阿原肥皂(2009年版)

Yuan Soap 阿原肥皂

閉店・移転、情報の修正などの報告

自然と人間と故郷を愛する精神を持つ台湾の人たちが、台湾の自然の中で作った石鹸!

こんにちは、台北ナビです。今ナビは、台北県金山の山奥に来ています。ちょうど盆地になっているこの場所は、四方を山に囲まれ、後ろの山はすでに「陽明山国立公園」に指定されているというぐらい、それまた生き生きとした自然が目に入る癒しの地です。今日はこんな山奥で、せっせこ石鹸をつくりながら、「自然」、そして、「人間」に誠実に向かい合う人々に会ってきました。

ナビと阿原肥皂の馴れ初め

ナビがこの石鹸とであったのは、約半年前。日本の友人とともに、いわゆる「ツアーで連れて行かれるお土産やさん」に入ったときのこと。実はナビは、そんなにお土産やさんが好きなタイプではないのですが、そのフロアの一角から、ぷーんとさわやかな香りが漂ってくることに気がついたのです。寄って行ってみると、他の売り物とは別格の「ナチュラルさ」を漂わせる石鹸コーナーが。その当時、大人ニキビに悩まされていたナビは、その香りに吸い込まれるようにひとつ購入。そしてその石鹸をお風呂場に置いておくと、まるで花が咲いたようなすがすがしい香りが漂うようになり、さらに、使うこと3ヶ月、ナビの肌荒れもかなり改善したのです。それからというもの、効果はどうであれ(個人差ありますから)、この値段で、この芳香作用があるなら!と、お土産として友人に勧め始めたところ、かなりの好評。ナビ読者の皆さんにも教えてあげたいなと思ったまでです。

とはいっても、台湾も日本とかわらず、広告偽装の事件があいついでいます。「天然!手作り!」を唄って作られたこの石鹸ですが、本当に、オーガニックで自然志向なのか、こればかりは生産工程を見なければ判断できません。ということで、ナビ、皆様にご紹介するために、工場見学に出かけてきました。

創始者の阿原さん

ひょろっと細めの、40歳ぐらいのこの方が、社長の阿原さん。全然「社長」っぽくありません。とっても細かいところまで気配りができる方で、その日も一路道中、台湾の観光案内をしてくれました。でも仕事のクオリティはどこまでも上を目指し、仕事の将来設計は、台湾人では珍しく(?)、5年後、10年後先を見据えていました。そんな阿原さんですが、昔からひどいアトピーに悩まされていたんだとか。シャンプーや洗剤を使うと、すぐにその部位が真っ赤に腫れ上がってしまい、仕方なく自分で自然志向の石鹸を作らざるを得なかったというのが、阿原肥皂の発祥の由来です。

「なぜまた金山の山奥に工場があるんですか?」と聞くと、「台北から比較的近くて、まだ汚されていない山と水がある場所がちょうどココだったんだよ。」と答えてくれました。確かに、小川が流れ、四方をすがすがしい山々に囲まれた自然あふれる場所でありながらも、台北まで車で約一時間半。ちょうどいい場所かもしれません。将来、海外でも工場を作ろうと思いますか?と聞くと、「基本的に原料は、使用する人たちの地元のものを使いたいので、『外国産ハーブ石鹸』というものは台湾では作れないですし、売らないでしょう。その土地にあったものを、その土地で生産し、その土地で販売するというのが基本方針。自分の身の回りにあるものが一番自分の体に適しているんです。わざわざ外国で作って製品を輸入する必要もありません。目標は、将来的にすべての原料を台湾でまかなうことです。そのために檸檬やたくさんの木々を植え始めています」堅実実直な精神です。

陽明山ふもとの工場と農園

工場は畑が広がる中にぽつんとありました。実は薬草農園もあるというのです。工場から車を走らせること約5分、車は陽明山国立公園のふもと、全面に緑の草花が茂る空き地に到着。ココは、あまりにも石が多く、持ち主が開墾をあきらめ20年放置し続けていたという場所。残留農薬もほとんど無しに近く、また石ばかりなので、樹の生育には適さず、逆に薬草栽培に適していたんだそう。さらに脇にはさらさらと流れる清流が・・・実際に工場の人たちは、毎朝ココで、栽培している薬草を摘み、根っこについいている土は、脇の清流できれいに洗い落とし、工場まで運んでいます。栽培に使う肥料も、すべて腐葉土でまかなっていました。
現在、レモンの樹やオリーブの樹、さらには桜の樹も植樹しています。20年後には花見ができると良いね!

