客家食と東方美人の旅~新竹・苗栗~

オリエンタルビューティーの里は、客家人の村、甘くて芳醇な蜜の香りがする極上のお茶がここにありました


こんにちは、台北ナビです。
今回は客家を代表する名産、金柑を扱ったソースの有名どころと東方美人茶で傑出した3店を回ってきました。
特に東方美人は台湾特有の他の国にはないお茶の種類です。スイーツ類にもよく合うので、ナビも好んでよく飲むお茶でもあります。東方美人と言えば、客家人の多い新竹地方。特にその香りと味で北埔や峨眉産が極上のものとされています。
近年新北市でも栽培されていますが、どこが違うのか、今回現地に伺ってその理由がよく分かりました。

まずは、金柑ソースのお店に到着

阿金姐工作坊
新竹県竹東鎮仁愛路382号
電話:(03)596-5797
営業時間:8:00~20:00(日曜日~12:00) 休業日:日曜日の午後

オーナーは阿金姉さんと呼ばれ、呼び名がそのまま店名にもなっています。阿金姉さんは台湾人の家庭から客家人の家へ嫁に入りました。お姑さんがいつも梅や金柑を漬けているのを見て、家族が食べるのが好きだから作っているのだろうと思っていたのを友人たちにも送ったら、とても喜ばれ、ここから阿金さんのビジネスの頭は回転し始めました。20年前阿金姉さんの台所から始まった梅や金柑の漬物は、今や一軒の工房に拡大しましたが、人口の添加物を一切使用しない手作りの姿勢は、今も昔も変わりません。また、その中には、客家人の倹約、勤勉、真面目、創造性などの精神が詰まっているのです。努力は報われ、やがて台湾中央政府の農業委員会から、各種の賞を受けるまでになりました。
金柑ソースを使った料理の数々

金柑ソースを使った料理の数々

商品はいろいろ、パッケージもきれい

商品はいろいろ、パッケージもきれい

奥の方では、作業中でした

奥の方では、作業中でした

客家食と東方美人の旅~新竹・苗栗~ 東方美人 客家 お茶 名産 お土産 茶梅製茶 客家食と東方美人の旅~新竹・苗栗~ 東方美人 客家 お茶 名産 お土産 茶梅製茶 皮をむく作業の速さったら…

皮をむく作業の速さったら…

一番シンプルな、でもおいしい食べ方

一番シンプルな、でもおいしい食べ方

ケーキの中に金柑ジャム

ケーキの中に金柑ジャム

茶梅と梅付け大根→すっごくうまかった

茶梅と梅付け大根→すっごくうまかった

阿金姉さんのソースは、以前モスバーガーにも使用されました!

阿金姉さんのソースは、以前モスバーガーにも使用されました!

阿金姉さんのショップは、この地方でよく採れる柑橘類や梅を使用した商品が中心ですが、どれもサラダのソースやデザート、煮込み料理など用途に応じてどうとでも活用できるものばかり。今回味見させてもらった客家桔醤は、とうがらしがピリ辛で利いていて、サラダドレッシングにピッタリ。香桔汁は、柑橘類の甘味が香りよく、ケーキに練り込んだり、そのままヨーグルトに混ぜてもよさそうです。梅はこのところ、血液浄化や免疫力アップの効果があるというので、特に梅エキスは台湾でも評判ですが、こちらでも「青梅精」の名で販売中。また、お土産によさそうな「茶梅」もありました!
今日の主役の2種

今日の主役の2種

大きい方は蜜柑かと思ったら、やはり金柑の種類で、酸っぱかった~

大きい方は蜜柑かと思ったら、やはり金柑の種類で、酸っぱかった~

紅麹や生姜もあります

紅麹や生姜もあります

茶梅はパッケージもきれいで、お土産によさそう

茶梅はパッケージもきれいで、お土産によさそう

東方美人の里へ!

