清境かいわいの魅力スポット

清境にはおもしろいお店やスポットがいっぱい!ナビのイチオシぞろいです。

こんにちは、台北ナビです。
台湾の人気避暑地、南投県の清境農場周辺に宿をとったら、ぜひ行ってみたくなるオススメのスポットがあるんですよ~。清境に住むナビ友が教えてくれた魅力スポットを幾つかご紹介しますね!

セデック族の伝統手織り工房

これが台湾の原住民に伝わる手織り工具です!

これが台湾の原住民に伝わる手織り工具です!

南投県の清境あたりは昔から原住民のセデック族が住んでいたところ。日本統治時代、霧社事件を起こしたモーナ・ルダオもセデック族(当時はタイヤル族に編入されていた)で、男は狩猟や首狩り、女は機織りにすぐれた技術を持っていました。日本統治時代に禁止されてこともあり、現在では機織りの技術はほとんど失われてしまいましたが、ほんの2,3人、南投県でその技術を伝えている人がいます。

その1人が80歳を越える今も元気に手織りを続けている張胡愛妹さん。張ママとよばれています。張ママの手織り工房があるのは清境農場のふもと、春陽という部落。ナビが日本人だと分かるとすぐ日本語で話しかけてくれました!
実は張ママ、映画「セデック・バレ」にも出演しているんです。日本軍に攻められ最後をとげていくシーン、壮絶でした。でも面白いのは映画をみた子供たちに、今でも「張ママが生きている!」とびっくりされるんですって。楽しそうに話してくれました。
張ママは南投県の重要技術保持者に認定されています。

張ママは南投県の重要技術保持者に認定されています。

作るのにものすごい手間がかかるんですって!

作るのにものすごい手間がかかるんですって!

工房の片すみにおいてあったのは日本名で苧麻(ちょま)または「からむし」とよばれる繊維(せんい)。日本では超高級織物の越後上布(えちごじょうふ)や宮古上布(みやこじょうふ)とおなじ原料なんですよ~!台湾の原住民は千年以上の昔からこの繊維で衣服を織ってきました。でも現在ではほとんど栽培されなくなっているそうです。
ナビが展示してあるベストやカバンをみて、日本で使えるかな~なんて考えていると、「そのタンスの引き出しをあけてごらんなさい。」張ママにいわれて、あけてみると・・・わぁ~、すごーい!色とりどりの手織り布が目の前に。一つ一つが愛情こめた手作りです。細身のものはテーブルライナーにぴったり。幅広のものは織り方も複雑ですね。ベッドスローにしたら台湾の夢が見られるかな~? 同じような手織りの布を博物館のお土産店で見たことのあるナビ、お高くて手が出なかったのですが、こちらでなら驚くほどリーズナブルに買うことができます。また事前に連絡すれば、少人数ならセデック手織りのミニ体験もできるそうです。

お別れの時間が近づくと張ママがなごり惜しそうにセデック族の楽器、ルブー・コカウを演奏してくれました。日本のアイヌ民族に伝わるのと似ていますね。そぼくな音色が心にしみました。
張媽媽工作室
南投県仁愛郷春陽村永楽巷27号
Tel:049-2802323

移転が決まっている温泉街、今ならまだ楽しめる歴史の湯

つり橋を渡っていく秘境温泉です!

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温泉街。どこか懐かしさを感じますね

温泉街。どこか懐かしさを感じますね

清境から車で十数分、廬山(ルーサン)温泉は日本統治時代、中部三大温泉のひとつとして人気の温泉でした。国民政府になってからも、その泉質と自然のすばらしさから天下第一泉ともよばれたのですが、突然悲劇が訪れます。

2009年夏、台湾中を襲った集中豪雨で甚大な被害を受けたのです。再被害の可能性があるため、その後政府により埔里の近くのやはり温泉がでる地域に全住民の移転が決定・・・とはいえ、やはり住み慣れた土地なんですね、現在でも営業を続けているホテル、旅館がけっこうあります。ナビが訪れた夏場はお客さんもまばらでしたが、肌寒い冬場はまだまだ多くの台湾の人が温泉に入りに来るそうです。
こちらのホテルでいい浴場を発見!

こちらのホテルでいい浴場を発見!


大衆温泉は水着に水泳キャップ着用が当たり前の台湾ですが、こちらのホテルでは男女の浴場が分かれ、日本式入浴法で温泉が楽しめます。設備も整って清潔さも申し分なし。渓流に面した半露天風呂はほんとうにリラックスできそう。温泉好きにはぜひおススメです。
浴場内のトイレやシャワーなど、日本の温泉を参考にしたとしか思えないほどの清潔感でした。冷泉やサウナもあり、窓際では外の渓流の音をききながら涼むこともできますよ~。
 蜜月館飯店
南投県仁愛郷精英村栄華巷46号
Tel:049-2802455

夢をかなえたパン工房


清境ではヨーロッパ風の美しい建物が目を引きますが、そのひとつに数年前に建てられたドイツ風建築のパン工房「マティナ・ミル」があります。

15年ほど前、台北でエンジニアをしていた馬(マー)さん、仕事の休みに家族で訪れた清境の美しさに一目ぼれ。いつかはここに自分の家を持ってみたいと夢を持ったそうです。
その後月日は流れ・・・でもマーさんはあきらめていませんでした。ちょうど日本の辻調理師学校でパン作りを学んだ娘さんが帰って来たのをきっかけについに理想の家を建築!! 実は清境では何年も前から環境保護のため建物の新築許可は下りなくなっていますが、ずいぶん昔に許可をとっていたのだとか(マーさんは準備していました!)。マーさんの思いのこもったお宅。その美しい建物はいくら眺めていても飽きません。
一見ブロックのように見えるのはインドネシア産の樹の化石

一見ブロックのように見えるのはインドネシア産の樹の化石

黒い木材は使われなくなった鉄道の枕木なんですって!

