台湾鉄道ナビ 2017年4月

今月注目したいのは、旧新北投駅の駅舎☆


こんにちは、台北ナビです。
旧新北投駅舎が人気を呼んでいます。
古跡巡りや温泉も楽しめる新北投。1日かけて、ゆっくり楽しんでみませんか?

台鉄管理時代の旧新北投駅舎が、彰化県の台湾民俗村から帰郷!

日本統治時代の木造建築である旧新北投駅舎が20年の時を経て新北投に甦りました。台湾民俗村からの返還移設に際して、1916年開業時の姿に近づけるよう美しく復元されています

日本統治時代の木造建築である旧新北投駅舎が20年の時を経て新北投に甦りました。台湾民俗村からの返還移設に際して、1916年開業時の姿に近づけるよう美しく復元されています

台北市文化局は4月1日、一世紀前に建築された新北投線旧新北投駅舎を彰化県にある台湾民俗村から新北投の地に戻したのを機に、記念式典を行いました。
旧新北投駅は1916年4月1日、負傷兵の輸送を目的に開業した台鉄新北投線(新北投~北投間1.2㎞の単線)の駅でした。同線はその後観光路線となって長い間地域に根付きましたが、台北MRT淡水線の建設に伴い,1988年7月15日をもって廃止されました。現在の新北投は1997年3月28日、淡水線新北投支線の終着駅として開業した歴史の浅い駅です。役目を終えた旧新北投駅舎は、日本統治時代の貴重な木造建築物であることから解体を免れ、彰化県の台湾民俗村に売却.この場所での保管・展示されていました。
一方台北市には「長い歴史を持つ旧駅舎は新北投のものだ」と新北投の地域住民からの要望が強くなっていきました。それらを受け以後、駅舎修復や新たな設置場所などについて度重なる争議を経て、このほど旧駅舎が晴れて新北投への“帰郷”実現を果たしたのです。
台湾鉄道ナビ 2017年4月 駅 鉄道 台鉄 SL 日本 列車 台車 総統北投 中は資料館となっていて、当時の資料が展示されています

中は資料館となっていて、当時の資料が展示されています

台湾らしい趣を感じる現在のMRT新北投駅

台湾らしい趣を感じる現在のMRT新北投駅

こちらは改札側.木の温もりが感じられます

こちらは改札側.木の温もりが感じられます

旧線時代とは隔世の感がある近代的な新北投駅ホーム

旧線時代とは隔世の感がある近代的な新北投駅ホーム

オリジナルグッズも駅舎内で販売 オリジナルグッズも駅舎内で販売 オリジナルグッズも駅舎内で販売

オリジナルグッズも駅舎内で販売

ギャラリーになった駅舎内の様子 ギャラリーになった駅舎内の様子
ギャラリーになった駅舎内の様子 ギャラリーになった駅舎内の様子

ギャラリーになった駅舎内の様子

写真提供:邱浚嘉

★新北投、北投の観光スポット★

甦った台鉄の蒸機第二弾,CK124が山海線で復活運転!

JR北海道“冬の湿原号”との姉妹列車提携締結5周年を祝し、CK124蒸機牽引の復活運転列車が山海線で運行されました。ヘッドマークに日本らしさが漂います

JR北海道“冬の湿原号”との姉妹列車提携締結5周年を祝し、CK124蒸機牽引の復活運転列車が山海線で運行されました。ヘッドマークに日本らしさが漂います

台鉄が所有する蒸気機関車CK124とJR北海道が運行するC11 71で牽引する“冬の湿原号” が、2012年の姉妹列車提携締結から今年で5周年を迎えました。台鉄ではこれを記念し、3月25日にCK124牽引の“春之列車山海一日遊(春の山海一日遊び列車)”と称する復活運転イベントを開催しました。
列車はブルーに白帯の非冷房普通客車を牽引し、山海線の美しい景色を走り、苗栗鉄道車輛公園や去年10月16日開通の台中市内の鉄道高架区間も楽めるため、多くの利用客で賑わいました。また青い補機のR40にも熱い視線が注がれました。
台鉄における蒸機復活運転はCK101が最初で、CK124は2番目。イベントで披露される機会も多いため、ファンの間で“懐かしの蒸機”といえばCK124が代名詞でした。
鉄道CK124は最盛期に7輛在籍したCK120型(212~127)の1輌で、日本統治時代に台湾総督府鉄道部が集集線で使用するため就役。当初の形式はC12型で、戦後国民党政府の台湾接収後に改称されました。西部幹線電化後に全車が廃車され、淡水線新北投駅に動態保存された124以外の6輛は解体となりました。淡水線が台北MRTになった後、台鉄員工訓練中心(台鉄社員研修センター)に移されて現在に至ります。
R40とのプッシュプルで走るCK124。牽引するのは爽やかなブルーに白帯を巻いた5輛編成の客車

