなに飲みやすくておいしいんだろう?といつも思っていたんですが、その謎が解けました。
早速、そのこだわり抜いた豆花をいただいてみることに。
メニューはいたってシンプルで、豆花にシロップをかけた「プレーン豆花」と、トッピングをのせた「トッピング豆花」の2種類。春~秋は温かい豆花か冷たい豆花、どちらかを選べます。
冬は温かい豆花のみですが、シロップが黒糖と生姜の2種類から選べるんだそう。
トッピングは全部で8種類。この日は小豆、ピーナッツ、白きくらげ、はとむぎ、緑豆、金時豆、さつまいも団子、タピオカが並んでいましたが、種類はときどき変わります。
「季節によってはタロイモやさつまいももありますよ」と田邊さん。あ~、あのゴロンとしたお芋がのった豆花も懐かしいなあ…
トッピングはなんと、何種類選んでもいいんだそう! そんなこと言われたら迷っちゃう…と思っていたら、「『全のせ』もOKですよ」
そんな贅沢ができるなら、もちろん「全のせ」で! せっかくなら、いろいろな味を楽しみたいですよね。
「日本人のお客様は『全のせ』にする方が多いです。でも、台湾の方は好みのトッピングが決まっているようで、ご自分でいくつか選ぶ方が多いですね」
なるほど、台湾人は子どもの頃から食べ慣れている「マイ・トッピング」があるのでしょうか。
豆の風味が生きた、優しい味わいの豆花。 シンプルだからこそ、丁寧に作られているとおいしい!!
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この黒糖氷のシャリシャリ感、たまりません!
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ではまず、豆花を一口。
おおっ、これは本当に台湾で食べた味そのもの! なめらかな口触りで、素朴な豆の味がほんのりと口に広がります。
豆花そのものは甘くなくて、それを優しい甘さの黒糖シロップと一緒にいただくのがおいしいんですよね。
冷たい豆花には大きな氷がのっています。台湾では細かいかちわり氷が主流ですが、この氷の塊を崩しながら食べるのもおいしい!
溶けても味が薄くならないように、黒糖シロップを凍らせているのも、田邊さんのこだわりです。
トッピングも一つひとつお店で手作りしているそう。
台湾で定番のピーナッツを食べて驚きました! 柔らかすぎず、その歯ごたえが絶妙なんです。
タピオカも台湾でおなじみの「QQ感」たっぷりだし、はとむぎはコリコリとした食感が楽しめます。
美容にいい白きくらげはツルンとした食感で、金時豆は甘くてホクホク。
トッピングそれぞれの味がしっかりと生きていて、丁寧に作られているのがよくわかります。
お客さんと台湾話で盛り上がることも
店長の田邊さんとにこやかなスタッフの女性。
皆さん、台湾が大好きなんです!
ナビが取材している最中も、お客さんがふらりとやってきては、スタッフの女性と気軽に雑談しています。
「スタッフも台湾人や、台湾好きの方に来てもらっています。豆花だけじゃなくて、台湾のいいものをいろいろと伝えたいんですよ」
あるお客さんがスタッフに「台湾でおすすめの場所はどこですか?」と聞いていたら、たまたま隣に座っていた台湾人のお客さんが話に加わって意気投合し、連絡先を交換し合った、なんてこともあったそう。
「台湾が好き!」という思いが集まって新しいご縁を生む、そんな素敵な場になっているんですね。
もちろんテイクアウトもOK! これも懐かしの台湾風ですね
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台中駅の紙模型を発見! なんと以前お店にいた台湾人スタッフがデザインしたものだそう
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「この界隈は、風情ある老舗のお店や有名な料亭がいっぱいあって、散歩しているといろいろな景色に出会えます。ブラブラするだけでも面白いので、ぜひ遊びに来てください」と田邊さん。
神田の街並みを楽しんでから、台湾風情たっぷりの豆花屋さんでちょっと一服…なんて楽しそう! ナビもぜひまた伺いたいです。
東京都歴史的建造物にも指定されている「いせ源」 こんな風格ある建物があちこちにあって、面白い!
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すぐ近くに落語の連雀亭もあるんです。 ちょっと寄り道するのも楽しそうですね
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以上、台北ナビでした。