黒い木材は使われなくなった鉄道の枕木なんですって!

「木」にこだわったお宅作りはお話を聞けば聞くほど感心してしまいます。お店の中もいい雰囲気。こちらではイートインもできるので、清境散策の一休みに立ち寄ってみるのにいいお店だと思いました。清らかな空気、重厚な建築、手作りパンとハーブティ。いやされますねー。ちなみにオーナーのマーさん、娘さんとも日本語OKです。
おもわず腰をおちつけてしまいたくなる店内 おもわず腰をおちつけてしまいたくなる店内

おもわず腰をおちつけてしまいたくなる店内

お茶のチョイスはなんと11種類!ハーブはもちろん無農薬のオーガニック。 お茶のチョイスはなんと11種類!ハーブはもちろん無農薬のオーガニック。

お茶のチョイスはなんと11種類!ハーブはもちろん無農薬のオーガニック。

馬提那麦児手作烘焙
南投県仁愛郷大同村定遠新村30之5
Tel:049-2802221

中部横貫公路建設と望郷の料理


清境農場付近や合歓山への道沿いに見かける雲南擺夷(バイイー)料理という文字。擺夷というのは中国の雲南省やベトナム、カンボジアなどの国境地帯に住む少数民族のことですが、なぜこんな台湾の奥地にその料理があるんでしょう。
外観はバラック建て風で目立ちませんが・・・

外観はバラック建て風で目立ちませんが・・・

台湾生まれの柯さん(左)と奥さんの陳さん

台湾生まれの柯さん(左)と奥さんの陳さん

清境農場を過ぎて10分ほど過ぎたあたりでしょうか、右側に小さなレストランがあります。こちらのお店は柯さんと陳さんという若夫婦がやっています。柯さんは当時ここに安置された擺夷族の三代目。当時のことについてナビが知りたいというと、自分よりお母さんの方がくわしいと呼んで来てくれました。
合歓山を越えてえんえんと花蓮へつづく中部横貫公路のみち 合歓山を越えてえんえんと花蓮へつづく中部横貫公路のみち

合歓山を越えてえんえんと花蓮へつづく中部横貫公路のみち

日本の敗戦のあと、中国国内での共産軍との戦いに敗れた国民党の蒋介石は広州、重慶、成都をへて1949年に台湾にやってきました。そのとき多くの軍人やその家族も台湾へ。その数は40万人以上といわれています。そのなかにはベトナム、カンボジアとの国境地帯に住む中国の少数民族も少なくありませんでした。中部横貫公路の建設と農場の開墾が退役軍人となった彼らに与えられたしごとだったのです。 
「子ども1人の夫婦と子ども2人以上の夫婦に分けられて、子ども1人のグループは清境に、2人以上のグループは屏東のほうに送られたの。」(柯さんのお母さん)「そうだったんですかー。」(ナビ)「最初はモモやリンゴの苗木が配られて作りなさいって。でも果物は生長がおそいし、収穫は年に一回、台風が来たらもうだめで。生活はそれは大変でしたよ。まあ今では高山野菜を作ったり、民宿、レストランをやっている家もあってなんとか暮らしていけますけど。」

清境の隠れた歴史に触れたナビ。ここの地名に博望新村というのがありますが、「博望」は台湾語で没望(ボーバン=望みが無い)と同じ発音。故郷へ帰る望みもなくなったという嘆きが現れているのかもしれません。
お店の中はとっても清潔な感じ

お店の中はとっても清潔な感じ

写真メニューがあるのがいいですね。 写真メニューがあるのがいいですね。

写真メニューがあるのがいいですね。

お母さんのお話をきいているうちに柯さんが作ってくれるお料理がどんどんできあがってきました。わぁー、普段みかけないものばかりです。

擺夷料理の代表格、「包料魚」は開いた魚に独得の調味料をぬり、それをしばって外側から焼いたもの。塩味がきいているのでご飯がどんどんすすみそうです。

レタスにつつんでいただくのは「錦灑(ジンサー)」というこれも擺夷の名物料理。独得の香味料と肉の焦がし加減が絶妙でした。

ブタ頭皮のあえもの(左)と雲南小炒(右) 台湾料理にもある食材を雲南風にアレンジしたもの。柯さんの創作料理です。

炒鹿肉は山地ならではのジビエ料理。ナビは初めてでしたがおいしかったです。

当帰の葉をまぜこんだ玉子焼き。これも清境のご当地料理のひとつです。
米線

米線


1人で注文するなら、米干(米で作った幅広めん)か米線(台湾のビーフンとはちょっと違った米製の細めん)に1品の料理、2人なら2,3品の料理を注文して白ご飯をあわせるのもいいと思います。
柯さんのお料理はレストランのようなきれいな装飾はありませんが、正真正銘のおふくろの味。時代の渦に巻き込まれた老兵とその家族が異郷の地・台湾でしっかりと生きてきた証のお店です。

清境七彩屋雲南擺夷料理
南投県仁愛郷仁和路210-2号
Tel:049-2803005

今回清境に来るまでほとんど当地の歴史を知りませんでしたが、いろいろな人々と出会って様々なストーリーを知りました。民宿のテラスで高地のすばらしい自然を堪能しつつ、出会った人たちの笑顔と思い出す台北ナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-07-20

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