横浜での雙十節(国慶節) Part1

10/10「雙十節」、爆竹と獅子舞で飾る国慶節のお祭り!あの華やかさが日本の横浜でも体験できます!

バッバッバッババン!パッパッパパン!朝8時、ボーッっとした頭で、横浜中華街の大通りを歩いていると、突然この懐かしい軽快な音で「中華街に来たんだ!」と一気に実感させられました!こんにちは、いえ、おはようございます、爆竹がお腹に響きようやく脳が回転し始めた、台北ナビ気まぐれ横浜レポーターmackeyです。10月10日は「雙十節」、中華街の一年で最も大きなイベントです。今日は、このお祭りの模様と、普段は関係者以外立ち入り禁止の横濱中華學院の運動会をレポートします。獅子舞団長や台湾料理店長のコメントもいただきました!盛りだくさんの濃~い一日を、ぜひご一緒に楽しんでご覧ください!

► 「雙十節」とは?

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1911年10月10日に中国で起こった辛亥革命で、孫文率いる革命軍が清王朝を倒し、アジアで初めての民主主義国家「中華民國」を樹立した日を記念する祭りで「國慶節」ともいわれます。10月10日、十が二つ重なるので「雙十節」(双十節)というわけです。横浜中華街では、毎年この日の朝に関帝廟の横に位置する「横濱中華學院の運動会」が行われます。そして、午後になると中国伝統芸能の古典民族舞踊やアクロバティックな獅子舞、龍舞などが校庭で行われ、だんだんと運動会からお祭りモードに切り替わっていきます!この日、中華學院生や関係者は、運動会が終わってもゆっくり休んでいる暇はありません。準備をしてすぐ関帝廟を出発、中華街での「祝賀パレード」が始まります。各々色々な衣装でパフォーマンスをする30団体近くもが参加する大行進!今年は大胆な格好のサンバ隊もお目見えしました!

そして、お祝いの締めくくりは、ハラハラドキドキ感も楽しめる「祝賀獅子舞」です。中華街のお祭りに欠かせないのは、やはりこの妙技ですね!約1時間の祝賀パレードが終わると、夕方からは舞っていた獅子たちが中華街全域を巡行し、「採青(ツァイチン)」といって、店先に吊り下げられたご祝儀袋を採って食べて回ります。こうしてお祭りは夜20:30まで続きます。毎年この日は、朝から晩まで祝い通しの疲れ知らず!同じ人たちが12時間以上も中華街全域を動き回っているのに、へたばるどころか、逆にどんどんパワーアップ!していく感じです。「雙十節」は、国を愛する中国人と台湾人の熱い心を感じられる、最も中華街らしいお祭りなのです。

► 運動会は龍チームvs獅チーム 爆竹でスタート

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朝8時過ぎ、爆竹の音が中華街中に鳴り響いたと思うと、中華學院の敷地から白い煙が立ち上ってきました。「運動会開始ー!」の合図です。校庭には、校舎のてっぺんに掲げられる国旗を一直線に見上げながら国歌を歌っている、小学校一年生から高校生までの生徒たちが並んでいました。校長先生の開会の挨拶や生徒の選手宣誓、進行係のアナウンス、これらの中国語のリズムが「う~ん台湾してるんだなぁ。」ここが日本だっていうことを忘れそうになりましたが、ちょっと奥に行って生徒たちの話声を聞くと…思いっきり日本語でした。
準備体操が済むと、いよいよ可愛い小学生たちによる80メートル競走から始りました。続いて、タイヤ引きレース、カンガルー跳び競争、二人三脚、障害物競走と次々と演目は進み、「今日こそは、お父さんとお母さんどっちが強いか決着をつけましょう!お父さんたちが負けたら今日の晩ご飯はなしでーす!」と父母と先生とそして卒業生も加わった、男vs女の綱引きは、結局、女性側が勝って盛り上がりました。おもしろいのが、日本の学校は赤組vs白組ですが、ここでは龍隊vs獅隊で、色でいうとグリーンとオレンジの対決です。点数表の上に掛けられた龍と獅の旗は、15年ほど前の高校生による手作りだそうです。リレーでは特に「加油(ジャーヨウ)」がんばれ!の大きな声援が聞こえました。
中華系の学校は、歴史的経緯から中華人民共和国系と中華民国(台湾)系に分かれていますが、ここはもちろん台湾系の学校になります。ちなみに中華人民共和国系の学校は「横浜山手中華学校」といい、同じ最寄駅でも反対の元町商店街側の少し駅から離れた所にあります。中国の経済成長に着目し、子供を中華系学校に通わせる日本人も増えていることから、新しく別の場所に校舎を増設するとの噂もあります。さて、中華街内にある「横濱中華學院」ですが、校門はけっこう幅狭く縦長のオモチャの国へのゲートのようで、細い通路を進むとそこに、大き過ぎずアットホームな感じのする、関帝廟と校舎に囲まれたグランドが広がっていました。

