香蕉研究所(屏東県)

閉店・移転、情報の修正などの報告

台湾極上のバナナが屏東にありました


こんにちは、台北ナビです。
台湾の果物と言えば、マンゴーよりもバナナを先に思い浮かべる人が多いかもしれません。現在日本で見かけるバナナの多くはフィリピン産ですが、昭和の初期~40年はほとんどが台湾産で、バナナ=台湾でした。熱帯の果物の代表格であるバナナ、台湾はその生育条件で重要な気候面では一番北に位置し、台湾南部では12月~6月、中部は秋口から冬にかけてが収穫期となります。主な産地は、南投県、高雄市、屏東県。今回ナビは、屏東県にやってきました。ここの香蕉研究所はずっとバナナの生育、研究が中心でしたが、2016年からショップの開設や参観など観光客に大々的にアピールしていく予定です。

看板に注目してください

建物の後方にあるバナナ畑は約6000坪。すべて有機栽培です。今後はバナナ開拓史などのビデオを見た後、バナナ畑で写真を撮ったり、バナナを使ったケ-キやヌガー、チョコ、アイスなどのお土産をショップで購入することができます。ナビとしてそのビデオには日本時代からのバナナの歴史が見られるそうなので、それが楽しみです。
日本人は、かつて日本に果物があまりない春先から初夏の時期にあわせて出荷できるよう、バナナ栽培を指導していたそうです。香蕉研究所は他にも15万坪の土地を持ち、その大半は日本時代にバナナ畑として開墾されたところで、ナビたちはこの後ここから車で約30分、その果てしなくバナナが続く畑に向かいます。

台湾バナナ


フィリピンは台湾よりもっと熱帯なので、8か月で収穫できますが、台湾では収穫まで11か月~1年ほどかかります。自然の中でじっくり成長するので、味、香りなどフィリピン産よりも濃く、甘味に関しても断然深みがあります。
台湾で日本や中国に輸出されている品種は、5号と呼ばれる北蕉で、冬場は約20㎝、春場は25cmほどの長さになります。北蕉がシェアのほとんどを占め、加工品に使用されるのもこれらの種類。毎年日本へは300万~500万箱(1箱約8キロ)ほど輸出されています。傷がなく、きれいな黄色が黄金のように輝いているのが高品質で、上等品とされています。世界中に300種もあるというバナナなので、台湾にも玫瑰(ローズ)蕉、蘭花蕉、李林蕉、宝島蕉、山蕉、芭蕉、蛋蕉、佛手蕉、美人蕉…などたくさんの種類があります。残念ながら台北の市場ではバナナの種類は少ないですが、中南部の市場を歩くと、見たことのないバナナにも出会え、テンションが上がります。バナナの皮の色も黒かったり、赤かったり、緑でも食べられたり、その大きさも人間の指みたいなものから、ズッキーニみたいなもの、形も先がとがったり丸まっていたりと様々。

日本における台湾バナナの歴史


1903年(明治36年)、都島金次郎によって日本に初めて台湾バナナが輸入されました。
台湾が日本時代だった頃、日本では冬はミカンやリンゴ、夏はスイカがメインで、春の果実が少なかったため、台湾バナナは日本人好みに品種改良が行われました。台湾総督府もバナナ産業を奨励し、1924年(大正13年)には半官半民の「台湾青果株式会社」を設立しました。1937年(昭和12年)には、台湾バナナは出荷ピークを迎えましたが、第二次世界大戦の勃発によって、戦時中は台湾バナナの出荷量は激減しました。
戦後はGHQ向けに出荷が再開され、その後は民間向けにも再び出荷開始。総量は以前ほどまで回復しませんでしたが、台湾バナナへの需要は高かったため価格は上昇、上質のものは料亭やホテルに買い占められたそうです。1955年(昭和30年)頃まで台湾バナナは「高級品」の位置づけにあり、マスクメロンのように庶民が上質の台湾バナナを購入できるのは、お見舞いなどの時と限られていたのです。

バナナ!バナナ!果てしなくバナナ!

道を挟んだ反対側ものどか

道を挟んだ反対側ものどか

ナビたちは香蕉研究所の魏彤兆顧問と一緒に新埤郷の興華農場へやってきました。ここは、日本時代からの広大なバナナ畑で、日本が去ってからは台灣糖業股份有限公司が引き継ぎ、現在は財団法人の香蕉研究所が管理しています。
3匹の黒い子犬がナビたちを迎えてくれました。ちょうど毎日バナナの収穫をしているというこの時期、青々した葉は大きく、バナナトンネルの中に入ったらどこまでもバナナで出られなくなってしまいそうです。
可愛いワンちゃんたち

可愛いワンちゃんたち

車で入る道

車で入る道

もう少し狭い道

もう少し狭い道

どこまでも続く

どこまでも続く

大きな花弁に見えるのは苞葉で、葉の中にある果指一つ一つが一本のバナナに成長します。下方の紅い部分は上の方から15㎝残して下は切り落とすそうです。バナナの寿命は収穫が終わったら刈られてしまうため約1年。1本の木に6~11房のバナナができますが、7~10房を残し、他は切り捨てます。 輸出用のバナナは房ごとにビニールをかけたりして、傷がつかないようにしています。
袋をとると

袋をとると

こんな感じ

こんな感じ

果指の先は取ってしまいます

果指の先は取ってしまいます

輸出用にはビニールをつけます

輸出用にはビニールをつけます

こうすると押された傷などがつかないそう

こうすると押された傷などがつかないそう

これは日本へいくのかな?

これは日本へいくのかな?

成長の目印として

成長の目印として

週ごとに違う色のひもを結びます

週ごとに違う色のひもを結びます

ひもの色で収穫期が一目でわかります

ひもの色で収穫期が一目でわかります

魏顧問においしいバナナの見分け方は?と聞くと、外観がきれい、というのは基本条件だと答えてくださいました。試食で1本食べたナビ、甘くて本当においしかったです。

以上、台北ナビでした。

記事登録日:2016-03-07

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スポット登録日:2016-03-07

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