硫黄谷（陽明山国家公園）

台北の郊外、陽明山国家公園で火山活動を体感できます

新北投から陽明山へ向かっていく途中、もくもくと温泉の湯気が立ち上がり、時に噴射と耳を澄ませばその噴射音を聞くことができる場所があります。この奇観と音の鑑賞地が硫黄谷です。硫黄谷は陽明山国家公園の一部で、公園の西南部に位置しています。近くには同じような景観で龍鳳谷というところもあり、地図上で見ると左が硫黄谷、右が龍鳳谷、ともに北投温泉の源泉となっていて、ちょうど2つの谷の真ん中にインフォメーションセンターがあります。

硫黄谷は、その名のとおり、近づいてくると硫黄の匂いがかなりしてきて、広さは1キロほど。この硫黄の匂いや蒸気などで、ここは火山活動が行われているところなんだと実感します。硫黄の蒸気は酸性硫酸鹽泉、いわゆる「白磺泉」。温泉の色は黄白色で、40～60度のいい湯となります。硫黄の採掘は、1697年の清朝の時代から行われ、硫酸、爆薬、ゴム、マッチ、殺虫剤の成分としても使用されてきました。

周辺の歩道も完備され、ちょっとした散歩コースにもなっています。展望台もあり、上から見下ろす硫黄谷の景色は圧巻です。もう一つ有名なのはススキ。亜熱帯の台湾では9月ぐらいから見られますが、ここでは10月が一番きれいなのです。