スペシャル記事

台湾鉄道ナビ　2016年7月

台湾の最新鉄道情報をお届けしています！

試運転中

こんにちは、台北ナビです。
今月の鉄道関連のTOPニュースは、高鉄「南港」駅が開通したことでしょうか。
これによって、「台北」駅は終点ではなくなったため、寝過ごすと大変よ～となりました。
また、ダイヤ改正も同時に行われたことから、決まった時刻に高鉄に乗っていた人たちは、到着後のバスなどの接続時間も改めて見直さなければならず、ナビ周辺の高鉄利用者は結構あたふたしております。

台灣高速鐵路が台北－南港駅間を延伸開業！

祝・南港駅開業！左営行き803レが初出発列車に　　

南港駅で初めて803レ出発

南港駅のホーム

2016年7月1日、台湾高速鐵路（高鉄）の台北－南港間3.3㎞が延伸開通！高鉄の新たな起点として開業した南港駅では、同日記念式典が行われました。
南港はすでに台灣鐵路管理局（台鉄）や捷運（MRT）藍線、国道公共運輸サービスといった在来交通機関の接続駅ですが、高鉄の延伸によってターミナルの機能を一層充実させると共に、台中、台南、左営方面からのアクセスを容易にしました。
高鉄は台北－左営間345㎞を1時間30分で結ぶ高速鉄道で、日本では台湾新幹線と呼ばれています。2007年1月5日の板橋－左営間での仮開業を皮切りに，同年3月2日に台北－板橋間が追って開通。南港駅は、地下車輛整備施設を設置する計画で開発が始まり、その後は台北駅の補助駅へ。さらには台北東区のターミナル駅として方針を変えての開業となりました。高鉄の南港駅は、3面6線のホームを有し、終点の左営駅と同規模となっています。
今回の延伸開業に伴い、起点駅で行う車内清掃と下廻りの整備拠点は、これまでの台北駅から南港駅に移管されました。一方、途中駅となった台北駅は、ホーム出入りの発車時刻制限が解除することになりましたが、ホームが狭く混雑時に利用客が転落する恐れがあることから、高鉄初のホームドアが設置されました。高鉄では南港駅の営業開始に合わせて、ダイヤ改正も実施。詳細は高鉄のホームページに掲載されています。

■台灣高速鐵路ホームページ

高鉄「南港」駅の改札口と切符売り場

ホームの電光掲示板

「南港」駅の高鉄弁当売店

切符売り場		南港駅の電光揭示板
南港駅構内は、大きなPRが目立ちます		シックな色彩の南港駅ロビー

記念式典には、台湾の副総統である陳健仁氏（画面中央）ほか多数の来賓が出席。新しい高鉄の玄関口「南港」駅の開業を祝いました

従来の始発駅だった「台北」駅には、旅客の転落防止のためホームドアが新たに設置され、高鉄としては初の試み

画像提供：邱浚嘉

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台北市内の慢性渋滞緩和の切り札　台鉄縦貫線に「三姓橋」駅開業

6月29日に開業した「三姓橋」駅の全景

台鉄では，捷運（MRT＝台北市内および新北市周辺の慢性的な交通渋滞緩和を目的に設置された地下鉄）化の一環として、通勤路線の縦貫線に「三姓橋」駅を新設。6月29日に開業しました。
同駅は基隆駅から111.2㎞、新竹駅から4.8㎞に位置します。駅名は近くを流れる川“三姓公廟”に架かる省道台１線の橋から引用されました。省道台1線は台湾南北を結ぶ重要な幹線。道路で、また周辺には香山工業区や香山高校、中華大学、元培科技大学、玄奘大学など学校も多く、交通渋滞は深刻な社会問題でした。今回の新駅開業は、まさにこの地域の渋滞緩和に大きく寄与する切り札と言えます。
「三姓橋」駅は2面2線の半高架駅で、区間車が停車します。駅舎は大きな三角屋根が印象的で、早くもランドマーク的存在となっています。

半高架で2面2線の三姓橋駅ホーム。線路の背面側には壁がないため開放的

画像提供：顔賛成

活気づく台湾の最新情報いろいろ

◆近年さまざまなコラボレーションを発信し，今や世界レベルで注目されている台灣鐵路管理局（台鉄）。とりわけ2016年3月下旬より運行開始したエバー航空とのコラボによる“キティタロコ”号は幅広い層から人気を博しています。そのスピンオフ企画の第一弾として、ハロー･キティが車掌に扮したぬいぐるみを6月7日から数量限定で販売。価格は699元。台北、松山、台中、高雄の各駅をはじめ、台鉄ギフトショップや“キティタロコ”号の車内でも購入が可能。

“キティタロコ”号のスピンオフ企画として誕生したのが、車掌に扮したハロー・キティのぬいぐるみで、699NTDで発売中台鉄ギフトショップや台北、松山、台北の4駅のほか、“キティタロコ”号でも車内販売されています

Hello Kitty列車、出発進行～！キティちゃんと一緒に台湾東部へ鉄路の旅へ

◆台中市内の鉄道高架化工事を推進中の台鉄は、線路の敷設などが終わった新線区間で試運転列車を入線させ、走行試験を6月13日から19日まで実施しました。連日とも深夜0時～翌朝5時の間に10往復運行され、おおむね良好な結果が得られました。
試験完了後の高架化工事区間は、7月に交通部による最終検査を受け、早ければ9月の開通を予定しています。その第一段階は豊原－大慶間21㎞で、豊原、潭子、太原、台中、大慶などは新しい駅施設の使用も開始します。続く既存5駅の高架化には、新設される栗林、頭家、松竹、精武、五権等の駅工事も含まれ、2018年末に竣工予定。



台中市内の連続立体工事完了区間で実施、安全度試験の様子

◆かねてから建設中の高雄環輕軌（LRT：ライトレール）は、第1段階として2013年に着工した籬仔内駅（C1）－高雄展覧館駅（C8）間での交通部最終検査が終わり、6月26日から営業運転を開始。当面は暫定的に運賃無料としていますが、今後の運賃率及び料金収受方式については検討中で、具体的なスケジュールなどは未確定のまま。ライトレール沿線では168番バスに乗り換えが可能なほか、前鎮之星駅（C3）で高雄MRT（捷運）レッドライン凱旋駅にも隣接しています。

高雄環輕軌の運行シーン　夢時代付近

高雄環輕軌用車輌の形式図のうち2面を抜粋　Ratio1：400

高雄環輕軌用の車輛はイタリアのカーデザイナー、ジウジアーロ作　画像提供：邱浚嘉

高雄LRT_夢時代駅～經貿園區駅　画像提供：JR Chen's Transportation World

◆台鉄は、6月28日から全線でICカード乗車券による支払いシステムを開始。これにより悠遊カード、iPassカード（一通）、i-Cashカード、HAPPY GO（7月よりHappy Cash）カードなど4種類のICカード乗車券が全線の駅で利用できるようになりました。このほかiPassカード及び悠遊カードは、7月1日より台北MRT（捷運）、高雄MRT（捷運）の相互利用を可能としています。
なお，ICカード乗車券4種類の適用範囲については、下記オフィシャルサイトを合わせてご覧ください。

■悠遊カード

■iPassカード（一通）

■i-Cashカード

■HAPPY GO（Happy Cash）カード

台鉄ICカード使用開始の記念式典の様子

“幸福旅行”と題したIC乗車カード運用開始の記念カードが収まる台紙


“幸福旅行カード”（4枚1組）は、台北駅の構内にある台鐵夢工場にて1000NTD以上お買い物（台鐵弁当を除く）をした先着の400名が貰えます