憧れの茶園風景が一面に広がる阿里山。何もかもが自然で新鮮で、そしてシンプル。通り一遍でない、ちょっとだけディープな阿里山観光を体験してきました!
こんにちは。台北ナビです。
台湾といえば「台湾茶」。これは、もう皆さんご存知ですよね。町には沢山のお茶屋さんが軒を連ね、おいしい台湾茶を販売しています。しかし、実際に台湾茶の産地を訪れたことのある人は、まだまだ少ないのではと思います。度々写真で見る茶畑の畝。あんな景色の中で深呼吸したい!と思っている方々は少なくないはず。
台北ナビ編集部や予約部に「茶畑にいってみたい!」という声をよく聞く中、ご紹介する機会をうかがっていたナビ。折しも今回、嘉義でお茶を楽しもうというメディアツアーが開催されたので、ナビ、期待いっぱい、やる気満々で参加してきました!
これから、一泊二日の行程で、嘉義梅山付近の見どころや宿を回る旅が始まります。梅山といえば、阿里山高山茶のメッカといっても過言ではない、生産量では随一の奇跡の場所です。早くこの日が来ないかと、指折待ちました!
【Day1】台北から嘉義へ
嘉義駅出口のゆるキャラ。農業が超盛んな土地がらが反映されれます。
台北から嘉義へは、高鐡(台湾新幹線)が一番便利です。チケットは、一応前日にコンビニで購入しておいたので、余裕で台北駅6:51発の左營行きに乗りこみ、8:18には嘉義駅に到着。
この日、嘉義はとっても良い天気。南部らしく、からりと晴れています。高山烏龍茶が大好きなナビは、期待MAXにてお迎えのバンに乗り込みました。
嘉義梅山は梅産地だった!台湾の梅のことが知れる「梅問屋觀光工廠」
嘉義駅から車に乗り40分ほどで到着したのは、ピンクの三角屋根が印象的な「梅問屋元氣館」です。ピンクの三角屋根「の「梅子元気館」は商品売り場の入り口。ここに入れば誰でもおいしい梅商品を買うことができますが、こちらの売りは、昔ながらの梅工場設備の見学とDIY体験。
右脇の入り口から、順路にはいり、説明係のお姉さんのお話をききながら、昔ながらの設備や説明、工場ラインの一部見学、そしてDIYルームへと見学してゆきます。
上から見下ろすお部屋大の梅槽。最盛期にはこれが一杯になったそうです
嘉義梅山は昔、一大梅産地であり、日本にも大量の梅干しを輸出していました。日本統治時代に伝わった梅干しが、体に良く、食べ物の腐敗を防ぎ、胃腸にも良いということがわかり、国内での消費が伸びたそうです。
館内では40年以上前に使われていた「醃梅池」を上から見ることができます。一つの仕切りの中は、我が家のリビングよりも容積が大きい「醃梅池」。最盛期には、この「醃梅池」で何部屋分もいっぱいに梅を漬け込んでいたそうです。
製品パッケージの作業をしています
生産作業区をガラス越しに見学できます。ガラスの向こうの生産ラインは清潔そのもの。日本の梅干し技術を残して、味わいを台湾風に作っています。温室の中で、日本でいう夏の「土用」の風景のように、梅干しを干しています。
日本の梅干しは酸っぱいですが、台湾は酸っぱい味が得意でない人が多いようで、仕上げは甘みをプラス。台湾人好みに仕上がっています。ご飯の友、ではなく、おやつにどうぞ!という感じです。日本の梅干し大好きなナビも試食させていただいたところ、予想していたキューっとした酸っぱさはなく、心地よい刺激で何個でもいけそうです。薄味の梅味のお菓子、といった感覚です。
様々なフレーバーの梅たち。お茶請けにぴったり
「梅子」(メイヅ)は、梅の実という意味です。台湾人は、甘めの梅子が大好きです。カラカラに乾燥したものも、多少水分が残っているものも、蜜に浸かっているものなど、タイプもいろいろで、どれも大変ポピュラーです。とても健康的なおやつで、胃が弱い人や、車酔いしやすい人にも歓迎されます。
ナビも、台湾人グループと一緒にバス旅行などに行くと、「梅は体にいいんだよ〜」という一言とともに、必ずと言っていいほどおやつとして配られます。
マニュアル式梅の種ぬき機。塩漬けして柔らかくなった梅の種をパンチで抜きます
DIYエリアでは、手をきれいに洗って消毒した後、すでに塩漬けした梅を、種ぬき機を使って種を抜き、砂糖漬けするという過程を体験します。実はナビ、種ぬき梅に偏見を持っていました。どうやって為を抜いているんだろう?ひと手間をかけている分だけ不潔なんじゃないか、と。
ですが、そんなことは心配無用でした。だって、工場はとっても清潔で、使用する種ぬき機会もとてもシンプル。これなら超安心して種ぬき梅をいただくことができます。
