端午節・ホテルの粽たち。

こんにちは、台北ナビです。日本の端午の節句は五月五日。日本では国定休日とされていますね。台湾ではまだ旧暦（農暦）が民間生活に色濃く影響を与えており、端午節は旧暦でお祝いされます。2009年台湾の端午節は5/28（旧暦5/5）（木）となっています。

端午の粽

この端午節に、台湾の各家庭で必ず食べられるのが「粽・ちまき」です。中華圏の粽は、各地で中に包まれる食材や、包み方・使われる葉が異なり、地域性、時代性、文化性そして家庭の味が問われる一品です。台湾の粽は、竹の葉で、一辺10cmぐらいの三角形にくるまれているのが一般的です。竹の葉は緑色と茶色のものがあるのですが、緑色はまだ生の葉っぱ、茶色の葉っぱは、一度乾燥させたものだといいます。茶色の葉は、台湾北部でよく使われるそうで、南にいくと圧倒的に緑色の粽を多く目にします。日本でも昔はおにぎりを竹の葉で包んでいたように、もしかしたら日本のおにぎりは粽から派生したものかもしれませんね。
一つの粽には二枚の葉が使われているそうで、包んだ粽をタコ糸のようなものでしっかり縛り、北部では蒸したり、南部では茹でたりします。かなり複雑に包んであるため、なれない日本人にとっては粽をあけるのも一苦労。でも、葉っぱを開くたびに葉の新鮮な香りと粽の香りが漂います。

これは新スタイルの包み方

右側が台湾北部でよくつかわれる葉　左の緑は南部でよく見ます。

剥きます剥きます！

シェラトン　喜来登

伝統台式粽　120元/一個　　999元/10個
 

伝統の台湾式粽ですが、まるで玉手箱のように『開けてびっくり粽』でした。中央を切り開くと中には「角煮」がごろりと入り、シャキシャキのエリンギも入っていました。そのほか、卵の黄身が入っているのも台湾式の特徴。クセはあまり無く、中身の食材にうまく焦点が当たっています。

栗子野香菇粽　120元/1個　　999元/10個

宗教的な理由で「肉を食べない」というベジタリアン用の粽。栗ときのこがふんだんに使われ、きのこにいたってはレイシまで使われているという、素材重視の贅沢な粽です。そのほかピーナツ・タロイモ・エリンギなども入っています。甘めのソースがついてきますので、それにつけて、味の変化を楽しむことができます。

ロイヤル台北　老爺台北

XO醤桜花粽　120元/一つ

食べた後にジワジワと　XO醤の辛味がきますが、桜えびの香りが高く舞い上がり、なんだか海辺に来たような感じがしました。シェラトンの粽より若干歯ごたえを感じましたが、こちらもやはりゆでた南部式粽だと思います。硬いものが入っていないのでご高齢の方でも安心して食べられますね。

紫米甜米粽　120元/一つ

なんだか強烈な色合いの粽ですね。これ実は甘いんです。中にはコーンと紫米が入っていて、歯ごたえがしっかりと感じられます。おかずとして食べるより、甘いので三時のおやつに烏龍茶と共につまむ･･･といった役柄でしょう。

鰻魚粽　220元/一つ

これは本当に珍しい。鰻の押し寿司のようです。味もばっちり鰻丼の味なので、日本人には誰からも受け入れられるでしょう。小骨がありましたが、噛み切れるので、あまり心配はいりません。また包み方も横長で開きやすかったのもポイント。台湾に住んでいる日本人にプレゼントするのに最適です。

インペリアルホテル　華国飯店

豆皇鮮肉米粽　　2こ/200元　6個/560元

お米にちりばめられている黄色いものは、緑豆（黄色いですが）です。豆皇とも呼ばれています。意外にあっさりしているのかなと思いきや、中からは味がしっかりついたやわらかい牛肉が出てきました。大きな卵黄が入っているのも特徴。周りのお米がやわらかいので、卵黄の食感が引き立ちます。

紫糯蓮仁粽　2こ/200元　6個/560元　2こ/200元

甘い感じがしましたが、食べてみると出汁の効いた中華粽。黒いものは、黒もち米（黑糯米）と呼ばれているもので、特に歯ごたえがあるお米です。比較的薄味だという意見があり、味付けよりも餅米の弾力を楽しむという感じがしました。中には大きな栗だけではなく、台湾の夏の食材でも有る蓮の実が入っており、食感のホクホク感が楽しめます。そのほかにも、卵黄や、独自に味付けを行った豚肉などが入っていました。

国賓飯店　　ザ・アンバサダーホテル

XO醤臘味有機米粽　780元/10個

XO醤をまぶした粽。色合いは普通の粽と同じですが、食べると舌先がほのかにぴりぴりとします。中にはホタテ貝柱のばらしたものやソーセージを細かくしたものも入っていて、海鮮の香りが満遍なく広がりました。子供に喜ばれそうな一品。

伝統台式有機米粽　780元/10個

豚の角煮・栗・台湾しいたけなどが入るクラッシックな台湾粽。他ホテルの粽は蒸した粽で、水分を多く感じる粽でしたが、蒸されているためお米に弾力があり、箸でもつつきやすかったです。水分が少ないため、中に入っている素材の持ち味がギュッと濃縮され、豚肉の角煮の油分が御飯によくしみこんでしました。

桂園蓮子有機米粽　780元/10個

お米自体に甘みはあまり無いのですが、歯ごたえがしっかりとした桂園や蓮の実がほのかに甘く調理され、食事として食べるよりも、食後のデザート・3時のおやつにぴったりです。和菓子感覚で食べられるので、煎茶や烏龍茶と一緒にいただいてもおいしそうです。
 

グロリアプリンス　華泰王子飯店

金瓜一品粽 　160元/一つ

開くと見える黄色のかぼちゃ餡。餡がたっぷりと入っているため、かぼちゃの甘みが前面に出てきていて、従来の『お米を中心とした粽』とは違っています。新感覚の粽です。ナビスタッフたちは、みなカボチャが大好きだったので、どんどんとカボチャの部分に箸が伸びていきました。

紅麹養生粽　160元/二つ

台湾料理にはおなじみの赤い麹を使った粽。ただ、麹の赤だけではなく、蝦やお肉の赤身など、食材も赤みのあるものがちりばめられ、とても華やかです。粽自体は小さいながらもおめでたい食材がぎゅっと凝縮され、とてもおめでたい感じがします。開くと蝦とホタテの香りがフワリと漂い、春の到来を感じました。

櫻花蝦粽　160元/二つ

カリカリの桜えびが満遍なくちりばめられ、とてもかわいらしい粽です。粽に包んであるとは言うものの、まだ歯ごたえはしっかりあり、口にすると上に突き抜ける軽やかな桜エビの香りに圧倒させられます。御飯の中には鶉卵とホタテが入っていて、こちらも豊富な一品。

XO醬三味粽　160元/二つ

粽というより、なんだかお弁当箱のようで、左右の葉を開くと、みっちりつめられた食材たち。XO醤で味付けをしてあるため、ピリ辛なのか、と覚悟をしたのですが、想像よりもピリっと感覚はありませんでした。ただ、全体的に素材のコクがしっかりと出ていて、味付けはどっしりとした主張のあるものです。

大人同士で盛り上がる会場で、子供たちも一緒に粽を食べました。

真剣！