まず、目に入ってきた小学一年生の、なんてちっちゃくってきゃしゃでかわいらしいことっ!本当にオモチャのお人形さんが歩いているようでした!なぜかそれだけでテンション上げ上げになってしまったナビでしたが、それはおいといて本題に入ります。グランドに向かって、左側手前が保育園、その奥がOB校友會の事務所と倉庫と小体育館があり、グランドの反対側正面が関帝廟で、右側が幼稚園になっています。それと、L字型の4階建て本校舎は、上から高校生、中学生、小学生の教室になっています。ここは一学年一クラス(36名まで)だそうです。以前は一クラス20名に満たないことも多かったようですが、最近では日本人に中華系学校が人気のため、希望しても入ることができない人もいて、今年は限度の36人が新たに小学生になったのでした。中学高校になるにつれてだんだん人数が減るそうで、だから、やけに可愛い小学生たちが目立って見えたのですね~。しかも、今はほとんどが日本人とのことです。

授業は、小学生から中国語、日本語、英語の3カ国語を習うそうです。そういえば、白人系や黒人系のハーフらしき生徒さんも見かけました。また、きっときちんと風水か何かで図られた良い位置に、国父孫文の銅像もございました。それにしても、関帝廟を後ろから見られるとは、めったにないことでございます。この感じ、昔むかし、ニューヨークで自由の女神の後姿を見たときの「えっ、今まで前からは散々見たことあったけど、後ろから見るのってもしかして初めて?!」と新鮮さにハッとした感覚を思い出してしまいました。中華學院の中に入ってこそ堂々と観られる、この絵は、なかなかないよなぁ。

► なんと!駐日大使が現れる!

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先日9月27日に新しく就任されたばかりの台湾駐日大使、馮寄台(ひょうきたい)氏が、お昼休憩後12時半過ぎ、突如、中華學校庭に現れました!(って、始めから予定されていたことで、ただ単にナビが知らなかっただけ。だから、びっくりー!)馮大使は、台湾の馬英九総統の外交ブレーンで、そんな側近の彼を今回、駐日大使に起用した馬総統は、台日関係を重視してくれているようにも思えます。
さて、馮さんですが、実年齢62歳よりも若く見え、紳士的でなかなかのハンサム。なんとなく馬総統と重なったのはナビだけでしょうか?そういえば、馬総統がまだ台北市長だったころ、よくマラソンしていたイメージがありますが、いろんな所に出没するので、ナビは3回も遭遇してしまいました。(意味もなく台北市内をウロウロしているのはナビの方でした。すみません。)また話を馮大使に戻しますと、台湾高雄のご出身で、父親が外交官だったため、小中学生時代に実は5年間日本で生活していたそうです。「横浜はとても懐かしいです」とだけ日本語で挨拶してくださいました。そのころ、両親に何度も横浜に連れて来てもらったそうです。ここで、一気に親近感がわいてきました!

