本当の台湾に出逢う旅をしよう~「大林スローライフシティ小旅行」~

南部・嘉義の田舎町で懐かしい台湾と温かな台湾の人に出逢う旅

こんにちは、台北ナビです。

「もっと台湾を知りたい!」「いつもと違った旅がしたい!」

そんな方におすすめしたいのが、ミニツアー「大林スローライフシティ小旅行」です。大都会台北をめぐる旅では出会えなかった、ほっこりしちゃう温かな台湾がココにありました…。それではナビがひと足お先に参加してきた模様をレポートしたいと思います。 

国際スローシティ、大林


参加したのは、南部・嘉義の大林を散策するショートツアー、「大林スローライフシティ小旅行」です。大林…ってどんなとこ?

下関条約により台湾割譲が決まり、日本軍が上陸したことに反発して起きた乙未戦争。その様子が描かれた「平定臺灣戰圖」 の中の1つ「大埔林之戰」 は、その昔この地で起こった戦いの1コマです。

そんな激動の時代をくぐり抜けてきた大林ですが、現在は米、パイナップル、サトウキビ、そして、蘭の花栽培が盛んな穏やかな地方です。

そんな大林、2016年に国際スローシティに登録されました。

これはイタリア発祥のスローライフ、スローフード運動から派生した地域文化運動で、台湾ではココ大林と、花蓮の鳳林、苗栗の南庄と三義の4都市が認証されています。のんびりとした田舎の風景と、昔ながらの町並みが今なお広がります。

ちなみに日本では気仙沼市と前橋市の2ヶ所だけなんだとか。

鉄路の旅を楽しみながらアクセスしよう


「大林スローライフシティ小旅行」の集合は、台鉄「大林」駅の改札口。これを聞いた時にはナビ、とっても不安になりました。

でも大丈夫!台北から高鉄で「嘉義」駅までビューンと1時間半のトリップ。そこからはシャトルバス高鉄快捷公車に乗って、「台鉄嘉義站後站」バス停まで(約20分)。さらに台鉄に乗り換えて、台鉄「大林」駅(約15分)まで行けば到着です。もっとラクに行きたいのなら高鉄「嘉義」駅からタクシーに乗ってもよし!

嘉義の見どころ、阿里山や檜意森活村などと合わせて訪れてもよいかもしれません。

集合は特色ある台鉄「大林」駅で

台鉄「大林」駅の改札を出ると、本日のガイド林家緯さんが迎えてくれました!「大林」は小さな駅なので、すぐに落ち合うことができますよ。
改札を出たところが待ち合わせ場所

改札を出たところが待ち合わせ場所

窓がいっぱいで風が抜けます。気持ちいい~♪

窓がいっぱいで風が抜けます。気持ちいい~♪

23.5度の階段は緩やか

23.5度の階段は緩やか

かつてこの駅は台湾鉄道の外、台湾糖業鉄道が敷いた新港線と小梅線も通る周辺エリアの鉄路の拠点でした(現在は新港線と小梅線は廃線)。現在駅舎は建て替えられ、後站(駅の裏側)への移動もラクラク。木をふんだんに使用した、風がよく通るエコ仕様で、とりわけ一般の駅よりも緩やかな階段は、嘉義に通る北回帰線(北緯23.5度)にちなんで、23.5度の角度に設計されているんだとか。
大林は中国語だと「ダーリン」。だから、我が大林…My Darling(マイ・ダーリン)

大林は中国語だと「ダーリン」。だから、我が大林…My Darling(マイ・ダーリン)

特産はお米と蘭の花なんです!

特産はお米と蘭の花なんです!

タウン散策スタート!


まず訪れたのは「台鉄大林駅長宿舎」。台鉄「大林」駅は日本統治時代の1903年(明治36年)に開業しましたが、当時駅長の宿泊施設として駅のとなりに建てられたのがココ。近年、リノベーションされて趣きのある建物に生まれ変わりました。現在はイベント時しか開放していませんが、いずれはカフェや茶芸館に…なんてことになればいいですね!