現在、レモンの樹やオリーブの樹、さらには桜の樹も植樹しています。20年後には花見ができると良いね!

生き生きとしたレモングラス

生き生きとしたレモングラス

この生き生きとしたミント!ナビ食べてみました!

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艾草=よもぎ

艾草=よもぎ

小さな池を作って、自然に地下に水が浸透するようにしているんだとか!あっ おたまじゃくし! 小さな池を作って、自然に地下に水が浸透するようにしているんだとか!あっ おたまじゃくし!

小さな池を作って、自然に地下に水が浸透するようにしているんだとか!あっ おたまじゃくし!

清廉潔白に、地元の笑顔あふれる工場

工場に戻ると、ワンワン!と犬の小白(シロ)と小黒(クロ)が迎えてくれました。野良犬だったこの二匹、オーナーの阿原さんが引き取って飼い始めたんだそう。他にも一匹茶色いのがいました。どれもいつもオーナーの車の先頭を走ってお見送り・お出迎えしてくれる忠犬です。
質素な工場に入ると、かわいらしい笑顔の大福様?お地蔵様の笑顔が。実はこれ、石鹸で作られているんですって。邪念のない、清らかなお地蔵様にぴったりの材料ですね。工場の中には、特別何か派手なものが祭られていたり、絵が飾られていたりそんなことはまったくなく、ただひとつ質素な石鹸の大福様と、入り口の「阿原」だけ。このブランドのコンセプト「簡単的幸福」をよくあらわしています。地域貢献もこの阿原肥皂の大きなテーマ。自然材料だけではなく、そこで働く行員も、この村の人を積極採用していました。工場内部には、約15人。皆さん、特に男性は、昔はまったく違うお仕事をしていたんだそう。このおじさんは昔漁師さん。漁がうまくいかなくて困っていたときに、この工場のお話をもらい、今では娘さんも一緒に工場で働いています。

薬草やオイル

山から取ってきた湧き水。

山から取ってきた湧き水。

油はほとんどが食用にもできる上質のものを使用。パーム・オリーブ・ごま油など数々ありますが、それぞれの石鹸にあわせて調合しています。

油はほとんどが食用にもできる上質のものを使用。パーム・オリーブ・ごま油など数々ありますが、それぞれの石鹸にあわせて調合しています。

油はほとんどが食用にもできる上質のものを使用。パーム・オリーブ・ごま油など数々ありますが、それぞれの石鹸にあわせて調合しています。

薬草は農園での独自栽培ですが、一部買い付けの薬草もあります。使用前には左上の写真のこのように乾燥させています。その後、左下の写真のようにお湯で煮込み、しっかりエキスを抽出します。上の写真の大きな赤いビーカーは、台湾ヒノキのオイル。虫を寄せ付けなさそうな匂いがあたり一帯にぷんぷんします。この高級オイルと、石鹸の元になるパーム油、さらに薬草エキス・粉末エキス(緑豆粉・ヒヨコマメの粉末)・天然海塩などを、レシピ通りに調合させていきます。温度の調整もKEYなんだそう。一定温度を保ち、すべて同じ温度にした状態で、混合させます。

調合と攪拌の開始

この油タンクに、ゆっくりといろいろと調合させていきます。調合担当は、ア-ディオン(阿忠)。オーナーと一緒に工場を立ち上げた、キーパーソンです。生産管理者といったところでしょうか!?ア-ディオンがエキスを油タンクに入れ終わると、石鹸の色がみるみるにごってきました。一分ほど攪拌させるとミルクティー色に。これを数時間かけて攪拌すると、そのうち、粘り気が出てきて、石鹸の元らしくなるんですって。石鹸の製作には「空気」との混ざり具合が大切なんだそうで、この攪拌も、決まった時間ごとに一度攪拌を中止し、石鹸の元を寝かせる必要があります。空気を石鹸中に入れ込むことでさらに滑らかになります。その作り方は、アイスクリームの作り方によく似ています。ただ、かき回し続ければいいわけではなく、絶えず状態を観察し、適当なときに、攪拌・寝かしの作業をしなければなりません。まるで、食べ物を作っているかのようです。

冬眠すること一ヶ月

約4時間の攪拌を経て、次は1ヶ月の冬眠に入る石鹸君。冬眠場所は、工場向かいの倉庫です。最初はまだどろどろの液体ですが、だんだん表面から固まってきます。表面が硬いからって、取り出すのはだめなんですって。早めに取り出しても、こんな風に、中身はぐにゃぐにゃなんです。ナビの指跡が!!