普段は、すでに塩漬けした梅を使うこのDIYを行いますが、梅の収穫時期にのみ、生梅を使ったカリカリ梅DIYを体験できるそうですよ。
梅問屋觀光工廠
嘉義縣梅山鄉中山路527號
0800-606060
8:00~18:00
年中無休
阿里山の台湾原住民といえば「鄒族」!彼らの住む「來吉」へ
梅問屋から一時間半のドライブで、台湾原住民鄒族の住む「來吉(ライジー)」へ。勾配のきついせまい道をバンはぐんぐん登って行きます。ナビは酔わないタイプなので大丈夫でしたが、車酔いしやすい人は、酔い止めを絶対に前もって飲んでおいたほうがよいと思います。または、先ほどの梅問屋の梅干しなどを含んでおくと良いと思いますよ。
梅山汗路というのは、険しい山の中を汗水たらしながら道を通した、とても大変な思いをして道を造ったという意味でついた、道路の名称です。車で登っても本当に険しかった。そこのあなた、たったの一時間半で着くの?なーんてゆめゆめ思わないでくださいね。一時間半、ずーーーっと急な上り坂で、揺られに揺られますから。
長い植物の葉をお水で清め、我々に向かって神主さんのように左右に振ります。
結構な勾配とカーブを繰り返し、かなり山奥に。向こうの山肌の上の方には、茶畑が見えたり隠れたり。この山の茶畑は、本当にどれも山の上の方に造ってあるんです。ずーっと登り角度だったバンが、平らなところを走り始めました。程なく停まるとそこは、四方を山に囲まれた駐車場。車外に出ると、空気が新鮮!やっと到着です。
そこで鄒族の方々の儀式でお出迎えを受けました。緑の中に、民族衣装の赤やオレンジがよく映えてきれいです。
「そういうことです!(ようこそ!)」
少人数でこぢんまりとお迎え下さいましたが、きちんとしきたりに則ってお迎えの儀式をしてくださいました。挨拶は、「アビビオビ!」。北京語でいうと「就是這樣子」という意味だそうで、それを聞いた台湾人記者さんたちから笑い声が。日本語訳すると「こういうことです」。英語だと”Just like this” 。正当な儀式の挨拶の言葉にしては、とても単純で簡潔。素朴で素直な鄒族の方々の習慣に触れて、ナビも阿里山に来たなあ!と感慨深く思いました。山の民族の歌声はとても美しく、風邪をひいて声が出ない、といっていた「アビビオビ」のおじさまも、高らかに一人男性パートを朗々と。a cappellaの歌声が方々に響き、ナビたち記者以外の観光客も集まって、聞き入りましたよ。
鄒族×南アフリカ人女性の縁が生んだ「HANA廚房」
さて、ここは台湾のメディアではちょっとした有名店。なんと、ここのオーナーは南アフリカ人女性なのです。
Hannaさんは当初、台湾に英語の教師としてやってきました。嘉義で英語教師をしながら、休みの日にはいろいろなところに出かけて台湾ライフを楽しんでいたそうです。ある時、阿里山に遊びに来て道がわからなくなってしまったところを、英語が話せる鄒族の女性に助けられ、その女性の甥っこさんに一目惚れ。台湾に定住し、結婚することを決意したそうです。地球の裏側からのすごいご縁が、二人を引き合わせたのですねえ。
Hannaさんの北京語はとても堪能です。しかも大変ナチュラルな話し方で、異文化の地に溶け込んで頑張っている様子をお聞き、来台23年のナビもいろいろ振り返ってジーンときましたよ。こういう山の中にレストランを作るのは、あらゆる意味で挑戦なのだそうで、いかに地元のものを活かしていくか、わざわざ平地から凝った材料を取り寄せたりしないで済むようにするかなど、課題もありますが、大いにやりがいを感じているのだそうです。
窓のない開放的なレストラン、大自然に包まれての食事です
メニューはいろいろですが、名物のピッツァ、パン、イノシシの塩漬け肉、ソーセージ、パンプキンスープなどをいただきました。盛り付けが素敵で、お味もナチュラル。毎日、遠方から車でたくさんのお客様が訪れるそうです。中には台北からやってくる人もいるんだとか。
お味の方は、ナチュラルで素材を活かした優しいお味。お肉も塩をとスパイス味。サラダはお酢とオイルで。
盛り付けが上手で、新鮮な食材がさらに美味しそう!窓のないレストランは、後ろの山の緑に食材の赤や黄色がよく映えます。冬はどうするんだろう?台風が来たら?そんな心配をよそに、お客さんが次々と訪れます。今日は平日だよね?もう、すっかり有名店なのです。
阿里山の山々の緑が直接レストランの席からみえるレストランは、風景も御馳走です。山々の緑も美味しい空気も、いっしょにいただきまーす!
