宜蘭県でインターンシップ! Part3

ただ今、宜蘭の魅力にはまっています!

着いた日は雨で・・・

着いた日は雨で・・・


こんにちは、早稲田大学の小林雄介です。
僕のインターンの日々をお伝えします。

朝早くの飛行機で日本から来て、空港からバスを乗り継ぎ、天候の関係もあって8時間かけてやっと宜蘭駅に着いた。
やっぱ日本で友達と酒でも飲んで、春休み満喫してればよかったかな・・・。
車中から15分も土砂降りの雨の風景を眺め、深いため息をつきながらそう思ったのが初日だった。

僕は今回AIESECという海外インターンシップを運営する団体のプログラムに参加し、台湾農村部で春休みをまるまる利用し、2ヶ月の研修を行うことにした。
外国に2ヶ月、それも今までずっと都会で育ってきた僕にとって、農村部での今回の研修は魅力的ではあったが、応募した第一の理由は、日本にいてもダラダラ過ごすだけだろうという、決して褒められるようなものではなかったのだ。

ただ、人見知りしないし大丈夫だろう、自分なら活躍できる。そんな意気込みだけは人一倍に強かった。
自然、自然、自然が広がる大地! 自然、自然、自然が広がる大地!
自然、自然、自然が広がる大地! 自然、自然、自然が広がる大地!

自然、自然、自然が広がる大地!

そして、英語の研修と聞いて来たものの、仕事先の人は英語が使えず、コミュニケーションの取り方が分からず悩む1週間。
それでもお腹は減るもので、仕事先で出してくれる毎食の料理にとりあえず「好吃。(ハオツー)」1週間で習ったことは、ここが新南地区というところで見渡す限り自然があふれる雨の多い場所だということ、おじさんの名前はKということ、そのほかの家族の名前、台湾では食事の際にあまり水を飲まないことだけ。(笑)
食事は本当においしい! 食事は本当においしい!

食事は本当においしい!

大学で1年間中国語を勉強していたはずなのに、いろんな人たちが話しかけてくれても、何も聞けず話せない。
母国語はボディランゲージかと言わんばかりに多用してなんとか生活を送る日々。人見知りしないはずだったんだけどなあ。そう思いながら、口数の少ない僕は2週目に入る。

2週目に入ったある晩、いつもどおり食事を終え、ブログを書いていると、近所の人だろうか、仕事先のKおじさんの友人が訪れた。右手に酒瓶を持っている。酒好きの僕がじっと見つめていると。Kおじさんたちが何か言いながら笑顔で手招きしてくれた。「58(ウースパー)」Kおじさんたちはにやにやして何回もそう言いながら、指で5と8をつくる。特に意味も分からず注いでもらった酒を飲む。刹那、むせ返りそうになる僕を見ておじさん集が爆笑。これはどうやら58度のお酒のようだ。「もうやめておけ」そんなことを言っているようなおじさん集、自分の酒を下げようとしてくる。
約1週間ぶりの酒、しかも日本のインターンシップ生としてここに住んでいて、テレビでしか日本人を知らないこの人たちにとって、自分が日本人の代表として見られている中、こんなところで食い下がれるはずもない。そう思うとコップを取り返して、一気に飲み干す。喉は焼けそうなほど熱かったけれど、そんなことおくびにも出さず次の1杯を求める。
そうして、2時間近く飲み続け、おじさん集が続々と帰り支度を始める、そして決まってみな「酒鬼(ジゥクィ)」と何度も僕に言って笑って帰る。不思議そうな顔の僕に皆が帰った頃、Kおじさんが「酒鬼」のネット翻訳で日本語の「のんだくれ」という言葉を見せつける。
その日をきっかけにKおじさんも、近所の人もお酒のことで僕に話しかけてくれたり、その他でもいろいろフレンドリーに接してくれるようになったりした。(おそらく前からフレンドリーだったとは思うけど。)
皆とてもフレンドリーです 皆とてもフレンドリーです