梱包および出荷も手作業で

手前の黒いものが売れ筋のよもぎ(艾草)

手前の黒いものが売れ筋のよもぎ(艾草)

出来上がってからさらに、出荷作業が始まります。阿原肥皂にはそれぞれにシンボルマークが押されているのですが、これらもすべて手作業ではんこ押しされます。まずは、プラスチックのパッドの中から、石鹸の大元を取り出し、規定の大きさに切り分けます。空気に触れた表面ときった中身の色のグラデーションがこの石鹸の特徴です。そして、切り分けられた一つ一つに、作業員がはんこを押していきます。そして出荷前梱包が始まりますが、すべて手作業で梱包が行われています。
石鹸のはんこもすべて手作り。

石鹸のはんこもすべて手作り。

一つ一つ手で押します。

一つ一つ手で押します。

自然乾燥させるので、表面と中身の色が違います。

自然乾燥させるので、表面と中身の色が違います。

一つ一つ手で包みます。

一つ一つ手で包みます。

シールも手で貼ります。

シールも手で貼ります。

ナビもトライしたものの・・・トホホ。右は、直された状態です。 ナビもトライしたものの・・・トホホ。右は、直された状態です。

ナビもトライしたものの・・・トホホ。右は、直された状態です。

石鹸の種類

価格は一つ200元から350元ぐらい。詰め合わせでも売っているので、手土産やちょっとした誕生日プレゼントにも最適。種類は現在合計23種類あり、それぞれに効能が違います。お店には日本語の紹介もありますので、実際に店頭でパンフレットを読みながら、香りを嗅いで購入を決めたほうが良いでしょう。
また、どれも非常に滑らかな石鹸で、水に溶けやすいので、水切りの良いソープトレイ(ナビは無印のスポンジソープトレイを使用)を使用することをオススメします。
こう並べると、まるで羊羹のような石鹸。化学薬品を使っていないので、とてもまずいですが、実は本当に食べても大丈夫なんだそうですよ。また防腐材も入っていないので、保存期間は約1年。生きているんですね。泥シリーズには、出産直後の女性専用の石鹸や、赤ちゃん石鹸なんかもありますし、衣服用石鹸もあり。台湾らしい成分として、「四神」「苦茶」「緑豆・ヒヨコマメ」なんてものも発見。漢方になれない人のファーストステップには使いやすそうです。石鹸の一番の売れ筋は艾草(よもぎ)。これは、阿原さんが初めて作った石鹸で、現在でも看板商品なんだそう。湿疹やアトピーに悩まされている人、体臭が強い人、に効果があります。ナビのオススメは檸檬。芳香作用は抜群で、石鹸が入っていた紙袋は、まだ檸檬の香りがぷんぷんするぐらいです。
工場の奥で、おじちゃんたちが、泥んこ遊び・・・をしているわけではありません。この団子石鹸を、三つ串刺しにして、洗面所に掛けるという商品です。まさか、本当にひとつひとつ手で丸めているとは思いもしませんでした。 工場の奥で、おじちゃんたちが、泥んこ遊び・・・をしているわけではありません。この団子石鹸を、三つ串刺しにして、洗面所に掛けるという商品です。まさか、本当にひとつひとつ手で丸めているとは思いもしませんでした。 工場の奥で、おじちゃんたちが、泥んこ遊び・・・をしているわけではありません。この団子石鹸を、三つ串刺しにして、洗面所に掛けるという商品です。まさか、本当にひとつひとつ手で丸めているとは思いもしませんでした。

工場の奥で、おじちゃんたちが、泥んこ遊び・・・をしているわけではありません。この団子石鹸を、三つ串刺しにして、洗面所に掛けるという商品です。まさか、本当にひとつひとつ手で丸めているとは思いもしませんでした。

石鹸はどこで買えますか?

シーザーホテルのショップスタッフは個人的に「松木」をご愛用

シーザーホテルのショップスタッフは個人的に「松木」をご愛用

こうして、大自然と人間の愛情から作り上げられた、まるで食べ物のような石鹸は、台北市内のシーザーパークホテル地下誠品信義誠品敦南・お土産やさんに専用売り場があります。きれいに並べられた石鹸を見ていると、他のメーカーの「オーガニックソープ」とあまり変わらないようですが、石鹸一つ一つがこの美しい山の中ではぐくまれ、愛情こめられ、一人ひとりの素手から作られていると知ると、たかがひとつの石鹸が、にわかにズシリと手に沈むような気がします。台北ナビでした。

記事更新日:2009-03-18

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2009-03-18

スポット更新日:2015-10-13

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