一言に「烏龍茶」と言っても、何種類にも何段階にも分かれています。
その発酵度が全発酵になるちょっと手前のお茶が東方美人茶。又の名を白亳美人、膨風茶、三色茶、五色茶…。そして、イギリス王室に名付けられたオリエンタル・ビューティーの異名も持っています。五色茶と言われる由縁は、その名のとおり、白、褐色、紅、黄、緑と5色を備えているから。ナビには、黄、緑は、灰色、黒にも見えますが、いずれにしても他の茶葉にない色彩の豊かさは、その味を試す前から、女性ならどんな味になるのかしら?と惹かれてしまいますね。
どうしてこのような芳醇な味に仕上がるのか?それは、ウンカが新芽をついばんだ時、新芽の成長は止まってしまうのですが、その内分泌物質によって茶葉に二次代謝機能が起こり、これが発酵後に香気を発する元になるのだと言われています。そして、その香気は適温のお湯を注いでから発揮されるのです。

怡明茶園

苗栗県頭份鎮流東里老崎12鄰22‐5号
電話:(03)760-1538 
営業時間:9:00~21:00 休業日:月曜日
予算:茶道体験 500元/1人~、食事 480元/1人~、茶葉料理 680元/1人~

ずいぶん山の中に来たもんだ~と思ってたら、着きました。ここは、台鉄「竹南」駅から車で20~30分かかります。
3代目を継ぐ林玉萍さん。台北で仕事をしていましたが、一大決心をして家業を継ぐことに。徹底したオーガニック農法を取り入れ、父の代には叶わなかったレストラン経営や茶芸講座など茶を中心とした事業を展開しています。ここは、日本統治時代にお祖父さんが茶業を始めたところで、店名の怡は祖父から、明は父から取ったものです。
お昼の時間だったので、さっそくレストランへ案内されました。レストラン内は、レトロチャイナのいい雰囲気が漂っています。この日いただいたのは真の「茶葉料理」。「真の」と強調したのは、ナビが今まで食べたことのある茶葉料理は何だったの?と思えるくらい、どの料理もお茶の味がしっかり味わえる見た目にも美しい料理の品々だったからです。
庭も店内もいい雰囲気です 庭も店内もいい雰囲気です 庭も店内もいい雰囲気です
庭も店内もいい雰囲気です 庭も店内もいい雰囲気です 庭も店内もいい雰囲気です

庭も店内もいい雰囲気です

この日食べたのは、怡明茶餐 6800元/10人。
茶角糍耙という怡明茶園が誇る東方美人茶をまずはいただき温まります。
茶香鮮飲 梅かと思ったらイチジクでした。まずはこれとお茶にて食欲増進\n\n

茶香鮮飲 梅かと思ったらイチジクでした。まずはこれとお茶にて食欲増進\n\n

緑茶手捲 冷やしたものが出てきて、さっぱりした味でした

緑茶手捲 冷やしたものが出てきて、さっぱりした味でした

ご飯には、紫蘇が混じっていました

ご飯には、紫蘇が混じっていました

紅茶東坡 客家の脂が乗ったブタの腿の角煮、紅茶で煮込まれた肉はタケノコにも十分味がしみこみ、美味でした 紅茶東坡 客家の脂が乗ったブタの腿の角煮、紅茶で煮込まれた肉はタケノコにも十分味がしみこみ、美味でした 紅茶東坡 客家の脂が乗ったブタの腿の角煮、紅茶で煮込まれた肉はタケノコにも十分味がしみこみ、美味でした