皆とてもフレンドリーです

もちろんそれまでも何もしていなかったわけではなく、観光に来たお客さんの写真を撮ったり、料理を出したり、いちごを積んだりといったことはしていた。
2週目の終わりころから、このプログラムのメイン課題のうちの一つでもある、宜蘭大学の大学生と一緒に小学生に対して週に2回、地域の観光地や特産物に関することを英語で教える授業が始まった。
そのためには、自分たちがまず授業内容に関して深く知っている必要があるので、新南地区のいろんな観光地にその宜蘭大学のパートナーと一緒に出かけた。
彼も中学校から英語を勉強しているので、ある程度は話せたがそれでもやはり、見学した観光地の全てを翻訳するのは難しいようで、ボディランゲージを多用したり絵を書いたりしてなんとかお互いの意見を伝えることが多かった。
そうして、いろいろな場所を訪れた結果、8つの場所を小学生に対して教えることにした。
その中でも日本人観光客がぜひ訪れるべきだと思ったところは、土礱間、新南農園、DIY 工坊、農事體驗站の4ヶ所である。
土礱間では70年続いている伝統的な精米の様子を見ることができ、精米の際に出た籾殻を使った食べ物や飲み物を体験することもできる。

新南農園では、新南地区の主要な名産品の一つでもある、哈密瓜や南瓜を栽培しており、哈密瓜の育て方やどんなものが美味しいかの見極め方といったことまで知ることができる。
DIY(Do It Yourself)工坊では鑑賞用の哈密瓜に色を塗って、風車と合わせて動く人形を作ることができる。もちろんそれは持って帰ることができる。
農事體驗站では、観光客が実際に長ネギやにんにくその他いろいろな野菜を植えたり、収穫したり、収穫した野菜を洗ったりといった農業全般の体験をすることができる。
また、これら4ヶ所も素晴らしいが、昼食に訪れるであろう田媽媽金益美食坊(僕の仕事先)も、新南地区の特産品をふんだんに使った料理を出すので、観光客の方から絶大な人気がある。すぐそばに苺園がありとった苺を自由に食べることができたり、1人用の手漕ぎボート体験場があったりして食後も楽しむことができる。またイチゴのへたをとって冷凍させた冷凍みかんならぬ冷凍いちごともいえる”冷太陽”という商品は、台湾で唯一ここでのみ販売していてとても美味しい。
この”冷太陽”だが、なぜここでしか販売していないのかが、実際にこれを作る手伝いをしていて分かった。このイチゴのへたを取る作業はすべて手作業だからである。
この日は左下の写真のように、山積みにされたイチゴのすべてのへたをとるのに10人近くで行なっても約6時間はかかった。そう考えるととても手間ひまのかかったものなので、ここにきたらぜひ食べてほしい。こういった思いは日本で消費者として住んでいた頃には分からなかったもので、それだけでもこうして研修をして得られるものはあったと思う。
ぜひ”冷太陽”のイチゴを食べてください! ぜひ”冷太陽”のイチゴを食べてください!

ぜひ”冷太陽”のイチゴを食べてください!

英語を用いて、新南地区に関する多種多様な情報を小学生に対して教えるというのは、決して簡単なことではないが、やる気いっぱいの生徒のおかげで一緒に楽しみながら新南地域のことを学ぶことができている。
小学生たちは、皆活発 小学生たちは、皆活発

小学生たちは、皆活発

休日には宜蘭大学の人やAIESECのメンバーや同じインターンシップ生といろいろなところに遊びに行ったりもする。大きな博物館や歴史的建造物が数多くあることと、夜市がとても賑わっていて安い値段で美味しいものを食べることができるのが台湾の何よりの魅力だと思った。
仲間たちと一緒にパチリ

仲間たちと一緒にパチリ

観光もしました! 観光もしました!
観光もしました! 観光もしました!

観光もしました!

これから僕の研修は後半に差し掛かり、今まで学んだことを外部に発信していく機会が多くなってくるであろう。この密度の濃い1ヶ月半をまとめてほかの人に伝えるなんてことは決して簡単ではない。本当なら丸1日話しても話し足りないほど貴重で、時に楽しく時に辛い体験をしてきたつもりである。そして、そういった体験は残りの期間にもまだまだまだまだ残されていると思う。

今日はKおじさんが朝から市場に出かけるようで、付いて来いと言われた。
相変わらず雨は強い、車で宜蘭駅まで15分かかる、けれども残り少ない生活に期待を込めて、すぅーっと大きく息を吸い込んだ。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-04-06

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