Hana廚房嘉義縣阿里山鄉來吉村三叉路(三角點)
0975-117-154
11:00~17:00
月・火曜休み
野生動物をモチーフにした作品が広がる「不舞作坊」
開放的な雰囲気のスタジオ内
美味しい山の幸でお腹もいっぱいになり、午後一番に訪れたのは、鄒族の女性アーティスト、不舞(pu-u)さんの工房です。
原住民の方々は、北京語の名前とともに、原住民の名前もお持ちです。彼女の鄒族としてのお名前は、Pu-u Akuyana。中国語を当てると、不舞‧阿古亞那となります。
控えめながらも情熱的に語られます
「不舞作坊」には、オーナーの不舞さんワールドが広がります。作品は絵画、木片に色づけしたウッドブロックアートやキャンバスに描いた油彩、山豬(イノシシ)をモチーフにした作品が並んでいます。
とても自由な空間で、バーカウンターではお母様とご近所さんがおしゃべりに興じ、この空間のアクセントとなっている赤いカウチのそばにはノートパソコンが、まるで今まで使われていたような状態で置かれ、自由な発想の原点のように開かれたままになっています。
メインテーブルには、グリーンをふんだんに使ったテーブルコーディネートがなされ、ナビ一行を迎えてくださる心配りが感じられました。控えめながら心こもった歓迎の意。この素朴さに心温まります。
オーナーの不舞(pu-u)さんは、学校を卒業した後、一旦都会に働きに出てから、集落に戻ってきた方です。お母様と暮らしながら、早餐店(朝ごはん屋さん)を手伝い、イノシシの飼育をしながら、奮起湖でキャベツやバーベキュー肉を売ったりする日々を過ごすうちに、鄒族のお年寄りから、かつての集落の男性は、イノシシと戦い、勝つことによって一人前の勇士と認められたという話を聞き、イノシシをモチーフとした芸術作品を作るようになったそうです。
この憂いが彼女の作風です
モチーフはイノシシやクマなどの野生動物なので、荒々しくダイナミック!かと思ったらそんな感じではなく、どちらかというと控えめで「静」。
鄒族文化の消失に加速がかかる中、イノシシの作品を作り続けている不舞さん。時代の流れには逆らえず、近代化の波が生活を便利にしてゆく反面、伝統文化を次々に失ってゆく悲しみが、作品にそこはかとない憂いを与えているのでしょう。
きちんと作られた紅茶は、まろやかでとても美味
喉がかわいたナビたちに不舞さんが出してくれたお茶は「阿里山紅茶」。茶業改良場の指導をきちんと受けて作っているそうで、お味もなかなか本格的。標高の高いところで育った茶葉を使って作る阿里山紅茶は、甘みが強く渋みが少ないのが特長です。こちらで販売もしています。
不舞作坊
嘉義阿里山鄉來吉村4鄰113號
(05)266-1804
10:00~17:00
阿里山高山茶農園に出合えた「觀日峰茶園」
このために参加しました〜!霞がかかる高山独特の茶園
今回のツアー、最大の目的が「嘉義で美味しいお茶に出合う」こと。待ちにまった茶園見学です。
阿里山は、高山茶の一大産地であり、作付面積も広大です。山道を上るバンの車窓からは頻繁に、向こうの山肌一面に広がる茶畑を見ていました。いよいよ、ナビ一行が茶畑のなかに行く時間です。
「阿里山高山茶」といえば梅山太和、というくらいメジャーな茶所。バンが山を上がっていけばいくほど、窓から見える茶園が広がってきました。アクロバティックな運転技術を披露しながら、どんどんのぼっていきます。フロントガラスからは空しか見えないような最後の勾配を上るとそこは、天空に広がる畝、畝、畝。茶畑の世界が広がっていました。
雲間から漏れる光神々しく