線路沿いの道はその昔、宿屋が多く栄えたところ。現在は閉ざされたシャッターが目立ちますが、昔ながらの建造物は興味深いものがあります。店の奥を覗くと、店主が作業中。ふと目が合うと、笑顔を返してくれてホッと和みます。
当時をしのばせる昔の旅社が並びます

当時をしのばせる昔の旅社が並びます

映画館の看板描きがココにいるんだそうです!

映画館の看板描きがココにいるんだそうです!

元飲み屋、雑貨店だった「南榮行」は当時の建築美が楽しめる

元飲み屋、雑貨店だった「南榮行」は当時の建築美が楽しめる


しばらく行くと「武聖宮」という廟が。ここは台湾でもたびたびニュースになるほどの廟。祀られているのは商売の神様関聖帝君ですが、 著名な訳はお参り時に使う赤い三日月形の「筊杯(ジャオベイ)」にあります。

みなさんも台湾の寺廟でお参りする時に投げたことはありませんか?この2つの筊杯の向きで神様のご機嫌を伺う訳ですが、普通は表表・裏裏・表裏の3つ。そしてスペシャルバージョンとして筊杯が立ったり(立筊)、布に引っ掛かったり(掛筊)することもあるとか。これらは奇跡が起こる縁起もの。こんな滅多に起こることのない立筊や 掛筊がここではたびたび出現し、またそれが長期間そのままの形を保っているんだとか。訪れるだけで運気がアップしそうです~!
立筊&掛筊。右側写真の中央左下の布に掛かっているのが見えますか? 立筊&掛筊。右側写真の中央左下の布に掛かっているのが見えますか? 立筊&掛筊。右側写真の中央左下の布に掛かっているのが見えますか?

立筊&掛筊。右側写真の中央左下の布に掛かっているのが見えますか?

レトロなシネマ「萬國戯院」


続いて訪れたのは「萬國戯院」。

かつてこの辺りには多くの映画館があったそうですが、現在はココだけに。といっても、こちらも普通の映画館として毎日上映を行なっている訳ではありません。かつての文化物をよみがえらせ、イベント会場として利用しています。中には大林の歴史に触れることのできる展示も。このツアーでは内部見学と大林の紹介VTR上映が行なわれます。
趣きのある映画館内部 趣きのある映画館内部

趣きのある映画館内部

■萬國戯院
嘉義県大林鎮平和街21-7号
0952-251-234

老舗漢方薬屋さん「泰成中藥 」の博物館見学&DIY教室

旅のメインの「泰成中藥」は、この地で70年続く老舗の漢方薬の店。市場前の路地を入った先にあるのがショップ、そしてその手前にあるのが博物館&DIY教室の「開心乒乓館」となっていて、 オーナーの許開興さん自ら案内をしてくれます。
昔ながらの佇まいの店舗 昔ながらの佇まいの店舗

昔ながらの佇まいの店舗

自然素材から作られる漢方素材のいろいろ~。植物や昆虫、その殻…など 自然素材から作られる漢方素材のいろいろ~。植物や昆虫、その殻…など 自然素材から作られる漢方素材のいろいろ~。植物や昆虫、その殻…など

自然素材から作られる漢方素材のいろいろ~。植物や昆虫、その殻…など

自分に合った漢方薬が欲しい…!なら相談してみましょう 自分に合った漢方薬が欲しい…!なら相談してみましょう

自分に合った漢方薬が欲しい…!なら相談してみましょう

「開心乒乓館」は漢方の文物館。かつて使われていた調合のための道具や機械のいろいろが展示されていて、実際に手に取って動かしてみることもできます。また建物自体が昔の面影を残していてステキ!絵になるフォトジェニックな空間をカメラに収めましょう。
二代目&三代目オーナー