紅茶東坡 客家の脂が乗ったブタの腿の角煮、紅茶で煮込まれた肉はタケノコにも十分味がしみこみ、美味でした

肉は、切り分けて食べます

肉は、切り分けて食べます

抹茶椒蝦 抹茶味とエビがよくあっていました。白いのは大根ですが、かじると日本の漬物の味。組み合わせが絶妙でしたね\n

抹茶椒蝦 抹茶味とエビがよくあっていました。白いのは大根ですが、かじると日本の漬物の味。組み合わせが絶妙でしたね\n

緑茶香魚 よく肥えた鮎ですが、揚げる時に茶粉が加えられ、上品な味に仕上がっていました、焼き具合がきれい

緑茶香魚 よく肥えた鮎ですが、揚げる時に茶粉が加えられ、上品な味に仕上がっていました、焼き具合がきれい

老茶牛小排 老茶に漬け込んでから焼き上げた牛肉は、柔らかく、いい味でした、一切れでは物足りなかったので、2切れ食べたナビです

老茶牛小排 老茶に漬け込んでから焼き上げた牛肉は、柔らかく、いい味でした、一切れでは物足りなかったので、2切れ食べたナビです

山薬 キノコと山芋が、東方美人茶とオーガニックローズを加えたクリームでからめてありました

山薬 キノコと山芋が、東方美人茶とオーガニックローズを加えたクリームでからめてありました

茶油青蔬 新鮮なご当地野菜を湯がいたものに、茶油ドレッシングをかけるだけですが、このドレッシングが最高

茶油青蔬 新鮮なご当地野菜を湯がいたものに、茶油ドレッシングをかけるだけですが、このドレッシングが最高

老茶燉湯 何年も寝かされたいい茶で煮込まれたチキンスープ

老茶燉湯 何年も寝かされたいい茶で煮込まれたチキンスープ

温まります

温まります

茶香甜品 茶粉が混じり、かつ外側にもまんべんに振られたチョコレート\n\n

茶香甜品 茶粉が混じり、かつ外側にもまんべんに振られたチョコレート\n\n


通常の客家料理は4800元/10人。少人数も可能です。
いずれにしても、事前予約は必要。
レストラン内にはショップコーナーもあり、客家名産がずらり、全部試してみたいものばかり レストラン内にはショップコーナーもあり、客家名産がずらり、全部試してみたいものばかり レストラン内にはショップコーナーもあり、客家名産がずらり、全部試してみたいものばかり
レストラン内にはショップコーナーもあり、客家名産がずらり、全部試してみたいものばかり レストラン内にはショップコーナーもあり、客家名産がずらり、全部試してみたいものばかり レストラン内にはショップコーナーもあり、客家名産がずらり、全部試してみたいものばかり

レストラン内にはショップコーナーもあり、客家名産がずらり、全部試してみたいものばかり

茶会の入口

茶会の入口

食事の後は庭を散策。
そして、茶会が始まりました。
会場入口で淹れていた光海緑茶をいただいてから、会場に入ります。ここは昔茶葉倉庫だったのを、イベント会場にリニューアルしたそうです。天井の高さから、かなりの量を生産していたというのがよくわかります。
この日は3代目の林さんからオーガニック農法の話を聞いてから、まずいただいたのが、甘浄紅茶。ビンテージ級の紅茶で、色は濃く、味に深みがあります。じ~んと沁みわたってくるような、胃に優しいお茶でした。
そして、琴の楽曲を聞いた後は、東方美人茶。この地方の名産茶ですね。新芽が短めなのも特徴的。短めなのでウンカがついばんだ部分が多く入ってるということでしょうか。特にこの地方の東方美人の果実香が強いというのは、この理由だというのがわかりました。
お茶をいただき、会場内へ

お茶をいただき、会場内へ

この日は人も多く

この日は人も多く

琴の演奏もありました

琴の演奏もありました

最初に、老茶をいただきました 最初に、老茶をいただきました 最初に、老茶をいただきました

最初に、老茶をいただきました

休憩時間にお茶ショップも見学、コンテスト受賞茶もありましたが、値段を見てびっくり! 休憩時間にお茶ショップも見学、コンテスト受賞茶もありましたが、値段を見てびっくり! 休憩時間にお茶ショップも見学、コンテスト受賞茶もありましたが、値段を見てびっくり!
休憩時間にお茶ショップも見学、コンテスト受賞茶もありましたが、値段を見てびっくり! 休憩時間にお茶ショップも見学、コンテスト受賞茶もありましたが、値段を見てびっくり! 休憩時間にお茶ショップも見学、コンテスト受賞茶もありましたが、値段を見てびっくり!

休憩時間にお茶ショップも見学、コンテスト受賞茶もありましたが、値段を見てびっくり!