やった! 来ました! 遂に! ナビはこの数日、この景色を心待ちにしていましたよ。ここは梅山茶區太和の「觀日峰茶園」という個人の茶園。ですが、あまりに風景が美しいので有名で、メディアなどによく登場します。観光茶園ではないため、一般観光客がいきなり行って入ることはできません。しかも、とってもわかりにくいところにあります。今回は、地元の太和社區発展協会の郭文國理事長にご一緒いただきました。郭理事長は、とても親切で気さくなお方です。
太和社區発展協会 郭文國理事長
0933-618-125
茶畑が、果てしなく
来てみてびっくり。茶園がものすごく清潔。ちりひとつない、といいますか、余計なものがまったくないのです。観光地ではない、本当にきちんと管理された質の高い茶園であることがわかります。農道も茶畑もたいへん清潔で、畝の筋が遠くまで綺麗に整っていて、そこにいるだけで清々しい心地になってきます。お茶の葉に触れてみると、柔らかく厚みがあって、なんとも言えないベルベットフィーリング。もう、生えてる時から美味しそう(笑)。
ナビの立っている丘だけではなく、向こうもそのまた向こうも、茶の木の畝が延々と続きます。郭文國理事長のご説明によれば、特賞を獲得するような優秀な茶畑には、背の高い木が植わっていて、その木が風を呼び、茶の木が健全に育つのを助けるのだそうです。うっすらと霞がかかる幻想的な風景に、ナビたち一行はシャッターを切る手を止められませんでした。
ダブル項目でチャンピオン、という意味でしょうか
ここでできたお茶を、理事長の製茶場でご馳走になりました。
飾らぬ店構え。そして、たくさんの受賞の証。淹れ方だって、いろいろなお道具なんて使いません。いい茶葉とお湯と容器さえあれば、という朴訥さが逆にカッコいのです。
地元の食材をふんだんに使った料理に定評あり!「茶壺餐廳」
どことなく、昭和な佇まい
日も傾いて、食事の時間となりました。お昼にかなりお腹いっぱいになったはずなのに、不思議とお腹はきちんと空くものですね。夕飯は、同じ梅山郷瑞里村にある「茶壺餐廳」で、早めの夕食をいただきました。
「茶壺餐廳」は、阿里山にハイキングに来る人々に、「この辺で食事のできるところはないですか?」と度々聞かれることから、客が不便に感じているのを見かねて、それならレストランを開いてみようか、と、1989年に簡単な食事を提供する小さなお店からスタートしました。このレストランの奥様は、以前「全世界中國菜厨技大賽」で、決勝戦まで勝ち残ったとても腕の良いシェフなのです。こんなに素朴な山の中なのに、コンテストに勝ち残るようなすごいシェフがご飯を作ってくださるというので、ナビはとても驚きました。
間も無く、お料理がどんどんと運ばれてきます。どれも、地元の食材を使った、体に良さそうな、新鮮なものばかりです。そして、ものすごーーく美味しそう!
お食事は、どれもとても美味しかったです。肉も魚も野菜も、どれをとっても素材が素晴らしいのが、食べていてよくわかります。
例えば、鶏肉。街で食べる蒸し鶏とは、全く別物で驚きました。食感や、噛むと滲み出てくる肉汁の濃厚さと臭みのなさ、そして、合わせるソースの塩分が加わると、純粋な甘みが口の中に広がります。たけのこのスープも絶品で、ナビはもう、このスープを永遠にすすっていたかったです。
他のものも全てかなり美味しいのですが、逆に何の変哲もない野菜炒めの甘さが全然違うのにもショックを受けました。本物は、こんなに違うんだ!と。それもそのはず、使われているのは全部高原野菜レベルの高品質。ここではこれが標準なのです。何て贅沢!