二代目&三代目オーナー

泰成中藥 文物館「開心乒乓館」

泰成中藥 文物館「開心乒乓館」

漢方薬を作るための道具類 漢方薬を作るための道具類 漢方薬を作るための道具類

漢方薬を作るための道具類

雰囲気のある室内 雰囲気のある室内 雰囲気のある室内

雰囲気のある室内

一通り見学をしたら、DIY教室の時間です!本日は手軽に体を調整できるヘルシー漢方茶を作りの体験です。といっても、作り方はとっても簡単。数種の漢方材料(今回は、黒豆・何首鳥(ツルドクダミの根)・黒ゴマ・ステビア)をすりつぶし、混ぜ合わせるだけ。小さな子供にも手軽にできる内容です。すりつぶしていると、黒豆の香ばしい香りにリラックス~♪美肌やアンチエイジング、さらにダイエット効果もあるんだとか!作ったティーバッグはもちろんお持ち帰りOK!飲みやすいのも特徴です!
10~15分ほどでできる簡単DIY 10~15分ほどでできる簡単DIY 10~15分ほどでできる簡単DIY

10~15分ほどでできる簡単DIY

■泰成中藥
嘉義県大林鎮中山路55-1号
(05)2652-2563

再びタウン散策でシメ!


続いて「泰成中藥」のとなりにある「十信視界」を見学。こちらは創立60年を越える老舗のメガネ屋さん。建物は当時の建築様式をしのばせつつ現代風にリノベーションされたオシャレな雰囲気です。通りから見るとまるでカフェのよう。単なるメガネ屋さんとしてだけでなく、人と人とがつながる空間になるよう設計されているとか。カフェと間違えて入ってしまっても大丈夫!荘オーナー夫妻が1杯のお茶と共に温かく迎えてくれますよ!

■ 十信視界
嘉義県大林鎮中山路55-3号
(05)2655-5656

そして最後は路地裏探検へと繰り出しましょう!

「泰成中藥」前の63路地&公園は数百メートルの短い路地ですが、住民たちの手によりかわいらしい緑あふれるストリートに大変身。カラフルな南国の花や野鳥、野良猫…のんびりとした風景が広がり、歩くだけで気分転換に。路地の奥には大林出身の元シェラトンシェフが開く小さなフランス料理の店「巴比松」が。予約必須の人気店です。路地を抜けた先は、待ち合わせをした駅へと続きます。
63路地&公園 63路地&公園

63路地&公園

夜間に活動するはずの鳥が捕獲中

夜間に活動するはずの鳥が捕獲中

長屋の様子もいい感じ

長屋の様子もいい感じ

猫は昼寝の真っ最中~!

猫は昼寝の真っ最中~!

おばあちゃんはお散歩中

おばあちゃんはお散歩中

細い路地は太陽の光が差し込むとキレイなんですって!

細い路地は太陽の光が差し込むとキレイなんですって!

フレンチの「巴比松」

フレンチの「巴比松」

今回のツアーはここで終了。約3時間のショートトリップは、町の人の温かさと懐かしい台湾文化に触れることのできるものでした。ほかにもステキなカフェや伝統市場の美食…なども隠れています。さぁ、ランチをしたらもう少し1人で歩いてみようかな?「ニーハオ」と声をかければ、温かな笑顔が返って来るそんな町、大林。みなさんも旅してみませんか?

以上、台北ナビでした。

大林ツアー番外編:ランチは「秀花大林狗尾鷄王」


ツアー内に食事は含まれませんが、希望すれば手配もOK(要別途料金)!そこでナビは地元でおすすめという「秀花大林狗尾鷄王」へ。とりわけ漢方食材を使ったスープ「狗尾鷄湯」が人気だとか。漢方…と聞くだけで「苦いのかな?」と敬遠しがちですが、あっさり味のダシがよくしみ出ていて何杯でもおかわりしたくなってしまう味。ほかにもヘルシー中華メニューがずらりと並びます。お食事に悩んだらぜひココへ。

■秀花大林狗尾鷄王
嘉義県大林鎮中山路1巷60号
(05)2655-5806

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2017-10-24

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