活気あふれる都会の市場!金華ハムにドライフルーツ、台湾の美味しいものを買いたかったら迷わずここへ駆け込みましょう♪
こんにちは。台北ナビです。
今日は美味しいものを知り尽くした台北市民でいつも賑わう「南門市場」にやってきました!ここは生鮮食品からお惣菜、乾物、食堂に熱炒(台湾風居酒屋)まで、食のことならなんでもござれの元気なマーケット。さっそくお買い物に出かけましょう!
中正紀念堂の駅を出たらすぐ目の前!
ここ南門市場は、MRT「中正紀念堂」駅出口2を出てすぐ目の前にあります。このアクセスの良さは台北の市場の中でもピカイチ!一見すると市場には見えず、オフィスビルのよう。入口は2か所あって、一歩足を踏み入れるとやはり独特の活気がありますが、路上で開かれる市場に比べれば、非常に清潔で入りやすい雰囲気です。洋服や下着の横で生肉を売っている、なんていうこともなく、地下1Fは生鮮品売り場、1Fは乾物・お惣菜売り場、2Fが食堂と服飾品、という具合にしっかりエリアが分かれているので、初めてでも安心して散策できます。
旅行者でも存分に楽しめるのが1Fの乾物・お惣菜売り場。敷地の約半分がハムやカラスミを含む保存食を扱うお店、残り半分が調理済みのお惣菜や饅頭(マントウ)を扱うお店という具合に分かれています。乾物売り場はお土産に持ってこいの名産品も豊富。さっそくこのエリアを攻めてみましょう。
これが1F乾物・お惣菜売り場の地図です!
アットホームな乾物屋さんでドライフルーツをゲット!「南門醤園」
ハト麦などの粉末
まずナビの目に留まったのがここ。「南門醤園」という乾物のお店です。各種ソース類や油なども数多く扱うお店ですが、店頭に並んでいるドライフルーツや豆類がすごくおいしそう。こうして量り売りしているのもなんだかノスタルジックでいいですねぇ。愛文マンゴーを使ったドライマンゴーを試食させてもらいましたが、天然の甘みがギュッと詰まっていて本当に美味しかったです。1斤(600g)350元、一袋200元で袋売りもしています。お土産に喜ばれそうですね。
また、ハト麦、黒豆、もち米などが粉末になったものも袋詰めで販売しています。この粉はどうやって使うのかな?と思ってお店のおばあちゃんに聞いてみると、ニコニコしながら一生懸命日本語で話してくれました。この粉はそのまま水で溶かしてもいいし、ミルクなどに混ぜて飲むととても体にいいそうです。
豆類も人気商品。台湾の人たちは冬場に小豆、夏場に緑豆を好んで食べます。取材日はすでに真夏日だったので、解熱効果もあると言われる緑豆がよく売れていました。とてもアットホームなお店で、質問にも気さくに答えてくれます。ぜひ覗いてみてください!
金華ハムの超老舗店ではなぜか臭豆腐も大人気!「萬有全」
つづいてやってきたのは、この市場を代表する金華火腿(ハム)の老舗「萬有全」です。ここ南門市場は光復後に大陸から来た外省人たちがよく利用しているので、台湾料理だけでなく中国各地の食材に出会えるのですが、金華ハムはその代表格。中国・浙江省の金華地区で生産されている伝統的な保存食で、世界三大ハムの一つに数えられるほど。まさに中華料理を代表する食材です。見た目は生ハムのようですが、塩を効かせて発酵させた鰹節のような食べ物。中華ではスープを取るダシとして、またチャーハンの味付けにも使われます。
あちこちの店でこの金華ハムを販売していますが、「萬有全」は1910年に浙江省で開業した超老舗。戦後国民党が台湾に渡ったのと一緒に台湾へ上陸し、中山に開店。その後南門市場に今のお店を出してから30年、本場の味を守っています。店頭にズラーッと並んだ金華ハムは壮観です。金華ハムを蜂蜜に漬けたものもあります。これは湖南料理の一種で、パンに挟んで食べるのがポピュラーな食べ方ですね。他にもソーセージの中に塩卵を埋め込んだものや、干した魚やホタテの貝柱、ちょっと変わったものでは扁尖筍という塩漬けにしたタケノコなど、美味しそうな乾物がぎっしりと並んでいますが、ん?この匂いは…?
なぜか店の一角で臭豆腐を売っているのでした。これが金華ハムの香りをすべて吹き飛ばすほどの強烈な匂い!しかもすごい勢いで売れています。実はこのお店の密かな人気商品なんですって!