ベッカムヘア、どことなく外国人風なおじいちゃま
食事の後は、宿のおじいさんが淹れてくれるお茶をいただきます。さすが茶所、お茶が美味しい!次々と淹れてくださるお茶を飲みながら、お腹とお口をさっぱりさせます。
外国人のようなお顔立ちなので、そう伝えてみたら、「ええ〜?」と照れ笑いなさっていました。地元のご出身たとのことです。ベッカムヘアがダンディーでしたよ。
茶畑を見に来るなら宿泊必須!おすすめ民宿をご紹介します
瑞里村から166縣道から瑞峰村162縣道にかけての道沿いには、多くの民宿が点在しています。今回はその中から、特色ある6軒をご紹介します。ここでご紹介するのは、もちろん合法的に問題ない民宿です。梅山を観光するのに、安全でここちよいベースとなる宿ばかりです。
お茶を入れる道具セットが各階、ロビーに
昔ながらのロビーがノスタルジック。スタッフが笑顔で迎えてくださいます。1階は喫茶店。飾り気はないですが、出してくれるお茶やコーヒーは本場阿里山モノです。
お食事はおとなりでできるので、とても便利。山の上では、近所にすぐに行けるレストランや商店がないので、お食事に便利というのはとても重要なポイントです。
宿泊ルームは2階と3階にあります。さすがは茶所、2階と3階両方に、お茶を淹れて飲める本格的な泡茶卓が何組も設置されています。宿泊客は、自分でお茶を入れて飲むことができます。とても楽しそう。お部屋もとても清潔です。
瑞里茶壺民宿嘉義縣梅山鄉瑞里村102號
(05)250-1806
「阿本的家民宿」
外はこぢんまりですが中はログハウス風
宿泊施設は比較的新しい建物で、中は贅沢に木をふんだんに使った内装。部屋の中へ一歩入ると木の香りに包まれます。この民宿の特徴は、宿泊棟は基本的に就寝のみに使うようになっており、おしゃべりやレクリエーションは道を挟んだ向かいの建物で、気兼ねなくゆっくりと楽しむことができます。
日本の蔵のような造りの母屋を改造して、お茶を飲みながら麻雀やカードゲームなどをしたり、星を眺めたりできる広いスペースが解放されており、旅の夜を楽しめそうです。隣の民家とは距離があるので、多少の音や声は大丈夫だそうです。ちなみに、このレクリエーションスペースは、オーナーが生まれ育ったお家だそうで、頑丈な柱をたくさん使い、漆喰で壁を固めた造りです。20年前の921大地震のときにも、この築100年近い母屋はビクともしなかったそうですよ。ここでも、各お部屋に茶道具がありました。
阿本的家民宿
嘉義縣梅山鄉瑞里村2鄰105號
中身はログハウスふうの木目
|
|
漆喰を使った蔵風な以前の母屋が遊び場に
|
「瑞里印象區咖啡民宿」
ロゴがなんだかちょっと某カフェチェーンのものに似てて可愛い民宿です。日が暮れてしまってからの到着となりましたが、ライトが灯された様子もとても綺麗でした。コーヒー民宿、と名乗るだけあり、美味しい阿里山コーヒーを淹れて、お出迎えくださいましたよ。酸味とコクがあってとてもおいしいコーヒーです。そして、ここでも大きな茶壺で茶所をアピール。茶葉とコーヒー豆を販売するショップも品揃え充実です。お部屋は木目の綺麗な床と壁に、清潔な大きいベッドがきれいに整えられています。エアコン完備ですが、高山なので扇風機で十分快適に過ごせそうです。
こちらの民宿では、春には藤の花が、夏にはホタルが楽しめます。
瑞里印象區咖啡民宿
嘉義縣梅山鄉瑞里村幼葉林98號
(05)250-1629、(05)250-1379
「一品茶業民宿」
お茶屋さんとしての広い間口
民宿とともに、製茶場直営で卸もやっている一品茶業。民宿のロビー兼茶葉売り場には、所狭しと30斤入り高山茶真空パックが積み上げられています。すごい量!