ちょっとでも日本語を話してくれたりなんかすると、断然近い存在に感じるものですね。それまで、色黒で大きくて、米国ハーバード大出のお高い感じがしていたのです。しかも、馮さん道路渋滞で少し遅れて学校に到着したのですが、その間も何も知らないナビは、これから始まる中国伝統芸能演技を見るために一番いいところに陣取っていたのでした。が、スタッフにここは大使が座る場所なのでどいてくださいと言われてしまい、何が大使だっ!大使って誰?とブスッときていたのです。すみませーん。そんなとき、学校中みんなの暖かい拍手に迎えられ、馮駐日代表が副代表らと共に、颯爽と校庭に入ってきたので、思わずナビはびっくりしてしまったのでした。

► 精彩な演技で運動会とは思えない?!(龍舞・獅子舞・民族舞踊)

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中国伝統芸能である龍舞・獅子舞・民族舞踊が午後行われました。これは、中華街の「雙十節」プログラムにも載っているので、やはり運動会というか一般向けのパフォーマンスなのでしょう。龍舞も動きが早くて、大きくて面白いです。10人ほどで一匹の龍を動かすので、これもまたかなりの練習が必要だと思います。どんどん早くなって、縄跳びのように龍の体の上を跨ぎ飛んで、龍が飛んでいる様子を表現するところがワクワクしてきます。そして、驚いたのが、女生徒や小学生による民族舞踊です。

どれも綺麗な衣装を着て、踊りも手の指の先までしなやかで上手なんだよね。見ていてうっとりしてしまうところもありました。小学一年生による台湾の原住民の踊りも、みんなリズム感あってよかったです。それと、南方獅子舞と北方獅子舞の両方の演技があるのが、この時間の魅力です。それぞれ獅子のデザインもストーリーもセットも違うので、見応え十分です。この素晴らしい午後のステージは、お金を払って観ても惜しくないほどのオススメショーです。

► ちょっとだけ「南方獅子舞」と「北方獅子舞」について

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南方獅子舞の特徴は、中国武術拳法家の影響を受け、動きが功夫(カンフー)的なところです。中国広東省や福建省の南方地帯で盛んで、獅子頭は五色でお目めクリクリ、かわいいです。「五穀豊饒」「厄病退散」「幸福招来」の願いをこめて演じられます。あとに書く、祝賀獅子舞の「梅花椿」もこの南方獅子舞が演じます。

一方、北方獅子舞の特徴は、玉乗り曲芸です。獅頭と獅尾の二人が息を合わせて玉を転がしシーソー板を渡る場面は、一瞬のまばたきもせず見入ってしまいます。また独特の笛、太鼓、大小鑼のお囃子があり、獅子たちの間にバク転宙返りで派手に割って入る大侠との調和が何ともおもしろいのです。

Part2
へ続く 

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その他情報

基本情報
【開催日時】 2008年10月10日(金) 12:30〜20:30 ※パレードは雨天決行
【場  所】 横濱中華學院校庭 横浜市中区山下町142番地
および中華街全域
【お問合せ】 横濱華僑各界慶祝双十國慶大會委員會 事務局
電話:(045)681-2114

■行き方・交通
●みなとみらい線 元町・中華街駅 2、3番出口より徒歩1分
●みなとみらい線 日本大通り駅 2番スタジアム出口より徒歩5分
●JR京浜東北・根岸線 石川町駅中華街口より徒歩5分
●JR京浜東北・根岸線 関内駅南口より徒歩7分 
 
 

その他情報

■基本情報
【開催日時】 2008年10月10日(金) 12:30〜20:30 ※パレードは雨天決行
【場  所】 横濱中華學院校庭 横浜市中区山下町142番地
および中華街全域
【お問合せ】 横濱華僑各界慶祝双十國慶大會委員會 事務局
電話:(045)681-2114

■行き方・交通
●みなとみらい線 元町・中華街駅 2、3番出口より徒歩1分
●みなとみらい線 日本大通り駅 2番スタジアム出口より徒歩5分
●JR京浜東北・根岸線 石川町駅中華街口より徒歩5分
●JR京浜東北・根岸線 関内駅南口より徒歩7分
関連タグ:横浜双十節国慶節獅子舞中華学校

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-11-06

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