東方美人に合うのは、スイーツ。
スイーツは甘すぎても、その後に飲んだお茶の味がもっと引き立つから不思議。
この日も手作りクッキーの風味はかなり濃厚でしたが、お茶にピッタリ。もう一つ花生粉がどっさりかかったお餅あったのですが、お茶といいコンビでした。
甘い東方美人には、甘いお菓子が似合うのです 甘い東方美人には、甘いお菓子が似合うのです 甘い東方美人には、甘いお菓子が似合うのです

甘い東方美人には、甘いお菓子が似合うのです

「怡明茶園」の東方美人茶は、2013年静岡県で開催された「世界緑茶コンテスト」で金賞を獲りました。この日いただいたのは、その金賞茶だったのです!
この後、茶畑の見学へ。
東方美人茶の茶樹は、青心大冇。お茶の花が満開で、実をつけているのも多く、これが茶油に使われるそうです。オーナーたちと歩いていくと、刈り取ったばかりの茶畑に着きました。東方美人茶の生産期は、7月~10月が最高とされていますが、ナビたちが行った12月の冬でも生産するし、実際茶樹を見てみると、どんどん新芽が出てきていて、ウンカが飛んでいるも見ることができました。
初夏はこのウンカがもっとすごい量になるそうですよ。

峨眉茶行

新竹県峨眉郷石井村11鄰19号
電話:(03)580-0765 営業時間:9:00~19:00 
東方美人茶故事館:参観費無料、但し事前予約が必要

敷地内に青心烏龍、青心大冇、金宣、四季春、台茶十八号の茶樹が順番に植えてあり、その茶葉の違いが一目瞭然でわかるようになっています。こちらのお茶屋さんは、東方美人茶故事館を独自に設立し、観光客にこの地名産の東方美人茶をもっと知ってもらおうという活動も行っています。
故事館を参観した後は、お茶屋さんの中に入ります。店の中は、東方美人茶のいい香りが充満していて、ここで茶杯を渡され、青芯、黄芯、金芯の順番にいただきました。東方美人を階級で分けているのですが、分けて飲むとその差がよくわかります。金芯は蜂蜜のような茶水で、甘く、熟したいい香り。これは味にも同様に感じられました。上等な東方美人というのはこういう味なのかと更に納得したナビです。
故事館前の茶樹

故事館前の茶樹

入口、中は大きくないです

入口、中は大きくないです

歴史があります

歴史があります

何回も賞をとっているお店なのです 何回も賞をとっているお店なのです 香りの違いを感じられます

香りの違いを感じられます

何回も賞をとっているお店なのです 何回も賞をとっているお店なのです 何回も賞をとっているお店なのです

何回も賞をとっているお店なのです

お店の方へ入って、3種の東方美人茶を飲み比べました お店の方へ入って、3種の東方美人茶を飲み比べました
お店の方へ入って、3種の東方美人茶を飲み比べました お店の方へ入って、3種の東方美人茶を飲み比べました

お店の方へ入って、3種の東方美人茶を飲み比べました

東方美人茶といっても、各種等級があり、それによって価格も変わります 東方美人茶といっても、各種等級があり、それによって価格も変わります 東方美人茶といっても、各種等級があり、それによって価格も変わります

東方美人茶といっても、各種等級があり、それによって価格も変わります

徐耀良茶行


新竹県峨眉郷峨眉村峨眉10鄰89号
電話:(03)580-0110 営業時間:9:00~18:00
東方美人茶製茶体験(7~10月) 1500元/1人
☆茶摘みから製茶まで体験できるコースがあります。詳しくは直接お店にお問い合わせください。

お茶の製造過程をビデオ鑑賞した後、実際に使用している機材を見学しました。
茶葉の発酵を促すために、茶葉を攪拌させる機械があるのですが、その大きさにはびっくり。生産量の大きさを感じさせてくれます。
また、こちらの店内はあまり飾り気がないのですが、その雰囲気に実直さと言うか、中身で勝負の印象を受け、ナビは東方美人1缶をお買い上げしてしまいました。すでに飲んでいますが、小さい新芽がぎっしり詰まった1缶は、茶水が蜂蜜色で、上品な香りとうれしくなる甘さ。茶葉は茶壷にゆるく9分目入れ、85度くらいの湯を注ぎ、最初は1分、2煎目は30秒くらいで飲むと最高です。今これを書きながら、もう2缶ほど買っとけばよかったと思っているナビでした。
こちらには、日本語のお店紹介のパンフレットもありました! こちらには、日本語のお店紹介のパンフレットもありました! こちらには、日本語のお店紹介のパンフレットもありました!

こちらには、日本語のお店紹介のパンフレットもありました!

関連タグ:東方美人客家お茶名産お土産茶梅製茶

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-01-09

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