30斤真空パックの山を超えて中に入ると、お客様に試飲させるための大きな木製お茶入れテーブルがあり、小分けパックも売っていました。
多少ごちゃっとしたロビーですが、使っている建材がゴージャスなのに、ナビは気付いていました。合板はほとんど使われておらず、ソリッドな樟(くすのき)をふんだんに使っています。宿泊部屋は上階の床も壁も、階段の手すりも全て上質の木製です。流行りのインテリアではないかもしれませんが、ゴージャス建材は阿里山山中ならではと思いました。
一品茶業民宿嘉義縣梅山鄉瑞里村幼葉林102號之2
(05)250-1559、(05)250-2345
「阿漢的家民宿」
外壁の仕上げが洋風で、これまでの4軒とは違う特色を持つ外観です。階段にはプランターとテラコッタの鶏ランプがライトで幻想的に映っています。階段を上がると、ログハウス風の建物と、昭和の高原にあったアーリーアメリカン調な建物とのセッションが微笑ましいテラスが。ナビは一人ノスタルジックな気分になりました。
宿泊棟はログハウス風の建物。大きなロフト付きで6人泊まれるお部屋です。家族連れやお友達で、わいわい泊まったら楽しそう。ちょっとスケールの大きい山小屋風の民宿です。
そして、外にはやはり、お茶淹れテーブルが。年季は入っていても、テーブルも椅子も、ソリッドウッドです。何て贅沢!
道を挟んだお向かいには、樟木をより現代風に生かした喫茶空間が。木の自然な香りに包まれてお茶を入れて飲めたら、夢心地なはず。窓の外はすでに闇。昼間は景色が素晴らしいそうです。今度はぜひ昼間も来てみたいです。
阿漢的家民宿
嘉義縣梅山鄉瑞里村79號
0911037729、0932981526
「野薑花民宿」
今回拝見した民宿の中で、建物が一番新しい民宿でした。紅檜の壁からの芳香が室内を包みます。広くて綺麗な芝生のお庭のわきを通って、二階にあるお部屋に。湿気の強い山の中だからでしょうか?今日見たすべての民宿の宿泊部屋はすべて上階。大人数用のお部屋は、大きなロフト付きで、6人泊まることができます。一階にある綺麗なカフェテリアが印象的でした。そして、壁いっぱいの製茶コンテストの賞状が圧巻です。
野薑花民宿
嘉義縣梅山鄉瑞峰村坔埔5號(瑞太遊客中心旁)
(05)250-1095
行く場所、会う人すべてお茶関係。さすが高山茶のメッカ、梅山です。ご紹介した民宿には、一箇所だけでなく何箇所も、お茶を入れるテーブルが用意されていました。レクシエーションスペースにも、各宿泊部屋の中にも、各階飲水スペースに、ロビーに、庭園に、考えうる人が集う場所には全てお茶道具が用意されていました。ここは正真正銘の台湾茶の故郷なのです。
すでに日もとっぷりと暮れ、空には星が瞬いています。空気が綺麗で付近に明かりがないので、星も大変よく見えます。これから、竹林の中で台湾茶道でおもてなしくださるとのこと。真っ暗でどんな場所かもわからないまま、バンを降りここに着いたときは、街灯もなく車のライトだけがたよりです。が、なんとここから少し歩かなくてはならないようです。
スマホのライトで周囲を照らすと、どうやら竹の密林の中のよう。昼間に来たら、きっと美しい緑でいっぱいなのでしょう。なんといっても、緑色隧道(グリーントンネル)という名前の付いた場所ですからね。
真っ暗な道を進んで行くと、なんと暗闇に中国茶席が設えられているではありませんか。阿里山のお茶でおもてなしするべく、こんな真っ暗ななかで、遅延著しいナビ一行を、女性が数人で待っていてくれたのです。すごいホスピタリティ。綺麗な所作で、阿里山高山烏龍茶と阿里山高山紅茶を振舞ってくださいました。どれも、厚みあるおいしさでした。
ここは、孟宗竹、桂竹、柳杉林、鳳凰木などが豊富に茂り、茶園も見渡すことができ、季節になると蛍が飛び交うとても美しいところだそうです。いろいろな季節に訪れて、季節を楽しめそうですね。
この後、ナビたちは夕食をいただいたところと同経営の「茶壺民宿」に宿泊しました。たっぷりのスケジュールでくたくたでしたが、時計を見たら21時前。この疲労度からもう22時を回っているかと思いました。それほどみっちりと、密度の濃いツアー1日目でした。
さすがは高山、夜はひんやりと涼しく、なかなかに快適です。
昼間かいた汗を流すべく、シャワーを浴びると、水の質がまた最高です。バスタブがないのがもったいないほど、なめらかなよい水質で、今日1日の汗とホコリをさっぱりと洗い流し、ベットに倒れこみました。広い部屋、清潔な寝具、夜は静かでぐっすり眠れました。翌朝は4時起きしてご来光を拝みに行きます。
こうして1日目は終了。2日目の様子はまた次回♪
以上、台湾茶大好き台北ナビがお届けしました。