雪霸レジャーファーム（新竹県）

夫婦で作り上げた桃源郷

雪霸レジャーファームのオーナー范增達さんは、以前農業試験所に勤務し、BASF農藥部技術代表として、農集の推進を行っていました。20数年前に退職を決意、その後は奥さんを連れて、山で農業を始めました。最初の8年は水道も電気もなく、夜はろうそくが頼りで、交通も不便でした。収穫したフルーツは人の手で担ぎ、途中から小トラックで町まで運んで売り、生活の糧としていました。当時の生活状況を語ると、多くの人は信じられないと口々に言うそうですが、オーナーにとってはこの時積んだ経験こそが、今のファームの礎になる貴重な時期であったと言います。フルーツ園を開き、レジャーファームを始めてから10余年の歳月が過ぎましたが、ファーム内の各所の情景は、多くの人の心に残ることでしょう。

雪霸レジャーファームは桃源郷でありながら、現代的な宿泊施設を備えています。現在お客さんの9割は台湾人だそうですが、台湾に長く住むナビは、ここをもっと早く知っていたかったと思った次第。民宿が乱立し、景観が損なわれつつある清境農場より、こちらのほうがよっぽど台湾の避暑地と言えます。ファーム内カフェのテラスの心地よさ。大きく深呼吸すると、おいしい空気が体中に入ってきて、力がみなぎってくるような感覚を実感しました。

ファーム内を散策してみましょう

オーナーは、毎年1～2ヶ月、農業の視察のため、出国します。新種の花や野菜、フルーツを知り、新しい農業美術を学ぶためです。1985年、キウイは台湾では高価なフルーツでした。しかし、台湾産キウイの生産に成功したのもこちらのオーナーで、やがてキウイは台湾人にとって身近なフルーツとなったのです。

ファームには、桜や牡丹、あじさいなどの花のほか、スモモや梨などの果物の木、国内では希少な楓など、1年を通じて、四季折々の花や植物、そして、フルーツを楽しむことができます。
春　1月～3月 スモモの花、ブルーベリの花、小葉楓
夏 4月～6月 梨の花、牡丹、バラ、つつじ、キウイの花
秋 7月～9月 水蜜桃、ブルーベリー、スモモ、梨
バラ、ホウセンカ等。
冬 10月～12月 梨、キウイ、楓

1989年、オーナーはドイツからブルーベリーの苗を仕入れ、試しに植えてみたところ、思いがけなく觀霧の高山の気候がこのフルーツの成長にピッタリだということを発見しました。そこで土壌の改良を行ったら、その次の年には開花し、実を結ぶこととなったわけです。最初は3000坪から、やがて今は1万坪の広さにまでなりました。野生のブルーベリー（Wild Blue Berries）は、今までアメリカの北部とカナダの東部のみ生長し、寒くて乾燥した地域でこそ息づくフルーツとされてきました。その色は深い藍か濃い赤紫色で、小粒、ジューシーで栄養価が高いとされ、現代人の健康食品として欠かせない食べ物です。ビタミンを多く含み、アンチエイジングにも効果があり、眼にもいいとされていますね。こんなブルーベリーが台湾で栽培できるようになるとは！今ではここはブルーベリーの生産センターとなって、毎年7～8月の収穫期には、観光客にフルーツ狩りを開放しています。ファーム内は他にもチェリーなど、亜熱帯の台湾では少ないフルーツの栽培も手掛けていて、その数は現在11種。チェリーは2月だそうですよ。

ブルーベリー酢作りの体験もできます

雪霸レジャーファームは、登山客の優しく受け入れる休息の場でもありますが、一般の観光客もかなり多いのです。なので、ファーム内だけでも毎日様々なイベントが行われています。この日はナビたちもブルーベリー酢の手作り体験に挑戦してみました。作った後持って帰れます。実際に飲むなら1年後がいいそう。

宿泊設備も完備

泊まってみたい！と叫びたくなるほどの可愛くて、素敵なコテージがエリアごとにあります。副場長を担っているオーナーの息子さんである范啓敏さんによると、2016年現在、部屋は全部で90室、最大で240人が泊まれるそうです。コテージは毎年リフォームを行っているので、室内のみならず、浴室のタイルも古びていません。アメニティやファシリティも完ぺきで、水圧も十分。ここに宿泊する人の誰もが温かい湯に浸かることができるのです。冬場とっても寒い雪覇では、本当にありがたいことですね。タオルやベッドシーツ、スリッパもきちんと消毒されていて、雨の日は宿泊者に雨傘を準備しています。

欧式木屋二人房　画像参考：D612室
クイーンサイズベッド1つ。朝食、夕食付き（各2人分）。人数が増える場合は、一人につき960 元プラス（朝食、寝具、アメニティ含む）。 木製の家具やインテリアが落ち着きます。窓の外の緑にも癒されます。

アメニティなどは、こちらです。

欧式木屋四人房 　画像参考：D608室
クイーンサイズベッド2つ。朝食、夕食付き（各4人分）。人数が増える場合は、一人につき960 元プラス（朝食、寝具、アメニティ含む）。子供さんのいるファミリーにはピッタリの部屋です。

花園木屋四人房　画像参考：D806
シングルベッド2つ、クイーンサイズベッド1つ。朝食、夕食付き（各4人分）。人数が増える場合は、一人につき1120 元プラス（朝食、寝具、アメニティ含む）。とにかく広くて、なんとコンピューターコーナーがありました。インターネットも完備。

宿泊の際の注意事項ですが、ペットはお断りです。各部屋に冷房設備はありません。夏場でも20度以下ですから、必要ないですね。チェックアウト10時で、チェックイン15時ですが、ファームへの道は山道なので、もし遅れる場合は事前に電話連絡をしておいてください。花園木屋以外は、冷蔵庫とシャワーブース、コンピューターの設備はありません。

レストラン

ファームには、中華と洋食、雲海咖啡廳の3か所のレストランがあります。どのレストランでも旬のフルーツを味わうことができます。キウイチャーハンやブルーベリーソースのエビ揚げ、レモン味のチキンなどのほか、飲み物も新鮮なフルーツの濃厚なジュースがあります。

中式餐廳
料理メニューは中華と客家料理のビュッフェです。当地の旬の食材を使用した美食が並びます。セルフの麺やスイーツ、飲み物、フルーツも豊富です。
朝食：6:30～8:30　昼食：11:30～13:30、夕食：18:00～19:30
テーブル1卓のコースメニュー5000元～。

雲霧西餐廳
ランチタイムは、パスタや鍋料理以外に、サラダビュッフェもあります。夕食メニューはもっと豪華で、牛肉や豚肉、羊肉、チキン、シーフードからメインを選び、前菜やスープ、デザートがついたセットメニューになります。
昼食：11:30～13:30、夕食：17:30～19:30

ブルーベリーのクッキーやジャム、各種お菓子、濃縮ジュースなどなど、ここまで来たら、ぜひ何かは買って帰りたいものです。
★旬のフルーツも随時販売しています。ファーム内のブルーベリーやキウイ、スモモなどの購入もできます。

以上、台北ナビでした。