日本でも見たことがない調味料がいっぱい 「新多糕餅店」
「萬有全」からもう一つの出入り口方面へ向かうと、右手に調味料やお菓子などがぎっしり詰まった雑貨店「新多糕餅店」というお店がありました。日本のお菓子もたくさんあります。それら既製品のお菓子の間を縫うように「鹹光餅」というパンを量り売りしているのも不思議な光景。この鹹光餅、ナビは以前新荘の老街を散策取材した時に老舗のお菓子屋で遭遇しましたが、元々は福建省の福州から来たものだったのですね。モチモチした食感で、ベーグルのように楽しめるパンです。砂糖味と塩味があって、どちらも一つ10元。お店の人曰く、最近では鹹光餅を扱うお店が減っているので、わざわざここへ買いに来るお客さんもいるんだとか。ナビが見ている間も飛ぶように売れていましたよ。
お菓子だけでなく、棚に並ぶ調味料も多くが日本製。シチューやカレーの素は他のスーパーなどでも見かけますが、いわしの缶詰やなめたけなど台湾では珍しい品もありました。さざえの缶詰は確かに日本製ですが、日本でも見たことがないので興味津津。お酢やゴマ油もレトロな瓶に入ったものが多く、見ているだけで楽しかったです。
日本語OKで試食し放題!お土産を買うならココ!「上海火腿」
「新多糕餅店」の向かい側に「上海火腿」というお店があり、ここも「萬有全」などと似たようなラインナップなのですが、このお店はさらにもう一軒、出入り口付近に店舗を構えているんです。何人も店員さんが立っているので通り過ぎることはないと思いますが、目印は店頭にぶらさがっている大きな魚の干物。「青魚干」とありますが、座布団並の大きさで、かなりインパクトがあります。
ドライフルーツもすべて試食できます
さて、非常に観光客慣れしたこのお店。日本人だと告げると、日本語堪能なご婦人が現れて、商品をテキパキと説明してくれました。看板メニューのハムはもちろん、カラスミ、ソーセージ、ホタテの貝柱、各種調味料などなんでも手に入ります。ドライフルーツも種類が豊富で全種類試食が可能。試食用に小さくカットされたドライフルーツは名前入りのタッパーに入っているのでわかりやすく、安心して選ぶことができます。海外へ持ち帰ることのできる品物にも通じていて、お土産を買うならここがおすすめ。
カラスミもあります
|
|
お値段の張るホタテ貝柱も、小分けパックなら買いやすい
|
気になる食材は何でも出てくる!日本語も通じて安心です
お惣菜売り場もバラエティーに富んでいます
夕方近くなると主婦でごった返しすごい熱気!
1Fの敷地の残り半分はお惣菜売り場。お昼時から夕方になると、台湾の主婦たちでごった返す場所です。エビの炒めものやニンニク漬けされたカニの揚げ物など、街中の小吃店や屋台で見かける食べ物もありますが、お店では出さない家庭料理が並んでいるのも面白いところ。ピーマンの肉詰めなんかもあります。一番の売れ筋は魚料理だそうで、山積みにされているのは「燻魚」という揚げた魚を漬け汁に漬けこんだもの。思わずギョッとしてしまう見た目ですが、この山がどんどん売れていくそうです。
売れ筋は家庭的なおかず
|
|
この「燻魚」が飛ぶように売れるそうです!
|
ベジタリアンフードも個性的 「老林記」
鶏肉に似せて作った豆腐料理です
お惣菜売り場の活気に圧倒されるナビの目にふと止まったのが、ハムのような卵のような不思議な食べ物。お店の名前は「老林記」とあります。店員さんに聞いてみたところ、ベジタリアンフード専門店だそうで、気になった食べ物の正体は素鶏という、鶏肉に似せて作った大豆料理でした。もうひとつビックリしたのが、こんにゃくやシイタケなどで作った豚角煮!脂身の照りまでソックリなんです。ほかにも、きのこ類などで作った具材を詰め込んで煮たゴーヤなど、オリジナル料理が盛りだくさんのお店でした。お惣菜売り場を歩くと、台湾料理の奥深さを堪能できますよ~。
本物の豚角煮そっくり!野菜だけで作ったなんて信じられません~
紫色のブロッコリー!!
エスカレーターで地下1Fへ下りると、野菜や肉などの生鮮食品売り場が広がります。一部は2Fのお店の工場やバックヤードにもなっていて、肉鬆(乾燥させた肉そぼろ)を作っていたり、取材時は端午節の直前だったので、チマキを巻いているお店も。野菜や魚介類はその日に獲れたものをどどーんと並べていて、肉はその場でカットしていますので新鮮さは抜群。見たことのない魚や生け捕りのカエルに思わず後ずさったり、肉屋のリアルさにおののいたり、日本人にはビックリがいっぱいの空間になっています。
お魚も獲れたてです
|
|
台湾では魚の開きは珍しいんですよ!
|
2Fは数軒が並ぶフードコートと、服飾系のお店が入っています。刀削麺やベトナムのフォーなど国際色豊かで、外省人が多いという客層を反映していました。どのお店もご近所さんでいっぱいだったので、味も期待できそうですよ。洋服屋さんは……地元のマダム向けのラインナップ。洋服に限って言うと、どこも朝市は主婦向け、夜市は若者向けの品揃えになっているようです。
3フロアにわたって台湾の食の世界を堪能できる南門市場。まさに台湾の人たちの胃袋を支える場所ですが、外国人の私たちでも台湾料理の食材を気軽に入手できるおすすめスポットです。その一部をお土産に持って帰れば喜ばれること間違いなし。ぜひ足を運んでみてくださいね!
以上、台北ナビがお届けしました。