R40とのプッシュプルで走るCK124。牽引するのは爽やかなブルーに白帯を巻いた5輛編成の客車

出庫前の整備を終え、スタンバイ中のCK124。車号プレートやロッドの赤色がとても鮮やか

出庫前の整備を終え、スタンバイ中のCK124。車号プレートやロッドの赤色がとても鮮やか

写真提供:台灣鐵路管理局

台湾総統の蔡英文氏が台灣車輛を初視察

台車の蔡煌瑯董事長とともに会見に応じる蔡英文台湾総統

台車の蔡煌瑯董事長とともに会見に応じる蔡英文台湾総統

台湾鉄道ナビ 2017年4月 駅 鉄道 台鉄 SL 日本 列車 台車 総統北投
会見終了後、各職場を精力的に視察する総統、今後の台湾の経済発展の鍵を握る台車、笑顔で接する幹部陣との握手にも力がこもります

会見終了後、各職場を精力的に視察する総統、今後の台湾の経済発展の鍵を握る台車、笑顔で接する幹部陣との握手にも力がこもります

2017年3月13日、蔡英文総統が台灣車輛股有限公司(以下、台車)を視察訪問しました。新竹県湖口郷に本社を置く台車は、国内唯一の鉄道車輛製造メーカーで、国家元首の訪問は今回が初めて。蔡総統は会見の席で「台車の成長は周辺の産業の振興と雇用促進をもたらし、ひいては台湾経済の活性化につながる」と述べました。台湾は第二次世界大戦後、高速道路の整備を優先して進めたため、鉄道に関してはいささか遅れをとっていたと言わざるを得ず、今から21年前にようやく台湾史上初のMRT(台北MRT木柵線,現・文山線)を開通させたほど。その現況は、先進主要国と比べるとまだまだ発展の余地が残されています。
視察の締めくくりは、台新車の匂いや座席の掛け心地を堪能する蔡総統.自国で内製された車輛に感慨もひとしお

視察の締めくくりは、台新車の匂いや座席の掛け心地を堪能する蔡総統.自国で内製された車輛に感慨もひとしお

台車の董事長である蔡煌瑯氏は、「鉄道産業は台湾と世界を発展させる可能性を秘めた産業で、政府は“国車国造”政策(台湾を走る鉄道車輛は、国内の企業が内製する)を強く後押ししてほしい」と力説しました。これに対し蔡総統は、「台車は台湾の産業発展の柱として、大きな責任を担っているのは充分理解している。政府は今後も強力な支援をしていく」と前向きに回答。
台車は2002年10月、日本の住友商事と日本車輌、台湾の中國鋼鐵と唐榮鐵工の4社による共同出資で設立されました。オールステンレス車輛の製造ラインを有し、これまでに台灣鐵路管理局(以下、台鉄)のEMU700型をはじめ、EMU800型や台北MRT蘆洲線、信義線、松山線、桃園機場MRT用車輛など、製造実績
は784輛に及びます。現在は新北政府主体で建設中の淡海LRT用車輛の新造を担当し、すでに4月から入念な運行試験が行われています。このほか川崎重工で製造された台中MRT緑線用の車輛、および日立レールイタリア製の新北市環状線用車輛の艤装など、最終的な仕上げ作業まで幅広く手掛けています。

写真提供:邱浚嘉・台灣車輛股
上記の内容は月刊誌「とれいん」にも掲載されています。
毎月20日発売!   定価:本体1,435円+税


関連タグ:鉄道台鉄SL日本列車台車総統北投

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2017-04-26

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